以前、こんな話を書いた。
2023年5月初旬、東京駅八重洲口に献血ルームがOPENします! (東京都赤十字血液センター)
驚いたのは「血漿成分献血専用」という記載。思わず声を上げてしまった。
免疫グロブリン製剤の需要が伸びているため、その原料の血漿が欲しいと。
偶然知ったのだが愛知県と大阪府にもあるようで。
一番最初に出来たのが愛知県、2021年10月開所である。
愛知県内初!「成分献血」を中心とした「予約専用」の「献血ルーム フォレスト」オープン!【令和3年10月27日(水)】 (愛知県赤十字血液センター)
イオンモール Nagoya Noritake Garden内に作られている。
知らなかったんだけど名古屋駅の比較的近くにあるイオンモールである。
次に大阪府、2023年4月開所の「曾根崎献血ルーム RedOne CLUB」である。
ホワイティうめだ直結のビルの地下階に設けられている。
それとほぼ同時ではあるけど、東京都で2023年5月開所の八重洲献血ルーム、
こちらは東京駅八重洲口のヤンマービル内に入居している。
ということで、名古屋駅・大阪駅・東京駅と各都市中心駅の近くに血漿成分献血専門の献血ルームができたということである。
おそらくなんらかの戦略からこの立地にしているのだと思う。
そもそも血漿成分献血の推進は全ての献血ルームで取り組んでいることである。
血小板製剤の必要数だけ血小板成分献血を行い、残りは血漿成分献血に協力してもらうというのが一般的な献血ルームの成分献血の対応である。
少ない人数で血小板製剤を確保できれば、その分、血漿成分献血の数を増やせる。
成分献血を申し出て、血小板・血漿どちらの献血になったとしても、
結果として原料血漿の確保には寄与できるというわけである。
それに加えて、血漿成分献血専門のルームを作ったということである。
「各都市中心駅の近く」と言ったものの、その意義は結構異なる。
まず、名古屋だが、そもそもタワーズとJRゲートタワーの上層階には献血ルームが入居している。
こんな近接した2つのビルに献血ルームが入居しているのは不思議だが、
先にタワーズに入居していた献血ルームの混雑がひどかったので、
2016年にJRゲートタワーに「拡張」という形で入居したからだそう。
その上で名古屋駅周辺では3つ目なのだが、少し離れたイオンモール内なので、狙いは少し違うのかなという気はする。
次に大阪だが、こちらも元々梅田周辺には2つのルームがあった。
阪急グランドビルと西梅田のヒルトンプラザウエストのいずれも上層階である。
梅田エリアといってもちょっと立地が異なるので使い分けはあったと思う。
一方の新設された曽根崎献血ルームは先ほども書いたように地下街直結のルームである。
完全予約制ということでコンパクトになってる部分もあるのかも。
交通の便の良さという点では他を凌駕するのではないか。
最後に東京だが、こちらは既設の献血ルームで近いのは有楽町かな。
ただ、名古屋・大阪と既設のルームが2つあるところに3つ目というのとは異なる。
オフィス街にある献血ルームという点では特色があり、
血漿成分献血だけで計画が立てやすい点とも親和性があると見たのか。
いずれも実際にどんな人が献血に来ているのかは気になりますけどね。
血漿成分献血は月2回のペースでできるので、いかにリピートしてもらうかということで、
曽根崎も八重洲も確かにはまる人にはハマりそうだと思った。
それと比べると名古屋のフォレストはよくわからんのですよね。
他2つがビルの上層階なので、垂直移動がおっくうというのはあるかもしれないが、
こちらは水平移動がはるかにかさみますからね。
あえて血漿成分献血専門のルームじゃなくてもなぁと思ってしまうけど、
そちらの方が協力しやすいという人もいるんだろうかな。
ある程度、献血ルームの密度が高いエリアでそういう差別化はあっていいんだろうが。
その観点では曽根崎がいちばんしっくりくるかなぁ。