ベルモントパーク競馬場ダート2000mの意味

今年はキーンランド競馬場で行われるブリーダーズカップ、

西海岸に比べると遠いこともあり、BCクラシックに3年連続で参戦するフォーエバーヤングはアメリカの前哨戦を使うことになり、

ベルモントパーク競馬場で行われるジョッキークラブゴールドカップを選んだ。

ブリーダーズカップができる以前はこれが全国チャンピオン決定戦の位置づけだったそう。


という名誉あるレースで、それなりにメンバーが揃いそうだったのだが、

昨年覇者のAntiquarianが故障のため引退(種牡馬として日本に来るらしい)、

昨年の二冠馬、Sovereigntyは膿瘍のため回避などいろいろあって、

直前の出走取消も重なりなんと4頭立てになってしまったという。

リアルタイムでは見てなかったのだが、後で実況を見ると、

もう最後の直線に入る頃には決着が付いたような感じで、おおよそ競馬の実況ではないような感じだった。

まさかこんなことになるとは……と思った関係者は多かっただろうが、

ともあれフォーエバーヤングにとってはよい形で秋シーズンのスタートをできたとは言えそう。


ところでベルモントパーク競馬場はアメリカの3歳三冠の最終戦、ベルモントステークスが行われる。

ベルモントステークスは2400mのダートG1で世界的にも珍しい距離設定である。

どうして2400mなんだろう? と気になっていたのだが、コース形状に理由があった。

というのも、ジョッキークラブゴールドカップが行われる2000mコースのスタート地点はもともとカーブの途中にあった。

これは公平性の面で問題があると問題視されていたようで、

このたびの改修工事でゴールを動かすことで、カーブから若干直線を引き出した部分からのスタートにした。

実はこのジョッキークラブゴールドカップは新しい2000mコースのお披露目にあたるレースだったのである。


ベルモントパーク競馬場はアメリカの競馬場では例外的に巨大なコースがあり、

一番外側にあるダートコースは1周およそ2400mということである。

1周2400mというと、ドバイのメイダン競馬場の芝コースがそうですよね。

ドバイシーマクラシック(2410m)はちょうど1周回るレースである。

ベルモントステークスもそんな感じということですね。

ということは日本で言えば近しいのは東京競馬場の芝コース、

1周2100mほどで、ダービーの2400mは1周ちょっとということになる。

で、やはり2000mコースに問題があったこともベルモントパークと同じである。

天皇賞(秋)が行われる芝2000mのスタート地点は、カーブから引き出したところにある。

以前はスタートからカーブの距離がより近く、混乱が多かったそうだ。

2003年の改修時にカーブをゆるやかにするなどの改善が行われたという。


改修で2000mコースのスタートが改善されたのはジョッキークラブゴールドカップのためというのもあるが……

どうもベルモントステークスを2000mに短縮できるようにする意味もあるようだ。

昔からベルモントステークスの距離短縮説はあったらしい。

ただ、ベルモントパーク競馬場でやる以上は難しいですねと言われていたそう。

改修中はサラトガ競馬場の2000mで行われ、その間にプリークネスステークスを飛ばしての二冠が既成事実化したなんて話も。

アメリカ競馬は日本のダート三冠を見た?

来年にベルモントパーク競馬場に戻ってきても2000mで行く……とは言われていない。

でも、将来的にはその可能性もあるということですね。


日本だとJBC開催が持ち回りで、クラシックは2000m前後で行われる。

2000mか2100mのコースを持っている競馬場は多いため、だいたいこの距離だが、

船橋競馬場では2000mのコースに難があるため1800mとなる。

船橋競馬場といえば2400mで行われるダイオライト記念(JpnII)がある。

コース形状の特徴を踏まえて2400mというレース設定になっているとみられる。

じゃあJBCクラシックも2400mでよいのでは? という気もするけど、

2000mに近いのは当然1800mなのでそちらが選ばれるのが常である。


ちなみに来年、ベルモントパーク競馬場では久々のブリーダーズカップ開催が行われることが決まっている。

その際にはこの2000mコースはクラシックに使われるわけである。

そこに日本から遠征するのはおるでしょうかね? いても不思議はないですが。

ビットの組み合わせを活性化

32bitのレジスタに対して、そのうち任意の2bitが {01, 10} となる組み合わせを網羅するにはどういうデータを使えばよいのだろう?

