東京都の接種センターの対象者は複雑

東京都が渋谷区立勤労福祉会館(渋谷駅から区役所・代々木公園へ至る公園通り沿いにある)に

「東京都若者ワクチン接種センター」を開設したら、想定以上の希望者がやってきたという話。

てっきりもうちょっと先になるのかと思ったら、案外早かったもんで、

この段階で予約不要の接種会場というのは時期尚早ではないかというのが正直な感想である。

会場の勤労福祉会館がそこまで大きな施設ではないので、受入人数も知れてるわけですよね。

ともあれ、この状況を見て、急遽、東京都の一部の接種センターが16~39歳の東京都在住・在勤・在学者に開放されることになった。


東京都の大規模接種会場は職業などの条件でいろいろ対象者を決めてやっていた。

今回の「若者」という年齢のみの条件で対象となるのはおそらく初めてのことである。

それだけになんでこんなことになっているんだろうと思うわけだよね。

  1. 医療関係者
  2. 警察・消防・獣医師・柔道整復師他
  3. オリンピック・パラリンピック関係者
  4. 教育・保育・児童養護施設関係者、高専・専修学校学生
  5. 大学生
  6. 中小企業従業員
  7. 清掃・運輸・理美容・飲食・建設・葬祭業従事者
  8. モデルナ製ワクチンを1回接種を受けたが、2回目接種を受けられない人
  9. 妊婦とその家族

妊婦は最近追加されたわけだけど、これは昨今の変異株で若くて重症化する人が増えたことに伴うものと言える。

もともと優先接種グループに入ってなかったのは、年齢層からして今までほとんど問題にならなかったということであり、

国内外の知見から最近になって優先接種グループに入ったので、市町村の接種でも優先になったわけだけど、

とりあえず急いで受けられるようにと東京都の接種センターでも取り扱うようにしたということらしい。

この他にドライブスルー接種会場(井の頭公園)があるが、これは高齢者あるいは持病持ちが対象の大半であろうから、ここでは無視する。


1~3はほぼ接種完了ということになろうと思う。

4~6は8月に入る頃にスタートして、現在1回目と2回目の接種が並行して進んでるぐらいでは?

7~9は比較的最近スタートしている。このあたりは1~3の接種会場の転用で進められている。

ところが、7.で書いた清掃・運輸関係の接種が低調なようで、ここに「若者」を押し込むことは可能と判断したようだ。

「若者」グループは、渋谷の勤労福祉会館(予約不要)か、清掃・運輸関係者対象の3会場(予約制)で接種を受けることができるわけである。


それにしても東京都はなぜ接種対象者をこのように細分化していたのだろう?

おそらくは市区町村は年齢順に整然と打てばよいようにという考えなのだろう。

築地に接種センターを開設した時期は、医療関係者・消防職員でも接種を受けてない人がだいぶいたという。

モデルナ製ワクチンを受け取って、そこら辺にしっかり打てるようにしたかったわけですね。

同時にオリンピック関係で警察職員や大会関係者の接種も進める必要があったので、これも進めていた。

当時は高齢者の接種をガンガンやっていたわけだから、市区町村は高齢者のことだけ考えればよいようにしていたと。


その後、上の4~6のグループの接種会場が各地に開設された。

教育・保育・児童養護施設関係者というのは、大抵の市町村で優先接種グループと考えられていた。

子供へのワクチン接種はできないと考えられていたから、そこで働く大人の接種を行うことで守ろうと考えたわけだ。

(これが正しかったのかはわからないが、最近は 小中学生→同居家族 という感染が増えているという)

これにより東京都の市区町村はこのグループは無視して、住民の接種を進めてよいことになった。


大学生は大学での職域接種の補完だが地域によってはとても大きな意味を持つ。

会場の1つ、東京都立大学(南大沢キャンパス)が所在する八王子市にとっては、この接種センターは重要である。

なぜならば、八王子市には市内に住民登録していないが、実質的に市内に住んでいる大学生が多くいるためである。

居所でのワクチン接種は想定されているが、ワクチン配分は住民登録されている住民数に応じて行われる。

このため、八王子市では 住所地外接種届 の受付開始を先送りして、できるだけ市民以外にワクチンが行かないようにしているという。

それでは接種が延々と先送りされることになりかねないが、東京都の接種センターで接種してくれればよいと言えるのは大きい。

都内在学者であれば、八王子市民であるか否か問わず接種を受けられて、ワクチンの配分は別枠ですから。


中小企業従業員の意義は微妙なところだが、東京都の接種会場ながら商工団体との連携で運営されているところが特色である。

中小企業は職域接種を単独実施するのは難しく、商工団体で相乗りして実施するようなものも全国的にはあるが、

そういうことにリソースを割かずに、東京都の大規模接種会場として登録しようということなんだろう。

まぁ中小企業のガス抜きの色も濃いとは思うのだが、東京都がやらなくても似たようなことに走っていた可能性はまぁあるわけで。

使っているワクチンはファイザー製ワクチンなのは、職域接種ではないことを如実に表している。


しかし、その次の清掃・運輸などの従業者というのは、どうもピンと来ないようだ。

おそらく、都営地下鉄の乗務員が集団感染を起こしたり、ゴミ収集にあたる職員が集団感染を起こしたり、

そういうことも念頭に置いて、社会活動にとっての重要性の高い人をピックアップしたとみられる。

しかし、あまり周知されていないのか、未接種の対象者が思ってる以上に少ないのか。

もうこの段階で東京都の大規模接種会場戦略は曲がり角を迎えていたのかも知れない。

モデルナ製ワクチンを1回だけ接種を受けた人の救済にいち早く乗り出したのも、枠を埋めるための策だったか。


正直なところ、大半の市区町村が50代・40代の接種もまだ1回目の途中というのが実情だろうと思う。

市区町村によるけど、例え30代以下の接種予約が始まっていても、それは50代・40代が完了したという意味ではない。

この2つが並行して動いていて、どちらかといえば50代・40代が優先して予約が入れられるところも多い。

そういう中で、普通に考えれば東京都も高年齢の方から接種を進める方がよいように思えるが、

市区町村と東京都で同じような対象者にやっては混乱の元という考えもある。

そういうところで思い切って「若者」というところを次の対象者にしたのかなという予想はある。

とはいえ、これは各市区町村とも50代・40代の1回目接種が近日中にある程度片付くというのが前提であり、

そうでないならば、そこをきちんと終わらせる方が優先であろうと思いますがね。