佐渡へ行くため上越に行く

この連休、果たしてどうしたものかというのは悩み所だった。

というのも4/27と5/4は東京で用事があるのでここは遠出できない。

4/28は稼働日だが、27日に帰ってくるのは遅いから仕事にならない。ゆえに休暇。

29日からは有給休暇計画取得日を含めて連休に入ってしまうからどうやっても休み。

前にも後ろにも付けられない中で何かやることはあるだろうか。

そう思って日本地図を眺めていると、佐渡島が目に入った。距離的にも案外近いしよいのでは。


そんなこんなで計画を練っていた。

一般的に佐渡へは新潟港~両津港の船を使うのだが、直江津港(上越市)~小木港の船もある。

今回、往路は直江津からの船を使うことにした。

理由は2つあって、1つは佐渡での目的地がこちらの方が近かったから。

もう1つはJRE POINT特典を利用する場合、上越の方が有利だったからというのがある。

JRE POINT特典、手持ちのポイントだと200kmまでの区間に4620ポイントで乗車できる特典が使える。

200kmという距離、大宮~新潟には全然足りなくて、大宮を起点に取れば浦佐、新潟を起点に取れば上毛高原と、これでは全然使い物にならない。

大宮~上越妙高もやはり足りないのだが、上越妙高を起点に取れば本庄早稲田までは使える。

本庄早稲田って高崎の1つ大宮寄りにある新幹線単独駅で、それは高崎~上越妙高で新幹線が使えるという意味……

と、確かにそれでもよさそうなのだが、本庄早稲田駅の近くの地図を見て、これはバイクで行けるのでは? と思った。


というわけで今日のスタート地点は西武の駅である。ここでバイクを畳んで電車に乗って本川越駅まで。

本川越駅から東上線の川越市駅までは近いが、畳んだバイクを持って運ぶには遠い。

なので少しだけど、一旦バイクを組立て、数分自走して、また畳む。

東上線に乗ったら小川町で乗り換えて終点の寄居まで。ここまでそう苦労なく移動できる。

地図を見て気づいたというのは本庄と寄居がそう遠くないということである。

自転車で走っておよそ1時間、15kmほどの旅である。

そんなにおもしろい話はなかったんだけど、トラクターが横切っていて農作業日和だなとみていた。

本庄早稲田駅近くに大きなスーパーがあり、ここで昼食を買って駅へ向かう。


本庄早稲田駅は新幹線単独の駅で、ゆえにそんなに賑わっているような駅ではない。

早稲田というのは早稲田大学の高校やセミナーハウスが至近のため。駅の西側すぐ近くらしい。

実際、学校関係者の利用が多い駅だという。

あとが本庄市周辺でP&Rでの利用も多いそう。これは新幹線単独駅あるあるですけど。

新幹線単独駅に近距離券売機があるのかーと思いながら、ICカードをタッチして改札を通る。

新幹線eチケットを使うのは初めてだったかな。座席番号を印字する端末があるのでタッチして印字する。

振り返ると改札の出口前にICカードチャージ機があるので驚くが「タッチでGo!新幹線」利用者を想定したものか。


本庄早稲田~上越妙高は直通とはなかなかいかず、高崎駅で一旦降りて後続に乗換。

時間帯によるが10分ほどの待ちで乗り換えられた。

乗り込んで、バイクを最後列にとった座席の後ろとか荷物置き場に置こうと思ったら、

大きなスーツケースが荷物置き場、座席の後ろにぎっしりと置かれていた。なんじゃこりゃ。

仕方ないのでデッキに置いた。長野で外国人グループが4個ぐらい持って行って、空いたところに押し込んだけど。

東海道新幹線と異なり荷物スペースが担保できる仕組みが無いので、あふれかえってたようである。

本庄をでてから、高崎での乗換含めて1時間、上越妙高駅に到着。山を見るとまだ雪がちらほら。


上越妙高駅、一応は境界駅ということで少し立派な駅である。

普段は折り返しする列車もないし、乗務員交代も長野だから、実態は大したことない中間駅だが。

その昔、長野~新潟の移動時に乗換で利用しているが、外に出るのは初めて。

改札前の通路は自転車も押し歩きで利用できる道路らしく、エレベータに押し歩きで利用するよう指示があった。

外に出ると融雪パイプからでたサビが目立ち、雪国だなぁと。

