野球の世界王者決定戦はWBC

WBCが開幕して、やはり野球の世界王者決定戦はこうじゃないとなと見ている。

野球の国際大会は数あれども、メジャーリーガーが出場するのはWBCだけだから。


野球はかつてはオリンピックでも行われていた競技ではあるのだが、

1996年のアトランタ大会まではプロ選手が出場しておらず、

アマチュア選手で国・地域別のチームを組んで試合をしていた。

2000年のシドニー大会からプロ選手の出場が可能となり、プロ選手が多くを占めるようになった。

しかし、メジャーリーグの選手は出場できなかったのである。

このためアメリカ代表の主力はマイナーリーグの選手ということになる。

MLBの国際大会についての基本的な考え方は現在もこの通りである。

この前の東京オリンピックでもそうでしたよね。


野球の国際大会というのは多くにおいて日本が先導しているのが実情である。

本来なら世界一の野球大国であるアメリカにこそ引っ張ってほしいが、

MLBが稼ぐだけに、野球の国際化というところへの興味は薄いようである。

とはいえ、MLBにとっても野球の国際化は必要という考えはあったようで、

このためにMLB主導で立ち上げられた大会こそがWorld Baseball Classic(WBC)である。

当初は招待制だったが、2013年の第3回からは予選も導入されWBCは世界王者決定戦としての体裁も整った。


MLB主導であることの課題もあるが、メジャーリーグの選手が出場できることは大きい。

まだ日本は国内のプロ選手が充実しているからよいが、

北アメリカ・カリブ海だとMLB選手がいるかいないで大違いでしょうから。

他の国際大会とはメンバー構成もだいぶ違うでしょうから。


日本でさえメジャーリーガーの存在感は強い。

大谷翔平選手であったり、今日の韓国戦で活躍したヌートバー選手とか。

ヌートバー選手はアメリカ国籍だが、母親が日本国籍で日本と縁故がある。

WBCの規定では親の国籍のチームに入ることも許されている。

この規定により侍ジャパンの一員として選ばれたという。

WBCのイスラエル代表はほとんどアメリカ国籍で手強いというので実感している人もいたと思いますが。


WBCというのは、MLBの選手派遣と日本のファンの熱意に大半支えられているのが実情ではないかと思う。

野球というのは北アメリカ・カリブ海・東アジアに極めて偏っていて、

その中でも世界トップクラスの実力を備える国はかなり限られている。

多少門戸を広くしても20チームにすぎない。その中の実力差も大きい。

サッカーワールドカップのような世界的な盛り上がりは期待できないが、

国際大会を牽引してきた日本では当初からWBCへの注目度が高く、

それに呼応してアメリカを含む世界的な注目度が上がってきたと言われている。

メジャーリーガー含め、選手がもっとも充実した野球の国際大会であり、

もっとも多くの国・地域が参加する野球の国際大会ですから。

中国なんてのも野球の国際大会では珍しいですよね。


WBCの課題としては、MLB主導ということで収益の多くがMLBに吸い上げられることで、

この件については日本のNPBや選手会も問題視しているところである。

ただ、ある程度は日本国内で収益が還流される仕組みが出来ている。

そこで重要な役割を果たしているのが侍ジャパンの常設化である。

(侍ジャパンはプロだけでなく、アマチュア、U18などの年代別、はたまた女子代表まで含む総称なのだが)

WBCだけだとスポンサー収入もMLBに吸い上げられて残らないが、

WBC前後を通じて侍ジャパンとして収益を得られれば、選手の多くを派遣するNPBにも還元できる。

今でもWBCの収益分配については問題とは考えられているけど、

ある程度緩和策が見えたということでNPBの協力が得られているということ。


今日は日本 vs 韓国という第1ラウンド東京プールの大一番だったが、

終わってみれば韓国はボロボロで、13-4で日本勝ちだった。

韓国のプロ野球、KBOは投手のレベルが低いという話はあったが、

そのKBOでも主力の投手は外国人となんだそうで、

そうすると韓国代表の投手はWBCで戦うにはかなり厳しいということだね。

チャンスを得点にする日本チームも立派ではあるんですけどね。


第1ラウンドを突破すると、その先は負けると終わり、

相手も他の国際大会とはひと味違う強さなんじゃないだろうか。

そんな中でも優勝の可能性は十分にあると思うので、頑張ってほしいですね。