条件を満たせば即時に接種証明書が出てくる

今日からワクチン接種証明書のスマートフォンアプリが使えると言うことで、

朝起きて早々に試してみた。混んでると失敗するらしい。

必要なものはマイナンバーカード、パスポートがあれば海外用も出せる。

マイナンバーカードの券面事項入力補助用暗証番号を入力して、

これでタッチすると、あとはほぼ自動的に発行された。

パスポートは写真で読み取る。特に海外用を使うあてはないがついでに。


うまくいく人には簡単だが、そういう条件が揃う人ばかりでない人もいる。

ともあれ、これで母子健康手帳にステープラで留めた接種済証を持ち歩かなくてよい。

今度の沖縄行きのとき、ワクチン接種者向けプランを選んでしまったので、

え? あれの原本持っていくの? それは嫌だぞとなったわけである。

東京都ローカルでは「TOKYOワクション」というのがあって、

これは東京都在住者のみならず東京都を訪問する人も利用できる。

東京都に限ればこの画面呈示を接種証明書相当と扱ってもらえる期待はあるが、

都外に出たときの有効性にはかなり疑問があるところである。

一方でこのアプリは全国的に使われる物だから、多分いけるんじゃないか。


しかし、まずなんで「券面事項入力補助用暗証番号」なんだと。

マイナンバーカードには4桁の暗証番号は3種類ある。

利用者認証用電子証明書用はマイナポータルのログインや住民票・戸籍証明書の発行など用途が多い。

住民基本台帳用は転入・住所変更の手続きに使う。(住民基本台帳カードの暗証番号と同じ役割)