というわけでここからバイクで走り始める。


上越市というのは越後を上越・中越・下越と3分したときの一番西の上越から来ている。

なぜそんな雑な命名なのかというと、1971年に高田市と直江津市が合併したときの命名だからである。

というわけでまずは高田へ向かうことに。走って行くとお堀が見えてきた。これが高田城址公園である。

高田は城下町として役所が多くあるため、現在も国の役所では高田とついた役所がしばしばみられる。

それにしても立派な城跡である。桜の名所らしいが、よく整備されているのが印象的である。

復原建物の三重櫓があり、わざわざ見るものかと思ったが、歴史博物館とセットなら100円ぐらいの差なので見ていくことに。

説明の中で印象的だったのが石垣ではなく土塁で囲まれた城であるということで、

確かに改めて見てみるとそうで、その背景には短期間で築城されたという事情があるそう。

まぁ眺めはそれなりによい。といっても往時の姿はかなり失われてしまっているのだけど。


さらに詳しいところは上越市歴史博物館で紹介されている。

平成の大合併後の上越市を意識して展示内容を作り直したとは書いてあるが、多くが高田の歴史である。

そもそも上越には越後国府があって、上杉謙信の居城だったという春日山城という巨大な山城があった。

この春日山城の代替として福島城が海沿いに作られたが、まもなく移転され高田城がつくられた。

こんなところからもわかるが歴史的にはこのあたりが越後の中心地だったのだという。

やはりそれは陸海交通の接点として重要だったということで、それが直江津ですね。

高田城のお堀はもともとこのあたりを蛇行していた川の流路を変えて作ったものだという。

えらく巨大なお堀だが、元々あるものをうまく活用していたんですね。

歴史の最後の方には石油採掘の話があった。現在でも新潟県ではガス田・油田が存在する。

なんと江戸時代に手掘りで石油を採掘していたのだという。そんな時代があったとは知らなかった。

あとは雪国ということで雪下駄とかスキー板とか人力そり(雪上の人力車ということ) とかそんなのも展示していた。

高田は日本におけるスキー発祥の地で、オーストリア式スキーと書かれていて、アルペンスキーかと思ったが、ストックが1本なんですね。

とはいえ、かかとが固定されるという点では現代の主流であるアルペンスキーの原点とは言える。


ここで春日山城のことが気になって地図で見てみると、バイクで行けば16時ごろには着いて散策できそう。

というわけで走って行く。こういう機動性の高さはバイクを持って行っているからこそ。

ふもとにある「春日山城跡ものがたり館」にバイクを停めて、案内図をもって散策を開始した。

山城だと言ったが、ふもとの広場も城跡で土塁を築いて何か建物があったらしい。

城としては強固だったかもしれないが、政治には不便で、ふもとにも建物を作りながらやっていたが、

やはり難しいということで福島城を経て高田城への移転することになったのだろう。

春日山神社に向かって進んでいくが、歩道のない道を歩かされる。

自動車で来る人が多いんだろうけど、これはいかにという感じである。

バイクで上がればよかったじゃないかって? この急坂では電池消費がひどすぎるだろうし……

とにかく山肌に沿ってたくさん建物があったことがわかる。巨大な城である。

本丸跡からの眺めはとてもよい。他の城との関係に着目した案内が置かれていたが、

実際に本丸から一番目に着くのは上越火力発電所なのだが……


ここら辺まで来ると直江津の市街地まで少し。

というので直江津の中心にドカンとあるエルマールというショッピングモールに来た。

ここの2階は無印良品がほぼ占有して、書店もフードコートも無印である。

イトーヨーカドーの撤退後、無印良品が大きく展開し、エルマールの中心的存在になっている。

100円ショップで買いたい物があったから来ただけなんですけど、すごいところだなと。


そんなこんなで夕食を食べて宿に到着。

明日は佐渡に渡る船の都合、朝が早いので「無料朝食」ってのは無理だなと思ってたのだが、

弁当詰めて渡せますよと言われて、これは意外な展開。

バタバタしそうだなぁとは思いましたけどね。