0x55555555, 0xAAAAAAAA の4つだと、

偶数bitと奇数bitの間では{01, 10}の組み合わせが成立する。

ところが偶数bit同士・奇数bit同士で見ると {00, 11} しかない。


答えは意外とシンプルで下記の10個のデータを入れればよいようだ

  1. 0x55555555, 0xAAAAAAAA
  2. 0x33333333, 0xCCCCCCCC
  3. 0x0F0F0F0F, 0xF0F0F0F0
  4. 0x00FF00FF, 0xFF00FF00
  5. 0x0000FFFF, 0xFFFF0000

5.では上位16bitと下位16bitでグループが分かれている。

同じ16bitのグループに着目すると、4.で8bitのグループに分かれる。

そこでも同じ8bitのグループに着目すると3.で4bitのグループに分かれる。

そこでも同じ4bitのグループに着目すると2.で2bitのグループに分かれる。

1.では隣のbitとは異なるグループなので、5パターンやれば全員と違うグループになれた。


あるいは1bitずつデータを変化させればいいわけだけど。

1bitあたり2パターンが必要になるので、32bitだと64パターンはいる。

ただ、動かすべきビット数が少なければこっちの方がシンプルかもしれない。

見ての通り上記の10パターンというのは 32=25 という関係性から来ている。

ビット幅が狭くなるほど、この差は小さくなっていくので、

8bit幅だと上記のようなパターンを使っても1~3の6パターンは必要で、

1bitずつ動かした場合に必要な8パターンとさほど変わらないという話はある。


1bitずつ動かすというアイデアの方が最初に思いついて、

でもさすがに32bitに対して適用すると割に合わないなと思ったので、

いろいろ考えたら、そういうことかとなったという話だった。

これが役に立つのかはよくわからないが、そういうデータを使うのもいいかもなと思ったのだった。

アドレス線が壊れるか?

マイコンの起動時にRAMテストをすることがある。

で、昔から流用しているプログラムにアドレスのビットウォークというのがある。

0x2000004, 0x2000008, 0x2000010…. とアドレスのビットを変えながらリード・ライトのテストをすると。


これ何の意味があるの? と昔に聞いたことがあった。

そしたら昔は外付けのメモリを使っていて、アドレス線の故障を考える必要があり、

そのアドレス線の故障を検出するためにこういうことをやっていたらしい。

ただ、ワンチップマイコンではアドレス線は外に出ていない。

なので、そこが故障する可能性というのは極めて低いと考えられる。

よって今のマイコンだとこういう処理は意味ないですねという話をしていた。


ところが……という話が最近出てきて困っているわけである。

このBlogに書けることなんてほとんどないのだけど、

そういう故障を想定した分析が必要になってしまったのである。

でも、そこが故障する可能性って果たしてどれぐらいあるのだと。

というわけで非常に困惑しているわけである。


そういう故障が発生する確率は非常に小さいということで済めばよいが、

そういうわけにもいかない事情があり、これが困っているところである。

古典的なアドレス線のビットウォークが役に立つかというと、期待ほどは役に立たないという。

非常に難しい問題である。


アイデアとしては昔ながらのアイデアも参考にするべきところはあるが、

なかなかそれだけではいかないというところが問題ですね。

どこでも改札は後追いか?

先日、Suicaエリア統合の話を紹介した。

Suicaエリア外という概念がなくなる?

この発表では次のステップとして「どこでも改札(仮称)」というのがあり、

これにより2030年代初めには、JR東日本の全駅がSuica対応になるという話がある。


で、どこでも改札ってなんやねんという話だが、こういう説明である。

Suica カードやモバイル Suica のタッチ処理をタブレット端末などで行う改札方式です。車両や駅に柔軟に設置できる汎用的な端末を活用することで、これまで Suica をご利用いただけなかった駅での Suica サービスをスピーディーに実現します。運転本数の少ない線区の列車への搭載も検討しており、GPS 機能により 1 台の端末で複数駅に対応することで、Suica をご利用いただける場面を広げます。