そして券面事項入力補助用である。

ぶっちゃけ全部同じ暗証番号で困ることはない。各機能が独立しているから個別に暗証番号を設定する必要があるだけだし。

でも、券面事項入力補助用なんて使うの初めてだぞと。大半の人にとってはそうでしょう。


マイナンバーカードの機能として、券面事項確認APと券面事項入力補助APがある。

券面事項確認APは記載内容が偽造されていないことを確認するもので、住民基本台帳カードのときからあった。

で、これは氏名・住所は画像データで格納されてるんですよね。

あと見たことは無いけど、マイナンバーも画像データで入ってるらしい。

写真面のデータは生年月日+有効期限の年+セキュリティコード(4桁)、マイナンバーはマイナンバーそのものを確認しなければ読み出すことができない。

これは券面を見ずにデータを読み取られることを防ぐためであろう。

特にマイナンバーカードはマイナンバー面はむやみに見せるものではないから。


それで、券面事項入力補助APである。

これは券面事項確認APで確認出来る内容が文字データとして得られる。

生年月日+有効期限の年+セキュリティコードでマイナンバー以外の情報が引き出せる。

こちらの機能は、戸籍証明書をコンビニで発行する前の登録手続きのときにコピー機で使った。

そして、暗証番号を使ってマイナンバーを含む全ての情報が引き出せる。

なぜここで暗証番号がいるのかという話だが、カードの内容を確認せずとも本人なら必要事項を引き出せてOKという考えだろう。

住所氏名などの入力の手間を省くための機能なのに、それを使うのに16桁の数字を入力させるのでは本末転倒という考えもある。

これを接種証明書アプリは使っているんですね。


Q&Aにはこのような記載があるから、券面事項入力補助用暗証番号は本人確認と考えているようだ。

Q2-8 発行の際の本人確認はどのように行いますか。また、代理人が発行する場合の確認はどのように行いますか。

A2-8 接種証明書は、本人又は法定代理人に限り発行が可能です。本人確認は、本人又は法定代理人しか保有しえないマイナンバーカード及び暗証番号により行います。

そういう機能じゃないような気がするけど、本人確認にはなってるか。

ただ、接種証明書を受け入れる側は必要によって証明書に記載された本人であるかの確認はするべきであろうと思う。


あと、接種証明書のQRコードを読み取っての確認を行う方が好ましい。

この巨大なQRコードはSMART Healthcare Cards(国内用・海外用)あるいはICAO VDS-NC(海外用)に準拠している。

SMARTはアメリカの規格らしく、日本ローカルの証明書ではこちらが採用された。

一方で国際的にはICAOが推奨するVDS-NCが標準ということになっている。

ただ、アメリカ式のSMARTもパスポート情報を組み込んだ物は作れるので作っていると。

接種証明書アプリの読取機能はどちらも行けそうで、外国の接種証明書もどちらかの形式に準拠していれば可能であろう。

で、この巨大QRコードには何が入ってるのかという話ですが、氏名・生年月日・接種日・ワクチン名などの情報とともに、電子署名が入っている。

すなわち確かに権威ある機関(日本だと厚生労働省)が発行した証明書であることが確認出来るわけである。

(予防接種は市町村の業務なので、表示上は市町村長と厚生労働大臣の連名になっているが、QRコードには”MHLW_Gov_of_Japan”と厚生労働省しか登録されていないらしい)


で、問題はこの接種証明書アプリで正しい証明書を表示できるかどうかである。

まず、マイナンバーカードを所持していること。

そしてこれを読み取れるスマートフォンがあること。まずこれがけっこうなハードル。

次に接種記録が正しくVRSに登録されていること。これもまた問題である。

というのもOCRの読取ミスによる誤った記録が相当数あるためである。

2回接種したはずなのに接種完となっていないなどあれば、市町村に修正してもらわないといけない。

ここまでは以前から言われていたのだが、他にも乗り越えるべき課題がある。

券面事項入力補助用暗証番号がわかること。これはさっき書いた通り。

そして、マイナンバーカード・パスポートに旧姓が併記されていないこと。

調べたら2019年に申請により過去の氏の1つを住民票・マイナンバーカードに記載できる制度ができてたらしい。

この場合、登録上は「甲野[乙川] 太郎」みたいに記録されているらしく、これがうまく処理できないらしい。

近日解消の予定らしいが、なんでまたそんな微妙なところで……という感じはある。


というわけで条件が整えば非常に簡単だし、確実性の高い証明書が入手できる。

しかし、記録ミスとかあると使えないわけで、これは困るわけである。

海外渡航については市町村で接種証明書の発行を行っている。

また、接種済証を紛失した場合は、国内用の接種証明書の発行も行っているようだ。

とはいえ、国内用に限ればもっとも確実なのはあの接種済証というのが実情である。

アプリで取った記録が間違えていれば、結局は市町村窓口に接種済証を呈示しなければならず、それができるならば国内では接種証明書の発行は不要だからである。


ちなみに冒頭で出てきたTOKYOワクションは、接種済証と本人確認書類の画像により接種記録の確認を行う。

このチェック作業に1日程度要するようだ。

ここはVRSに正確なデータが登録されていれば即座に出てくる接種証明書アプリに比べて劣るところである。

しかしながら、接種証明書アプリはいろいろ条件が厳しいわけである。

だからといって接種済証を持ち歩くことを求めるのは酷だと、そこを補完する役割が期待されているわけですね。


もっともワクチン接種が感染拡大抑止にどれぐらい効果があるかは疑問である。

ワクチン接種により多少感染しにくくなること、感染してもウイルスの排出量が少ないことは期待できるが、それはどれほどのものか。

やはり大切なのは、手洗い・マスク着用の励行と継続的な健康観察であって、

これさえすれば新型コロナウイルスの感染抑止にワクチン接種は重要ではないと思う。

しかし、ここまでワクチン接種が普及した状況で接種していない人というのは、

これらに消極的な人が多いとも思われ、感染対策に消極的な人を寄せにくくする効果を期待していると言われれば、それは確かに効果がありそうだ。

まぁかといってワクチン接種しない人を完全排除するのは問題があり、どの程度の不利益なら許容できるのかというところは考えなければならない。

確か、冒頭に書いた、予約した宿のワクチン接種者プランは1泊数百円の差があったかどうかだから、ぶっちゃけどうでもいい差である。