先々週、セレクトセールが行われていた。セレクトセールのことは以前書いてるな。
セレクトセールはいろいろな意味で破格の競走馬のセリ市である。詳しくは後で書くが。
そして今日から3日間、日高軽種馬農業協同組合(HBA)主催のセレクションセールが始まった。
3日開催ってのもびっくりしたけど、初日には「プレミアムセッション」って付けられてるらしい。
競走馬のセリ市は九州や青森県のローカルなものもあるが、
取引量が多いのはセレクトセールとHBA主催の北海道市場なんだろうな。
セレクトせールは1頭当たりの金額の大きさがずば抜けている。
1頭平均6243万円(今年実績)というのはおかしな数字である。
数量という点ではHBA主催の1歳馬セール合計で2000頭以上(昨年実績)の取引が行われている。
その中でも中心的なのがサマーセールで大変バラエティ豊かと言われている。
ただ、それがゆえに買う方も大変なのである。
そこで考えられた策の1つが「セレクションセール」である。
セレクションセールは名前の通り選抜されたハイレベルな馬が集まるセリ市である。
セレクトセールと名前が似ているが、選抜されたハイレベルな馬が集まるという点では同じである。
主催者が違うのはあるけど、出品者と会場の違いってのは大きいんだろうな。
セレクトセールはノーザンファームや社台ファームといった社台グループの牧場が大挙上場し、
それ以外の牧場からの出品もあるにせよ、これらの牧場が牽引する部分が大きい。
会場もノーザンホースパークと新千歳空港から近く、忙しい馬主にも参加しやすい。
一方のセレクションセールは日高管内を中心に多様な牧場から出品があるが、
会場が新ひだか町静内と牧場からは近いのだが、新千歳空港から車で1時間半と遠い。
宿も限られているので、札幌と都度往来すれば片道2時間である。
HBA主催の1歳馬のセリは全てここで行われている。
長期間に及ぶサマーセールが買う方にとっても大変というのは、こういう事情があるらしい。
そんなわけでサマーセールに先立ち、ハイレベルな馬を集中して扱うセールを行うことで活性化を図ることにしたと。
セレクションセールは2021年までは1日で行われていたのだが、
2022年・2023年は2日開催、今年はなんと3日開催になってしまった。
ハイレベルな馬を集中して扱うという感が薄れている気がするのだが、
サマーセールの肥大化対策という側面があるように見える。
2020年まで4日開催だったのだが、2021~2023年と5日間開催、月~金とずっとセリ市である。
2019年から8月のサマーセールと10月のオータムセールとの間にセプテンバーセールを追加したが、
それでもサマーセールの肥大化は止まらず、今年は月~土の6日間開催である。
セレクションセールも分散先として考えざるを得なかったのだろう。
それでも3日間ダラダラやっていたのでは、買う方が大変ということで、
初日はその中でもさらにハイレベルな馬を集めた「プレミアムセッション」としたわけである。
セレクトセールにも引けを取らない……とは言えないが、それなりに高額取引は多く、
初日の平均落札価格2570万円とのこと。なかなかすごい数字である。
明日・明後日とどうなるのかわからないけど、プレミアムセッションはまずまず成功のようだ。
最近の競走馬のセリ市が活況なのは、地方競馬の賞金水準が高まっており、
それに伴って市場の裾野が広がっていることは大きいんでしょうね。
ダート向きの馬が高額取引されることも増えている。
大井のダート三冠創設であったり、日本馬がダートの国際競走で活躍したり、
ダート競馬もかなり夢のある世界になってきたのは要因なんでしょうね。
セレクトセールもいいですけど、セレクションセールも夢があるということで。
それにしてもサマーセールの6日間開催は関係者誰しも大変そうだな。
2019年にセプテンバーセールが創設された背景としては、
オータムセールが売れ残りのセリ市という印象が強かったのもあるらしい。
2019年は10月に消費税率引き上げがあったので、
その直前の9月にセプテンバーセールを新設して、サマーセールとオータムセール双方から分散を図った。
しかし、それすら追いつかない状況になってしまい、今年は6日開催にしたそうだ。
このあたり抜本的な見直しがいる状況に見えますね。