車載式の端末というと、これもJR西日本ではすでにやっていることだが……


JR西日本では2019年の境線を皮切りに、一部路線で「車載型IC改札機」を搭載している。

特徴としては駅に設置される自動改札機と組み合わせて利用できることである。

昔からバスや路面電車では車載式の端末が使われていたじゃないかという話はあるが……

均一運賃の場合はタッチしたらその金額を引き落とすだけだし、

乗車時にタッチして、降車時に区間に応じた運賃を引き落とすにしても、乗降が同じ車なので乗車場所の情報は車載器側で覚えておけばよい。

実はバス・路面電車では乗車時にタッチしてもカードへの書き込みを行わないのが通常である。

(誤ってタッチした時に乗務員に聞いたら、特に対応不要と言われて知った)

ところが境線では米子駅と境港駅、さらにその乗換先は駅に自動改札機がある。

なので駅の自動改札機同様に乗車時にはICカードへの書き込みを行い、降車時にはICカードから乗車駅情報を得て運賃計算する必要がある。


この仕組みは、きのくに線(田辺~新宮)・和歌山線(五条~和歌山)・関西本線(加茂~亀山)・七尾線 に導入されている。

きのくに線と七尾線は特急停車駅は駅に自動改札機を設置している。

すなわち 車載型IC改札機 は普通列車のみに搭載すればよい。

また、JR西日本以外でも えちぜん鉄道・福井鉄道 ・近江鉄道では同じ仕組みが導入されている。


この仕組みは西日本管内以外ではなかなか見ない仕組みである。

運賃収受は車内でするような路線でも、ICカードは駅設置の改札機で対応としている例がほとんどである。

上毛電気鉄道では今年に駅・車載併用でICカード(Suica, nolbé)を導入している。

ただ、低コスト化のためにバス同様のシステムで導入したという記載があり、

乗車時にはカードへの書き込みは発生していないのではないか。


これもJR西日本の後追いか、とは思うも実現手法には異なる点もある。

それは「どこでも改札(仮称)」には汎用端末を使うということである。

タブレット端末にそのような機能を搭載して処理できるようにすると。

このようなものを駅・車両に多数設置することで、早期に全駅対応にしたいということらしい。

果たして汎用端末で十分な性能や信頼性が得られるのか? 疑問はありますか。


このあたりもJR西日本の方が早期に堅実にやっている印象は受けるのだが、

それぞれおかれている状況には差があるので単純に比較できない部分はあるのだろう。

JR西日本も 車載型IC改札機 でのエリア拡大は一部に限られていて、

車両に設置するのもそれはそれで大変であることがうかがえる。

全線全駅ということになればJR東日本のアプローチの方がよいのかもしれない。

遅いビットスワップかも

前に乗算・除算用のアセンブラコードの話を紹介した。

マイコンのわり算事情

ちょっと古いマイコンで直接的な除算命令がなく、1bit単位の処理を繰り返す方法で実現されていたと。


もう1つ、アセンブラで作られていたのがビットスワップ処理である。

ビットスワップとは上位ビットと下位ビットを入れ替えることである。

例えば、0x89AB は2進数で表すと 10001001 10101011 となるが、

ビットスワップは2進数を逆順に並べて 11010101 10010001 とした 0xD591 とする処理である。

しばしばこのようなビット順を入れ替える処理というのが必要になることがある。


このような処理を一般的な演算命令でやる場合はこうなる。

ビット順を入れ替えたかった

とはいえ、このような処理を行う専用の命令を持っているCPUも多く……

ARMだと REV命令 でバイト順を反転でき、RBIT命令でビット順を反転できる。x86だと BSWAP命令 でバイト順を反転できる。

そういう処理ですね。


でも、このマイコンにはそのような処理はなく、論理演算の組み合わせで作っているわけでもなく、

どうやったかというとローテート命令を繰り返す方法で実現している。

ローテート命令はビットシフトに似ているのだが、

左ローテートだと上位ビットから押し出されたビットを下位ビットに戻す処理がある。

1ワードであれば上位ビットを下位ビットに戻すだけだが、

複数ワードにまたがってやることもあろうと、フラグビットに押し出して、フラグビットに補充するという命令もある。

レジスタAの上位ビットをフラグビットに押し出して、

レジスタBの上位ビットに押し込んで、下位ビットをフラグビットに押し出して、

レジスタAの下位ビットに押し込んで、上位ビットをフラグビットに押し出して……

という処理を繰り返すと、レジスタAの最上位ビットはBの最下位ビットにたどり着き、

逆にレジスタBの最下位ビットはAの最上位ビットにたどり着く。

これによりレジスタAとB、それぞれのビットスワップした値がBとAに入るというわけ。


ただ、この処理、意外と時間がかかるんですね。

除算処理が遅いのはそうだろうと思ったけど、それとほぼ同じである。

理由はローテート命令を多く繰り返す必要があるから。

ほとんど構造が除算命令と同じなんですね。

論理演算の方が早いのでは? と思ったけど、実際どうなんだろ?

