先週、歯の詰め物が割れて詰め直してもらったときのこと。
金属で詰め直すとなれば夏休み前にバタバタすると思ったが、
歯医者は見てすぐに「CRで」ということだったのだが、
作業中に「ア……のほうがいいな」とつぶやいて、その場で詰め終わったのだが、
果たして「ア……」とは何だったのかと後で歯科の用語でアから始まるものを調べたところ、
おそらくアイオノマーということだったのだろう。
正確に言えばグラスアイオノマーセメント(GIC)である。
最初に言っていたCRとはコンポジットレジンというもので、
これはレジンと無機質フィラーの混合体である。
穴に詰めて紫外線を当てて固める使い方をして、比較的小さな歯の詰め物に使われることが多い。
それなりに本物の歯のような見た目なので、前歯などにも適用しやすい。
一方のGICなのだが、こちらは金属インレーの接着剤というのが主な用途だという。
ただし、それ自体を詰め物に使われることもあるという。
GICは歯のカルシウムと反応して結合する材料である。
金属ともくっつくので、歯にこれを塗って、金属のインレーをはめると接着できる。
フッ素を放出する能力を持っているため、虫歯の再発防止効果があるという。
この観点で奥歯の溝を埋めて虫歯を予防するシーラントにも使われるという。
CRは紫外線を当てて固める必要があるが、GICはそれ自体が歯と反応してくっつく。
このため複雑な形状の穴に詰めるにはGICの方が確実性が高いと言える。
一方でGICは固まる途中に水と反応すると強度が弱くなる性質もある。
固まってからも唾液などで劣化しやすいそうである。
そこを打開する策としてレジンを添加するという方法があるようで、
この場合、GICなんだけど紫外線を当てながら固めるという工程を取る場合もある。
確かに詰めては紫外線を当てるという手順で詰めていた。
それ自体が固まる能力のあるGICだが、早期に紫外線で固めることで、
水との反応を防いで、整形をしやすくなるというメリットがあるという。
強度という点ではどちらかというとCRの方が強いようである。
セラミックの詰め物の接着剤にはCRが使われることが多いらしく、
銀歯の接着に使われるGICより強度が強いなんて記載もある。
セラミック自体も強度は強いので、強固にくっつきますよと。
確かにこれは正しいのだが、CRにしてもセラミックにしても割れやすいのである。
一方のGICだが、昔は強度が弱かったのだが、最近はレジン添加などで強度が高まったそうである。
それ自体が歯と反応してくっつくという性質から確実性が高い。
一長一短という面はあるが、確実性の高さが長所のようである。
見た目はCRよりやや劣るが(といっても白いので銀歯よりはよい)、
奥歯であることを考えればそこまで気になる話でもない。
このため形状などの特徴によって選ばれているそうである。
昔と比べるとこのあたりの素材は大きく発展しているようですね。
昔は詰め物を付けるにはリン酸亜鉛セメントというのが使われていたが、
歯髄刺激性があり、歯や金属との接着性がないなど、欠点も多かった。
1970年代にGICが出てきて、歯髄刺激性が少なく、歯と化学的に結合し、
フッ素を放出することで虫歯の再発を防ぐなど、メリットが多く、
歯と金属をくっつける接着剤として大きく普及していったという。
一方で、CRは1974年から保険適用となったが、当初は強度の弱さが欠点だった。
これがだんだん強度が高まり、利用範囲が拡大していったという。
GICもレジン添加という形でこの恩恵を受けた形である。
このあたりは話がつながっているんですね。