新幹線・在来線特急の乗継割引が来年春から廃止になるとのこと。
北陸新幹線(敦賀接続)と西九州新幹線については別制度なので、
こちらは今後も新幹線・在来線特急の料金優遇は残るのだが……
廃止される乗継割引というのは、在来線特急側を半額とする制度で、
もともとは長距離の在来線特急が新幹線に接続する特急に変更されたことに対応する措置だった。
例えば、かつては 大阪~米子 を直通する特急が設定されていたが、
山陽新幹線が岡山に到達してからは、岡山で新幹線と やくも号 を乗り継ぐ形となった。
こうすると特急料金の負担が増えるので、在来線側を半額にすると。
ただ、この在来線側を半額というのがいかにも雑な話であって、
京都~米原~富山(新幹線開通前)のように米原で新幹線としらさぎ号を乗り換えると、
京都~富山でサンダーバードを使うより安かった。京都~米原の新幹線を自由席で使えば割安だから。
長距離の在来線特急がなくなってもうだいぶ長いし、
特別な事情のある西九州新幹線と北陸新幹線を手当てできればOKというのは理解できる面もある。
一方で料金的に不利な区間を埋める割引きっぷの重要性は高くなる。
例えばこういうやつ。これは前日購入という条件はあるが。
JR東海は代替手段として「EX旅先予約」という名前を書いている。
2023年10月1日、「エクスプレス予約」で新たな新サービスを開始します! (EX予約)
この西日本の資料を見ると、EX予約をしてからe5489で「乗継チケットレス特急券」やフリーきっぷが買えるというような記載がある。
JR東海は具体的なことを言っていないのだが、同社は在来線特急の予約サービスはe5489を利用している。
東海道・山陽新幹線はEX予約で購入し、西日本・東海管内の接続列車はe5489で買うという形になるのかな。
ただ、西日本管内は特急運行区間でのICOCA導入やチケットレス特急券導入が進んでいるが、
東海管内はそういう話は聞かないのでどうなのかなと気になるところはある。
乗継割引を廃止する背景には各社のインターネット予約サービスで対応できていなかったからではという話もあった。
あれ? e5489って新幹線・在来線をセットで買えたようなと思ったんだけど、
これは制度上の乗継割引ではなく「eきっぷ(乗継用)」という独自商品で実現されていたもので、
紙のきっぷなら乗継割引になる区間でも買えないことは多かった。
そのJR西日本にとっても紙のきっぷの発券が必要なeきっぷだけの対応でチケットレス化はできていなかった。
今後は新幹線・在来線双方でチケットレスを利用するのが合理的になるようにしていくのではないか。
結果として従来より割高になるケースも増えるのだろうが。
ただ、乗り継ぎがある上に割高では利用者は寄りつかないですからね。
というのが北陸新幹線の敦賀乗り継ぎの料金設定を見て思ったんだけど。
北陸新幹線の特急料金の認可申請について (pdf) (JR西日本)
北陸新幹線は来年3月に金沢~敦賀で開業する。
これにより京都・大阪~福井・金沢・富山は敦賀乗り継ぎとなる。
敦賀~大阪のルート決定に時間を要したなどの事情もあり、現在の計画では2046年までこの状態が続くことになる。
関西~北陸など敦賀経由での移動をする人には困った話ではあるのだが、
新幹線の効果を早期に得られる部分は得た方がよいという判断でこうなっている。
新幹線側は福井が時間短縮効果がほぼないのにだいぶ高いとか、
在来線側は京都と大阪の料金差が大きく、京都発着と大阪発着でだいぶ印象が変わる。
敦賀からの料金表に引きずられているのだと思うのだが。
他の交通機関との関係もあるので、実勢価格はそこそこになるとは思うのだが、
新幹線・在来線特急の乗継割引廃止も含めて手当てするべきところは多いのかなと。
特に西日本管内は新幹線・在来線の乗り継ぎがあれこれとあるので、
そのあたりをEX予約とe5489の連携でなんとかしたいのかなとは思う。