論理演算で効率的にやるには定数が様々必要になる、

そういうデータをロードするのにかかる時間に比べれば速いかもしれないが、

一方で一旦ロードしてしまえば繰り返し使えるので、

大量のデータをスワップし続けるなら明らかに早そうである。


当時色々検討した上でこういう形になっているのだろうから、

おそらく効率的なのだろうけど、思ったより分が悪いなとは思った。

小型モジュール炉に投資するメリット

ODAのようだと紹介した日本からアメリカへの投資、

その中で小型モジュール炉という新しい原子炉が候補にあるとのこと。

【独自】対米投資、次世代原発が有力 AI覇権争い、インフラを整備 (47NEWS)

アメリカとしては電力確保のため新しい原子力発電所を欲していること。

原子力発電に関わる日本企業が多く、アメリカでの受注が見込めること。

そして将来的に日本国内に展開できることなど、理由があるようだ。


この小型モジュール炉は現在の原子力発電所の1/3以下の出力である。

どうして出力が小さくなったものが次世代の原子力発電所と言われているのだろうか?

普通はこういうのは大きくなるものではないか?


それで気になって調べたのだが、2つの目論見があるそうだ。

1つは小型化したことで、万が一、ポンプなどが停止したとしても自然冷却が可能であること。

過去には原子炉を冷却する機能が失われたことで事故が起きており、

日本ではなんといっても2011年の福島第一原子力発電所の事故が知られている。

その後、地震・テロなど想定した追加対策が各地の原子力発電所で行われているが、相当な大規模な追加工事が必要になっている。

小型モジュール炉では、外部からの電源供給などが途絶えたとしても、

出力を低下させながら、熱を除去するということができるように設計されるという。


もう1つが低コスト化で、工場での量産効果を狙っているという。

1基あたりの出力が小さければ、それを多数並べればよいわけである。

オーダーメイドではなく、同様の設計の原子炉を量産すればコストが下がると。

ただ、これは本当に実現するのかはよくわからないところがある。

従来型の原子力発電所の方が結局は低コストなのでは? という話はある。


小型モジュール炉もいろいろな方式が検討されており、具体的にどのような形態になるかはわからない。

ガス炉など従来より高い温度でのエネルギー取り出しを狙っていたり、

高速炉として利用できる燃料の拡大を狙っているものもある。(cf. マイナーアクチノイドを分ける)

ただ、最初に書いたような受動的安全性能については必須要件である。

そのためならば多少コストが高くなっても実現するべきという考えはあると思う。


ゆえに勝算はよくわからない部分はあるが、うまくいけば日本でも活用したいという意図はよくわかる。

短期的には日本企業の受注という点でメリットはあるけど、それだけではないということである。

Suicaエリア外という概念がなくなる?

