WBC東京ラウンドは日本 vs イタリアの準々決勝、日本勝利で終わった。
最終的に東京からの勝ち上がりはキューバと日本だったので、
これだけみれば手堅い結果に見えるが、意外なのが1次ラウンドでオーストラリアとイタリアが勝ち上がったこと。
しかも、さすがに1次ラウンドを勝ち上がるだけあって強いんですよね。
もっともイタリア代表は多くがアメリカでプレーする選手なんですけどね。
日本を含むプールBは日本が全勝で圧倒的な強さを見せたが、
事前の評判としては韓国が手強い相手になるのではないかと思われていた。
結果としては13-4で日本の圧勝、韓国はボロボロだったわけだが。
韓国は男子野球の世界ランキングは現在4位、1位は日本ですが。
一般的には野球の国際大会で韓国は強いはずなのに、最近2回のWBCでは1次ラウンド敗退、
そして今回も敗退ということで、何かWBCではうまくいかないらしい。
その要因というのが投手の層の薄さだと言われている。
WBCでは厳しい投球制限が設定されている。
1次ラウンドでは1試合65球まで、50球以上投げれば中4日、30球以上では中1日と。
日本チームは先発投手は3回か4回ぐらいまで投げて、第2先発に交代するという方法で対応していた。
1試合に先発投手を2人使うような対応が必要になるわけだ。
1次ラウンド連日4試合をこなすには8人ぐらいいるってことですね。
ところが韓国のKBOというのは、投手の層がかなり薄いと言われていて、
外国人選手を投手に重点的に入れていることもあり、韓国人に限ればさらに手薄。
それでも手強い投手はいるのだが、3回か4回で投球制限に達する。
また、ワンポイントリリーフ禁止ルールというのもある。
これは一度登板した投手はその回が終わるか、3人の打者を相手に投げ終わるかしないと降板できないというルールである。
このためどれだけ炎上しても3人の打者に投げるまでには待たないといけない。
そんな韓国だが、1次ラウンド最後の中国戦は22-2で5回コールド勝ちだった。
もはや野球とは思えないような得点だが、それぐらい打つチームでもある。
投手が手薄なKBOリーグとあっては、打撃は強いということらしい。
ただ、それがNPBに来てそのまま通用するかは微妙だと言うが。
中国相手ならば、普段のように打撃で勝負ってのができるんでしょうね。
WBCの投球制限の厳しさは過密日程もあるんだと思う。
選手を派遣するMLBの意向もあるのだろう。
というところで思い出したのが高校野球の話だった。
かつては1人の投手が何試合も完投するようなこともあったが、
さすがにそれは問題だということで、投球制限が導入された。
また、休養日の追加など過密日程の緩和も行われた。
投球制限は1週間で500球という緩やかな内容だが、
1人の投手だけに頼って試合を続けるのは難しい数字でもある。
その前提で投手を揃えて作戦も考えなさいということですね。
アマチュアの大会でWBCみたいな厳しい制限したら成り立たないと思うけど、
そこはプロ主体の大会であるという想定があるからね。
チェコ代表みたいにアマチュア選手だけでWBCに来たのもいるけど。
そういうのはどうしても難しいわけである。
というわけで韓国野球としてはいろいろな課題を残したWBCだったと思う。
日本と比べるとアマチュア野球の層の薄さが気になるところで、
それが最終的にKBOリーグの投手層の手薄さにつながっているのだろうと。
それでもWBCの1次ラウンドほど厳しい投球制限でなければ……というのはあるんでしょうけどね。
やはり一般に韓国というのは手強い相手なんですよね。
1次ラウンドの結果で一番残念だったのは台湾(チャイニーズタイペイ)じゃないかね。
台湾もまた野球の世界ランキングでは上位である。
台中でのプールAは全チームが2勝2敗で並ぶ混戦模様。
そうすると失点率で決まるというルールがあり、それで1位キューバ、2位イタリアの進出が決まったと。
そして最下位はなんと地元台湾だった。2勝しても最下位とは厳しい。
WBCの1次ラウンドで最下位というのは大きな意味があり、
それは次回のWBC出場権は予選を突破しない限り得られないということ。
もちろん台湾が予選突破して、次回もWBC出場できる可能性は十分あるが、
1次ラウンド突破も十分想定されていたチームがまさかの予選から出直しとは厳しい話である。
WBCの準決勝・決勝はアメリカ・フロリダ州のマイアミに舞台が移る。
東京ドームで試合を終えたら、そのままチャーター機で飛んでいくそう。
まだ、マイアミでの準々決勝の結果は出ていないのでなんとも言えないが、
どのチームも手強い相手ばかりで、厳しい戦いが想定される。
とはいえ、日本もここまで強いですからね。