久美浜湾一周旅行

今日はバイクを列車で運んで周遊ということで、やってきたのは京都丹後鉄道の豊岡駅、

案内があまりないのでわかりにくいのだが、地上に駅舎がある。

豊岡に来たとき、エレベータで降りたときに発見していたからよかったけど。

ここから2駅、久美浜まで乗る。わずかな区間だが府県界を越えて京都府である。


本来、京都丹後鉄道では特急以外はクレジットカードのNFC決済で乗車できる仕組みがある。

しかし、除外されている列車もあって、今回乗車する8:44発の快速もそれにあたる。

除外理由は実質的に特急だから。久美浜から はしだて号になるんですよ。

そんなわけで券売機できっぷを買おうとしたら動いてないんだが。

これは車内で買うのかと乗り込む。この便だけJRホームから出発なのだが、乗換口があるのでしれっと乗車する。

出発前に車掌が来てくれて久美浜までの300円を払った。


久美浜駅に到着してバイクを組み立てる。

なぜ久美浜に来たのかというと、久美浜湾を周遊しようとしたからである。

久美浜湾という名前からすると海のようだし、地元の認識も海である。

ただ、地図を見てみるとわかるのだが、これは湖? というほど海との接続が細い。

実際、ジオパークの説明にも「潟湖(ラグーン)である久美浜湾」と湖のような扱いである。

ただ、都田川の一部である浜名湖や、斐伊川の一部である中海・宍道湖とは異なり、

久美浜湾に注ぐ川は久美浜湾に合流した時点で「河口」として扱われており、行政上も海扱いである。そんなのもある。


とりあえず近くで久美浜湾を見てみるとカヌーをする人が多く見られた。

久美浜湾はこれだけ入り組んでいれば波も穏やかでカヌーに適している。

けっこうな距離を漕げるだけの大きな「湾」である。そのことは後で発見するのだが。

今はカヌーや漁船・遊覧船が発着する程度の久美浜港だが、昔は湾外との航路も多くあった。

看板に「豪商稲葉本家」とあったが、かつて交易で栄えた久美浜を表す建物である。

稲葉家はもともと麹製造をしていて、それで得た利益を元手に廻船業に手を出す。

これはもともと久美浜に発着する船が多かったことを表している。

それで多くの金を持っていた稲葉家は久美浜代官所の掛屋、今で言えば指定金融機関みたいなものか、それで利益を得ていた。

明治以降も久美浜町長を輩出したり、豊岡~久美浜の鉄道開通に出資したという。

この鉄道開通後に湾外交通がなくなったという。実はそういう歴史でもある。


ここから久美浜湾をバイクでぐるっと一周する。かなりアップダウンがある。

自転車だと大変だったなと思いながら上って下って進んでいく。

海岸に沿ってゴルフ場があり、海には養殖用のいかだがあり、よい景色である。

そんなので進むと橋の手前に「大向展望台」と書いてあり、気になったので分岐してみた。

集落の中に入っていき、どこが展望台なんだよと思ったら、わかりにくいところに入口があった。

さすがに車では上がれないので下に停めて、急坂をゆっくり上がっていく。

すると展望台があったのだが……木が邪魔だな。よくあるやつだ。

ただ、木々の間から綺麗な砂浜が見える。後で行くのだが、これは小天橋と呼ばれているところである。

久美浜湾の口を閉じてしまった砂州で天橋立にちなんだ命名だという。

確かに天橋立と構造的にも似ているのだが「湾口」はあれよりさらに狭い。

橋の高さこそ高いが、幅はかなり狭い。しかも1913年に開削してなんとか確保している状況である。

それもはや湾ではなく湖だろと思うんだけど、京都府の認識は海で一貫している。


橋を渡ったらすぐに小天橋海水浴場、海水浴に興じる人が多くいた。

パッと見た感じでは綺麗な海である。京都府にこんな海があるんだなと。

長く砂浜が続いている。この砂浜に塞がれたのが久美浜湾だから当然だが。

けっこうごつごつした岩が多くあり、船の航行には注意が必要そうだなとみていた。

道路が砂浜に近づくのはここぐらいで、他は防砂林を挟んで走っている。

今まで山がちなところを走ってきたが、当然このあたりは平らである。

そのまま久美浜湾沿いに進んでいくと、また山が見えてくる。

久美浜湾のシンボルでもある 兜山が見えてきた。この兜山には展望台があるらしい。

というのでいろいろ迷いながら かぶと山公園に到着。

ここから歩いて登れるようだ。というわけで登るのだがけっこう大変だった。

というのも標高191.7mでスタート地点の標高が30mほどなので、そりゃけっこう急なわけだ。

しかし登り切ると久美浜湾が一望できる。カヌーの人たちはスタート地点のカヌーセンターからけっこう遠くに行っていた。

この兜山は硬い岩石のため削られずにこうして残ったようで、久美浜湾を一望するに適しているわけである。

ところでこの入口の横に「NORTH FACE」「Bshop」と書いた建物があり、

なんだこれ? と思ったら普通に店舗だった。キャンプ場の近くなのでコンビニ的な意味もあるのかと思ったがそうではなさそう。

京都・久美浜の複合施設〈HOLIDAY HOME〉に〈THE NORTH FACE 京丹後〉が生まれた理由 (BRUTUS)

もともとBshopの倉庫だったところを転用していて、それはそもそもBshopの創業者の故郷が久美浜だったかららしい。


そんなこんなで久美浜湾を一周して久美浜駅でゴールである。

今度はVisaタッチで乗車できる汽車だったので、駅の改札でタッチして乗り込む。

J-WESTカードがタッチ対応なのでそれを使った。

エレベーターもない跨線橋を担いで運ぶのはけっこう大変である。

ちなみに丹鉄にはサイクルトレインがあるが、1日1往復の指定列車のみ期間限定で予約制、

乗降できる駅は限られており、久美浜駅は該当しない。そもそも原付は持ち込めない。

というわけで袋に入れて運ぶしかこのルートはどうにもならない。

豊岡までの汽車は案外人は乗っていた。JR乗換の人も多く、宮津方面から豊岡経由で各地というのはあるようだ。

朝は駅員がいなかったが、この時間は駅員がいるようで改札でタッチと。

これなら別に特急でもVisaタッチ使えてよさそうだけど、豊岡でも無人時間帯だと車内対応だしね。


山陰海岸ジオパークの主なところは兵庫県但馬地域ではあるが、

東側は京丹後市まで伸びていて、その中でも面白そうだった久美浜湾を訪れてみた。

ここからはしばらくまた兵庫県内を周遊することになるが、

豊岡滞在は今日まで。明日は次の宿まで動きながら周遊していく。

荷物を運びながらというのが難点なんだけど、まぁそこはなんとかなんとか。