JR東日本は前々からSuicaの運賃計算をサーバーで行う方式に切り替えるという話をしていたが、

やっと目処が立ったようで来年春からSuicaエリアの統合が行われる。

現在は首都圏エリア(長野県や福島県浜通りの一部を含む)、仙台エリア(山形県・福島県と一関・平泉を含む)と、

新潟・青森・盛岡・秋田の各県庁所在都市を中心としたエリアがある。

これらのエリアをまたいで利用することは出来ない。

特に常磐線では首都圏エリアと仙台エリアがわずか2駅間だけ切られている。

これが解消することになりエリアまたぎの利用ができるようになる。


JR西日本では2018年にすでに近畿圏、北陸、中国・四国の3エリアを統合している。

特に近畿圏・北陸エリア間では当時はサンダーバードをはじめとする特急列車があり、これに対応する目的が大きかった。

JR東日本は9年遅れでこの問題を打開したわけだが、なんでそんなにかかったの? というのはある。

背景には首都圏エリアの巨大で複雑なネットワークがある。

この問題を抜本的に解決する方法がセンターサーバーでの運賃計算で、

青森・盛岡・秋田の各都市周辺へのSuica導入はセンターサーバー方式の先行導入の意味もある。

ここで実績を積んだ上で、首都圏・仙台エリアのシステム移行を行いエリア統合が実現されると。

ようは西日本とは難易度が違ったというわけである。


ところでJR西日本ではICOCAエリア統合にあたり、原則200km以内の利用に対応するというルールを設けた。

大阪近郊区間内(かつての近畿圏エリアとほぼ同義)、特急停車駅間の例外ルールはあるが。

ここには日常的な利用と、特急利用をカバーする考えがある。

ICOCAは両端が対応駅でもエリア外にまたがる利用は一切出来ない。

既存の運賃計算ルールとの整合のため加古川線と岩徳線はエリア外も運賃計算に使われるが、

それを除いてはエリア内での最安ルートが選ばれることとなっている。


ではSuicaエリア統合はどうなるのだろうか?

来年春時点では各エリアに挟まれた駅の一部にもSuicaが導入される。

現在の首都圏エリア・仙台エリア間では常磐線・東北本線の途中駅全て、

首都圏エリア・新潟エリア間では上越線の水上~小千谷の未導入駅のうち、

越後湯沢駅など湯沢町・南魚沼市の5駅に導入される。スキー客対応ですかね?

新潟エリア・秋田エリア・青森エリアの間では羽越本線・奥羽本線の主要駅に導入される。

これは いなほ号・つがる号の特急運行ルートと重なるが、特急停車駅の全てに導入されるわけではない。

必ずしも特急利用をカバーするという考えではないらしいが、

新潟~鶴岡・酒田・由利本荘・秋田といった利用には対応できるとみられる。


ただ、この発表には利用上の制約事項は書かれていない。

実際にサービス開始する2027年春に近づけば発表されることもあるのだろうが、

JR西日本のような200kmルールやエリア外の通り抜け不可のルールはあるのだろうか?

それを聞いてきた人がいたようで……

2026年度末の「Suicaエリア統合」 気になることをJR東日本に聞いてみた (ITmedia)

どうも特に制約を設ける気はないらしい。東日本管内であればエリア外という概念すらなさそうである。


エリア内・エリア外の区別はあまりないのだろうなと、かつての仙台エリアの図を見て思っていた。

現在は山形県内にも導入駅が増えたが、山形・山寺の2駅のみ導入の時代が長かった。

これは仙山線で仙台~山形を利用する人を想定したものである。

にもかかわらず、福島~山形~鳴子温泉~古川が破線(一部駅導入のエリアの意味)でつながれていた。

理屈の上ではこれらの区間を通り抜け、例えば福島~山形を山形線の列車で移動する場合も使える。

ただ、この区間を新幹線直通の つばさ号 を利用する場合は利用できないルールもある。

このことから事実上Suicaが使うことが困難なのに、なぜかエリア内だったのである。


距離制限は本当になくていいのかよくわからない。

途方もない大回り乗車をして最安ルート計算せざるを得ない事例が多々発生するのではないかと。

もしかすると何か補則が設けられるのかもしれないが、よくわからない。

JR東日本はそういうところには無頓着な印象もある。


JR東海では特急利用を前提として導入した高山本線の下呂・高山・古川の3駅については、

中央本線・大多線の駅を除き、特急運行ルートで計算するというルールがある。

このルールは今後導入が予定されている紀勢本線の駅にも適用されるとみられる。

JR東海も特急利用をICカードでカバーするというJR西日本の発想にならっている部分はある。

まずは自社内で利用の多くをカバーできる ひだ号・南紀号 に対応していると。


さて、ここまでくると会社間のエリアまたぎの対応もなんとかしたいという考えはあるだろうが、果たしてどうなのか。

特に要望が多いのが静岡県東部と東京方面の往来ではないかと思う。

1つ障壁にあったかもしれないのがあまりに複雑なSuica首都圏エリアだが、

この問題はセンターサーバーでの運賃計算で打開できる可能性はある。

すなわちJR東海がSuicaのシステムに部分的に相乗りするような方法をとれば容易ではないかということである。

さっきJR東海が特急運行区間に順次ICカードを導入していると書いたが、

しなの号は長野県内のSuicaエリアにガッツリかかっている。

このため何らかの形で会社またぎの問題を打開しなければいけない。

一党独裁も個人献金も危ない?

