なんでイベルメクチンなんだよ

新型コロナウイルスに手を焼いている地域は多いが、こんな話が。

イベルメクチンの売り上げが米で24倍に、コロナ治療のつもりが救急治療室が満杯に (Newsweek)

なぜか家畜用イベルメクチンを服用して、救急車で運び込まれる人が増えて困っていると。

外傷の救急搬送すら受けられない事態に陥っていると言うが、

その原因は直接新型コロナウイルスではないが、イベルメクチンだという。


そもそも、ことのはじまりは新型コロナウイルスに効く薬を探していた話。

日本でもかつて抗インフルエンザ薬(通常使用されてはいないが)の アビガン を使って試験が行われた。

結果的には有効性を見いだすことは難しく、お蔵入りとなったのだけど。

原理的にはインフルエンザ以外のウイルスに効いても不思議はなかったのだが、

実態として効果が得られないので、これはダメだとなったと。


それとは別に寄生虫駆除薬のイベルメクチンが効果があるのでは? という話があった。

地域によっては使用頻度が高い薬だったので、それで効果があるのでは? という推論があったと。

それでいろいろ研究が行われたのだが、大半において効果を見いだすことは出来なかった。

ただ、一部に効果があるという論文があって、よくわからんなぁという話もあった。

ところがその論文もデータが怪しいと撤回されたらしく、効果を認める理由はなくなった。


というわけで、安価で適応範囲が広い特効薬なんてものはないなという状態は続いているが、

陰謀論も渦巻き、本当はイベルメクチンが予防や治療に効果があるのでは? と考える人がいるんですね。

でも、そんな薬買えないしと考えるのが普通なのだが、アメリカではわりと買えてしまうという。

それが最初に書いたような動物用医薬品としてのイベルメクチンである。

実は家畜の寄生虫駆除にも活用されており(こっちの方が歴史は長いらしい)、アメリカでは一般市民にもわりとなじみ深いとか。

その結果、家畜用イベルメクチンの売り上げが激増しているという。

そうして購入した家畜用イベルメクチンを自己判断で服用して体調を崩す人がいろいろ出ていると。


さすがにアメリカのこの現状はひどすぎるが、まぁ各地、手を焼いているのも実情である。

日本でも治療薬の確保に困っているようですね。

コロナの治療薬、感染拡大で入手困難に 「不育症」の妊婦にも影響かコロナの治療薬、感染拡大で入手困難に 「不育症」の妊婦にも影響か (朝日新聞デジタル)

酸素吸入を要するレベルの患者に使われるステロイド、デキサメタゾンの需要が激増して対応し切れていないと。

血栓予防に使われるヘパリンも影響を受けているという。

いずれも他の病気の治療にも使う薬ですから、こういう影響が続くと大変である。


ワクチンの接種が進めば重症化する患者も減るだろうと想いつつ、

東京 “2回接種”も感染し死亡、16人に (日テレNEWS24)

直近1ヶ月での東京都での死者数は194人、東京都でワクチン2回接種完は直近で47%、

そう考えると、16人という死者数はワクチンの効果をよくあらわしてそうだし、

さらに言えばワクチン接種は重症化しやすい人を優先して行っているのだから、

もしもこの人たちがワクチン未接種だったら、この数字では全然済まないでしょう。

というわけで、これでだいぶ助かってるわけですよね。それ以上に30代・20代と若くても重症化する人が増えてるのは過酷だが。


一方でワクチン2回接種完でも、亡くなるほどに重症化する人がいるというのも現実ではある。

感染を予防する効果はワクチン接種から時間が経つと下がっていくのが定説だが、

一方で重症化を予防する効果は2回接種後はわりと長く続くと考えてよいようだ。

日本においてワクチンは高い普及率に至ると思っているが、それでも対象者の9割ぐらいかなぁとも思う。

残る未接種者や接種対象外の年代の人の重症化リスク軽減は難しいだろうし、

2回接種完でも重症化する人がいないわけではなく、ここに打つ手があるかというのは課題である。


ただ、重症化リスクの高い人を絞り込んで、抗体カクテル療法を行うという打開策が見えてきたのは光明ではあるのかな。

薬の入手性の問題や点滴を要することなど、実施上の難しさはあるが、効果は確実だという。

患者数が減ればそういう対応も可能になってくるだろう。

とはいえ、今は目前の重症化した患者にどう対処するかということなんでしょうね。

東京都ではやっと新規感染者が確実に減ってきたようで。

感染者数の報告というのは診断を受けた人数で、診断されていない感染者というのもいるわけですよね。

ただ、#7119での発熱相談は8月15日頃をピークに減少、おそらく確実に減っているのだろう。

まだまだ厳しい状況だが、対策の効果は出ているので、続けていくしかないなと思う。