小さな橋を渡るところに、川の名前を書いた看板があったので、
ちらっと見てみたら「準用河川 ○○川」とあった。
準用河川って書いてあるのは初めて見たような気がするなぁ。
一級河川、二級河川と並べられると、一級河川は二級河川に比べて重要度が高いように見えるが、実はそうではない。
一級河川と二級河川の違いは、その河川が一級水系に属するか、二級水系に属するかというだけの差で、
一級水系は国が、二級水系は都道府県に治水の最終責任があるけど、
そうはいっても一級河川の全てが国管理というわけではなく、主要な区間以外は都道府県管理になる。
かつて住んでいたのは山間部なので、市内の主な河川は全て一級河川で、
半分枯れ川みたいなところにも「一級河川」と書いてあって、「こんなのも一級河川かよ」って言う人もいたが、
一級水系に属する河川なので一級河川ってだけで、これよりも重要度の高い二級河川はいくらでもある。
一方で、準用河川と普通河川という区分もある。
普通河川は河川というよりは水路と言った方がいいかもしれない。
不動産の世界では法定外公共物というジャンルになり、里道(行政の管理する道路でも私道でもないもの)と同じような扱いだ。
一方で、準用河川は市町村が河川法の規定を準用すると定めた河川で、
一級河川・二級河川に含まれない河川は、そのままではただの水路という扱いになってしまう。
でも、市町村がただの水路ではなく、河川として扱うべきと判断すれば、準用河川にすることができると。
準用河川はそれが直接海に注ぐ単独水系の場合もあるけど、大抵は一級水系・二級水系の末端区間になっている。
実際、このとき見た準用河川を地図で見てみると、少し下流からずいぶん立派な川になり、そのうち一級水系の本川に注いでいた。
管理する市のWebサイトを見ると、この看板の地点から少し下流に行ったところからは一級河川として都道府県管理区間になっていた。
一方で看板の地点より少し上流に行くと、そこからは準用河川ではなく普通河川となっているとある。
一級河川の端からしばらくの区間は準用河川として市町村管理の河川として扱っているものの、
さらに末端に行けばただの水路になってしまうわけですね。
そう考えると微妙な話だなと思うんだけど、準用河川もいろんなパターンがありますからね。
確かに地図で川を追っていると、どこまでが一級河川? 準用河川? 普通河川?(というか溝)っていう疑問は出てくる。
管理者が看板を付けていればわかるんだけどねぇ。
国・都道府県はそこそこ看板を付けるけど、市町村が看板を付けるかというとなんとも。
そう考えると「準用河川 ○○川」というのは珍しい看板なのかもね。
あまり市町村レベルで河川の管理をしている事って知られてないよね。僕も最近まで知らなかった。
実は細々としたところでは市町村もやってんだよというアピールとしてはいいと思う。
一級河川、二級河川の区間が変わることも時々あるみたいね。
準用河川・普通河川だった部分が治水工事の対象になると、一級河川・二級河川に新たに指定されることがあると。
変わったところでは、利根川から荒川へ水を送る 武蔵水路 はもともと利水用の設備ということで、河川ではなかったが、
近年、内水排除の機能を強化したことを受けて、2016年に一級河川(利根川水系)への指定が行われたそうで。
水が流れているところをどう扱うかというのは、意外と裁量の余地があるんですね。
ただの溝なのか、河川なのか、用水路なのか、下水道なのか。それはその用途、整備の経緯から決められるわけだ。
雨水に限れば開渠の下水道というのも想定されるし、それとは逆に地下河川というのもある(利根川水系の首都圏外郭放水路など)。
下水→河川はあっても河川→下水はないとか、川から利水施設に流すのが主なら用水路だが、川に水を捨てる目的を持つと河川か下水道かなぁとか。
溝は河川や下水でないにしても、どこかで河川か下水に流れ込む。境界が明らかな場合もあるが、明らかではないこともある。
難しいですねぇ。