中道改革連合が議員1名を残して、他の議員は離党することになったそう。

実態としては公明党と立憲民主党に戻ると言うことであろう。

なお、衆議院の会派構成は従来通りのようである。

議員1人だけ残る背景としては政党交付金があるようで。

小川氏は衆院選を巡る民間事業者への支払いについて「まだ半分も終わっていない。支払いを猶予いただき、分割の支払いに応じていただいている」と述べ、「支払いを完済するまで解党できないというのが偽らざる実情だ」と明かした。

(中道、未交付11億円受領へ 小川氏「総選挙の支払い踏み倒していいのか。答えはノーだ」 (産経新聞))

こういうのも民主主義のコストって話なのかな。


先の衆議院議員選挙は自民党が圧勝、自民党会派が全体の68%を占め、

連立与党の日本維新の会をあわせると76%に達する。

こういう状況では国会軽視の流れもあったが、審議拒否など空転も相次ぎ、

軌道修正も迫られ、なかなか思い通りには行っていないようである。

最終的な決議という点では野党会派の関与できる部分はほぼないが、

そうであるならなおさら国会での議論の経緯が重要であろうと。


とはいえ、国会無用論みたいなのは世の中に蔓延っている。

ここには自民党内部で多様な意見が集約されて議論が行われているという背景もある。

自民党も一枚岩ではなく、様々な背景を持つ議員がいる。これがとても強いわけですね。


確かに世界を見渡せば、党内での議論を中心とすることで一党独裁を行う仕組みもある。

よく知られているのは中華人民共和国である。中国共産党による指導と、

人民の代表が集まって決まった政策には中国共産党の全党員が賛同する義務が定められている。

全国人民代表大会が国会にあたるものだと言われるが、中国共産党の決定を追認するだけの大会である。

でも、そこに至るまでのプロセスで全人民からの意見は集約されていますよという建前はある。


確かにこれは現在の自民党のようですねと思うのだが、異なる点がある。

それは自民党内には勢力争いには選挙での勝ち負けが作用する仕組みだからである。

時たま自民党同士で争う選挙というのもあるけど、それは稀なことで、

普通は他の政党の候補者と争う選挙での勝ち負けで言っていると。

そういう中で自民党の政策も少しずつ変化してきた歴史がある。

すなわち自民党は他の政党がないと事実上成り立たない仕組みなのである。

なお、中華人民共和国にも中国共産党以外の政党はあるが、政権を取ることはできず、政党間の勢力争いは存在しない。


そういう事情を考えれば中道改革連合がこさえた債務も必要なものだったとは言える。

とかく選挙というのは金がかかる。その資金源をどうするかは課題である。

政党交付金はその1つではあるが、導入の背景には企業・団体献金を削減するべきということがあった。

導入された頃には企業献金によって政策が歪められたのでは? という疑惑が様々あったそう。

このため議員数・選挙での獲得票数に応じて国から資金を分配する仕組みが作られたと。

これが政党交付金だが、企業・団体献金自体は制限もありつつなんやかんや続いている。

企業・団体献金の代替策としては個人献金というのがあり、これを後押しする税制も存在する。


ただ、最近は個人献金の方が考え物では? と思うところはある。

1つはアメリカのトランプ陣営への多額の献金である。

これは名だたるお金持ちの経営者が途方もない額を献金しているそうで、

こういう献金がトランプ政権の政策を歪めているのでは? という疑惑はある。

もう1つは参政党の躍進で、参政党は党費・イベントなどでの収入で資金を確保しているよう。

これはこれで立派なこととは言えるものの、熱狂的にお金を貢ぐ人が集まっている政党はそれはそれで怪しいのでは? とも思う。


業界団体や労働組合が政党に寄付をするとなれば、それなりの意志決定を踏むことになる。

団体の目的にかなう政策を実現できる政党であることは検討される。

この観点で献金が集まるのは自民党・立憲民主党といったところだが、

様々な団体から献金が集まるということは特定の業界のために政策を歪めるということも難しい。

アメリカの共和党も本来はそういうものだと思うのだが、

アメリカには途方もないお金持ちがいるので、そういう人たちが個人の立場で献金をすれば手が付けられない。


政党交付金もいろいろ意見はあるのだが……

民主主義のインフラとして機能する政党がいくつもある状態が続いているのは成果と言えるのでは?

