以前、JR旅客各社が機関車の代替の牽引車など買っている話を書いた。
このときこんな話を書いている。
蒸気機関車の回送あるいは代役としての牽引車というのも出てくるかも知れない。
これ、群馬県内で今年秋以降に行われるようになるそうである。
高崎エリア管内のEL・DLが老朽化で運転終了へ SL列車の補助車両は「電気式気動車」に (鉄道コム)
現在はぐんま車両センター(高崎市)に所属する電気機関車・ディーゼル機関車が、
蒸気機関車・客車の回送、蒸気機関車の補助、蒸気機関車用の客車を引くことがあった。
これが同所所属の機関車が引退することにより、GV-E197系に代替されるという。
GV-E197系は砕石輸送用ディーゼルカーだが、牽引車部分だけ外して使うことができる。
最近、客車をけん引する試運転が行われていたらしい。
本来は牽引車+ホッパー車4両+牽引車の6両編成だが、このホッパー車部分を抜いて2両にして、
その2両セットで客車5両を引くという形で試運転を行っている。
牽引車2両はセットで使わないといけない仕組みがあるのかもしれない。
ちなみにホッパー車抜きの牽引車だけの2両編成も製造しているとか。
ただし、GV-E197系単独で客車を引く列車は営業運転にはならないそうである。
あくまでも事業用の牽引車だからということなのだろう。
そのため電気機関車・ディーゼル機関車が客車を引く「ELぐんま」「DLぐんま」シリーズは今年秋で廃止となる。
一方で、蒸気機関車の補助として営業運転に入ることはあるようだ。
そのときも2両セットなのかはよくわかりませんけどね。
機能的には機関車みたいなもんなのだが、見た目が浮くという指摘が。
頭が黄色なのは工事車両のイメージなんだろうし、車体もステンレスだし。
SL列車にこいつが付くとどうにも雰囲気に合わないんじゃないか。
回送だけならともかく、営業運転でも補助には入るわけだしね。
あくまでも本来の役目は砕石輸送と車両回送である。
その本来の役目ならそんなに悪くないデザインなのだが。
JR西日本の除雪用ディーゼルカー キヤ143形はわりと機関車っぽい見た目なので、
そういう用途で使われてもあまり浮かないかもしれない。
除雪車の夏の仕事としてSL関係の用途で使われることはありそうな気もするが……
今のところはまだディーゼル機関車が使えているので出番は無い。
ただ、老朽化問題は当然あるわけで、代替として考えているのはほぼ確かである。
電気機関車が引く客車列車って、もうこれでほぼなくなるんじゃないかな。
これが鉄道の原点!今乗れる「客車列車」10選 (東洋経済ONLINE)
現在のELぐんまシリーズを除けば、黒部峡谷鉄道と大井川鐵道井川線のアプト式区間しかない。
黒部峡谷鉄道は発電所関係の資材運搬を目的とした路線に観光客も乗れるというもの、
大井川鐵道のアプト式区間は急勾配対応の特殊な機関車を使うためである。
なお、井川線のこれ以外の区間はディーゼル機関車で引いているわけだが、
これも元は発電所の資材輸送のための路線であり、おおよそ生活路線とは言えない代物である。
JR旅客各社の中ではJR九州だけは近年もJR貨物と同仕様のディーゼル機関車を購入している。
クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の牽引、SL人吉の回送など、
このほかの車両回送目的でも使用されるとみられる。
ただ、それ以外の各社は新造となれば砕石輸送用ディーゼルカー、除雪用ディーゼルカー、牽引用電車など、
機関車と似たような性質はありつつ、操作方法は電車・ディーゼルカーに揃えている。
JR以外に目を向けても貨物輸送をやらないのに機関車を新造する会社はなかなかないよね。
さっきの客車列車の記事で津軽鉄道のストーブ列車が紹介されていたが、
ディーゼル機関車の老朽化により、故障時などは一般的なディーゼルカーで引かせているらしい。
というのも、ストーブ列車は特別料金がかかるため、生活利用のためにディーゼルカーを連結しているんですね。
で、それで客車を引かせればディーゼル機関車の役目を代替出来ると。
トロッコ列車はこういう形が今後増えそうな気はするな。
ディーゼルカーを改造したトロッコ列車ってのもありますからね。