営業線とつながってますからね

少し話題になっていたのですが。

JR東海の車両初展示!新型特急車両HC85系・特急用気動車キハ85系 京都鉄道博物館での特別展示のおしらせ(pdf) (JR西日本)

JR西日本の博物館である京都鉄道博物館にJR東海の車両が展示されるという。


確かにJR東海の車両が展示されるのは初めてのことだが、他社の車両を展示すること自体は実はけっこうやっている。

この展示が行われるのは、営業線と接続された展示室「車両工場」である。

営業線と接続されていることを生かして現役の車両、引退直後の車両の展示に使われていて、

それは必ずしもJR西日本所有の車両とは限らないのである。


ところで鉄道の営業線と接続された博物館といえば、

2007年にさいたま市に開館した鉄道博物館が思い浮かぶのだが……

ここで現役の車両を連れてきて展示するようなことは聞いたことないなと。

確かに営業線とは接続されているのだが、機動的な展示替えは行われていない。

せいぜい、その展示室につながる屋外の線路に車両を展示するぐらい。

電気機関車「EF64 37」展示イベントを開催します (pdf) (鉄道博物館)

展示室内の在来線車両の多くは営業線と行き来しようと思えばできるが、

それを実際に入れ換えようとすると相当な手間がかかるためだと思う。


一方の京都鉄道博物館だが、よく考えれば前身となった梅小路蒸気機関車館の頃から営業線との接続はあった。

博物館が現役の車庫、梅小路運転区を兼ねているためである。

(もっとも梅小路運転区は蒸気機関車の保存と嵯峨野トロッコ列車のディーゼル機関車の管理に特化した車庫である)

ただ、この接続は所蔵車両をSLの営業運転に送り出すための設備である。


これが外から展示車両を連れてくる施設として使われるようになったのは、今の京都鉄道博物館になってからのことである。

大宮の鉄道博物館と違って、蒸気機関車以外の展示車両の多くは営業線と行き来できないところにいる。

しかし、営業線と接続された「車両工場」の展示室には常時展示の車両はいない。

このため機動的な展示が可能になっているということである。


ここで展示される車両はなかなか多様である。

京都鉄博、ファンの心をつかむ「お家芸」の熟練度 (4/4) (東洋経済ONLINE)

検測車・配給車・保線機械といった業務用の車両であったり、

引退直後あるいは長く活躍している車両が展示されたり、

特色ある観光列車や新型車両のショールームのように使われたり……

このリストを見るとJR西日本以外の車両もけっこうあって、

特にJR四国の車両の出入りが多く、最近だと「伊予灘ものがたり」の車両が交換されるにあたって、引退直後の車両を京都に連れてきて展示したり、

キハ185系(しおかぜ,南風で使用)の国鉄復刻デザインの車両が展示されたり。

あとJR貨物の車両を展示したこともあって、なんと青函トンネル専用のEH800系を遠路はるばる運んできて展示したこともあったという。


というわけだから、特にJR東海の車両が展示されることはそこまで驚くべきことではなかったのかも。

一応、今回の展示は京都・大阪にも1往復乗り入れている ひだ号の車両という名目である。

(ひだ号は名古屋~高山・富山での運転が大半である)

だから、関西での新車導入の宣伝という側面も強いのだと思う。

JR四国が京都での展示に協力的なのも、関西から四国への誘客を目論んでというのもあるのかも。


JR東海もリニア・鉄道館という博物館があるものの、このような使い方はできない。

というか全国見渡してもこういうことをできる施設がそうそうない。

この展示が実現した経緯は知らないけど、よく思いつくなという感じはある。


ちなみにHC85系はディーゼルエンジンと蓄電池のハイブリッド車両である。

JR東海がハイブリッド車を導入するのは初めてなのだが、

この車両が登場して驚かれたのは車体に「クモハ85-1」のように書かれていたことである。

これは電車の型式表記とまるっきり一緒である。

置き換え前の車両がキハ85系で85という数字自体は同じなのだが、

置換前はディーゼルカーの「キ」が付き、置換後は電車の「モ」が付くという形で区別ができるという。

JR他社ではこのあたり考えが違って、

  • JR東日本: ハイブリッドカーにはHBを付ける(ex. HB-E211-1)
    • 蓄電池車はEV、電気式気動車はGVを付ける
  • JR西日本: 「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は他の気動車と同じく「キ」を付ける
    • 非営業用の電気式気動車ではDECを付けたものが出ている
  • JR貨物: ハイブリッド機関車にはHを付ける (ex. HD300-1: Dは動軸数4を表す)
  • JR九州: 動力を表す記号は付けない (YC1系のYCは「やさしくて力持ち」の意味なので特に動力とは関係ない)

確かに電車なんですけど、発電機乗せてることを識別できないのはいいのか。

ちなみに操縦免許は電車・気動車どちらのものでも講習を受ければ乗務できるみたいですね。