とはいえ、先の自民党圧勝により、無職になった他党の議員は多い。

国会議員というのは落選すれば無職、非常に不安定な仕事である。

まともな人は国会議員なんてやらないという状況はあると思う。

先の衆議院議員選挙で落選した人にはこれで折れた人も多いのではないかと思う。

これによって基盤が揺らぐ政党は当然あるだろう。特に立憲民主党ということだと思うが。


先ほど書いたように自民党というのは他党との選挙戦がなければ事実上成立しない政党である。

ということは他党が弱体化しては党内の勢力争いがまとまらない可能性が出てくる。

この場合は自民党同士で分裂選挙をすればなんとかなるのかもしれないが。

自民党から分かれて出来たような政党も過去にもありましたしね。


もう1つは自民党に対抗しうる基盤を持つ政党は果たしてまともなのかという話である。

少数の人が熱狂的に支援する政党、勝算がなくてもイデオロギーだけで動ける政党、

そういう政党は現時点で自民党を圧倒する可能性は低いが、

なにかがきっかけで自民党への支持が失われたとき、一気に票が流れ込むかもしれない。

そうなれば手の付けられない状態にもなりかねませんが。


いろいろな懸念を考えたとき、立憲民主党や公明党の存在は重要だったのではないか。

その両党が衆議院議員選挙の仕組みを考えて合同したことには理由があるのではないか。

問題はそれを無力化するほどに自民党が強かったことだが、

だからといって自民党と争わないのは、長期的に見れば良くないことであろうと。

だからこそ選挙でこさえた債務を履行するのは、民主主義のコストですねと。

国際航海して深海に潜る小型船舶

つくばエキスポセンターでしんかい6500の模型があったが、

「神奈川」と書かれていて、一体なんだ? と考えて、これは小型船舶なのかと気づく。

調べたところ、しんかい6500は総トン数20t未満のため小型船舶に該当するのだという。


小型船舶は一般的な船舶とは登録・検査の仕組みが異なる。

このようなものがセットで並んでいる船は見たことないだろうか?

船舶番号 (日本小型船舶検査機構)

船舶検査済票という、検査が行われた年と船舶番号の番号部分が書かれたステッカーが貼られている。

そこに続いて船籍港の都道府県を表記することになっている。

しんかい6500も実際にこのセットで船体に表記があるようで……

しんかい6500/フォトギャラリー (JAMSTEC)

確かにありますね。


船籍港というのは一般的には「福岡市」のように市町村の名前で書く。

福岡市の管理する港は博多港なのでかなり違和感はあるがそういうルールである。

なお、東京都の特別区内に船籍港を置く場合は「東京都」の表記になる。

しかし、小型船舶では都道府県名の表記になるという特徴がある。

母船の「よこすか」の船籍港が横須賀市であることを考えると、

しんかい6500も船籍港は横須賀市なのだろうが、小型船舶なので「神奈川」と書くのである。


しんかい6500は世界中で調査を行っているので、航行区域は遠洋であると思われる。

単独で航行するときはほとんど海中に潜っているのでどうでもいい気はするが、

しんかい6500には船籍を表すのは漢字の「神奈川」のみである。

一般的には国際航海に入る船ならば YOKOSUKA のようにローマ字も入るものだが……

実際、母船の よこすか には、船の名前の YOKOSUKA と、船籍港のYOKOSUKA がそれぞれローマ字で入っている。


それで調べたんだけど、どうも国際航海に入る船に船籍港をローマ字で書くルールはないらしく、

国際航海に入る船にローマ字で船籍港を書くのは慣例でしかないらしい。

法令上は船籍港は国字で表記することとなっているので、漢字表記は必須で、

それにローマ字表記を併記するという慣例があるということらしい。

でも、これがないと船籍国を知る手段もないんですよね。

国際航海の際には国籍を表す旗(日本籍の商船の場合は日の丸)を掲げるルールはあるが、

しんかい6500が日の丸を掲げることはあるのだろうか?

海上自衛隊だと船体のペイントで自衛艦旗を掲示しているものもあるけど。

(これは海上での実力行使に軍艦旗が必須だからだろう)


そもそも小型船舶が国際航海というのもなかなかイメージできないけど。

プレジャーボートではそういう用途も一定あろうかと思いますが。

国際航海をする上で船体に表記が必要なものがあって、それが船名である。

実は小型船舶は船体に名前を表示するのは必須ではないらしい。

その上で必要な手続きを行うと国籍証明書が発行される。

これを備え置いて、必要時に呈示できるようにしておけばよいと。


しんかい6500の船籍港が神奈川県だったからこういう気づきがあったけど、

「大阪」とかだと大阪市ってことだなと納得してしまいますからね。

こういう違和感に気づくのは大切ですね。

みちびき に静止衛星がある意味

衛星測位と言えば、昔はGPSだったけど今はいろいろなシステムがある。

全世界でサービスを提供しているものだけで、GPS(アメリカ)・Galileo(EU)・GLONASS(ロシア)・北斗(中国)と4システムもある。

そこに地域限定で日本の みちびき、インドのIRNSS がある。

地域限定といっても必ずしも国境にとらわれるものではない。


日本が みちびき の計画に着手した段階ではGPS以外は整備途上で、

EUからGalileoに相乗りしないか? というオファーもあったとか。

みちびき の特色は準天頂衛星であるということ。

静止軌道と同じ1日で地球一周する軌道ではあるのだが、赤道上ではなく傾けている。

これにより1日のうち8時間程度は日本の真上にいることになる。

ビルの谷間などでも真上にある衛星からの電波は受信しやすい。

GPSは地球から見ると絶えず動いており、日本の上空にも常にGPSはいるが、

GPSと同じ機能を持つ みちびき が1機でも加われば、GPSがより活用しやすくなるという考えだった。


ところが2017年に打ち上げられた みちびき3号機は静止軌道なのである。

東経127度の赤道上にあるということで、ある程度空が開けていれば見えるが、

準天頂衛星である1・2・4号機と比べるとどうにも見通しにくい位置である。

その後、6号機は東経90.5度の静止軌道、7号機は東経184.5度の準静止軌道に投入された。

(準静止軌道は赤道上でわずかに動くという軌道で、ほぼ静止軌道である)

なお、5号機は準天頂軌道に入り、準天頂衛星4機体制になる予定だったが、打ち上げに失敗して3機体制が続いている。


なんで静止軌道に打ち上げられる みちびき があるんでしょうね?

理由の1つには みちびき だけでも測位を可能とするためというのがあるそう。

GPSを補完する目的でスタートしたが、みちびき だけで4機あれば一応はそれだけで完結する。

もっとも、それなりに空が開けた場所でないと実現できないが。

みちびき だけで測位を行う必要性があるのかは甚だ疑問だが、アメリカの都合でGPSは使えなくなる懸念はある。

その場合もGalileoは使えるのでは? というわけでやはり疑問符は付くが。


位置が固定されていることで、常に日本から見える場所にあり通信の都合がよいというのがあり、

この目的で安否確認サービス「Q-ANPI」が3号機に搭載されている。

また、SBASという飛行機向けの衛星測位の補強情報を送っている。

これはもともと ひまわり から送ってたんですよね。その機能をみちびき3号機が引き継いだというわけ。


もう1つ、これはまだ実現していないが衛星同士の距離を測定することで測位精度を高めるため。

高精度測位システム(ASNAV) (JAXA)

これが実現するとスマートフォンのような一般的なGNSS受信機で精度がよくなるということである。

ただ、残念な事に5号機がないと、6号機・7号機を含めて活用できないのである。


ところで みちびき は日本での利用を主眼に置いて作られたもので、

国土地理院の電子基準点のデータに依存するcm級の補強信号は国内でしか使えないが、

GPS同様のGNSSとしての利用や、MADOCA-PPPという別の補強信号は日本に限らず使える。

韓国では日本と同様に利用できるのはいうまでもない。

準天頂衛星は南半球の上空にも行くのでオーストラリアでも利用できる。

東南アジアには準天頂衛星もそうだし、静止衛星が真上だから利用しやすい。

というわけでこれらの地域では知らず知らずのうちに みちびき を使っていることもあると思われる。


当初思ったほどの画期的な効果は得られていないのかなと思うところはあるが、

国際協調でよりよい測位システムを作った結果なので、これはこれで意義があるのだろう。

みちびき は GPSだけでなくGalileoとの組み合わせなども技術開発が進んでおり、

より精度良く測定する手段が増えたことは確かである。

まだ みちびき は完成までしばらくかかるシステムだなと思うけど、

(準)静止衛星の6号機・7号機もそこに寄与してくれるはずであると。

今のところは万が一他のGNSSが使えなくなったときの予備ぐらいの意味しか無いが。