行き先見てわかるもんですか

昨日は東急・相鉄新横浜線が開業した。

相鉄にとって東京直通の本命、東急直通ルートが開通したことを表す。

すでに羽沢横浜国大駅を介してJR埼京線・新宿方面への直通は実現しているが、

JRの都合もあり、本数は1時間2~3本程度とあまり使いやすいものでもない。

しかし、東急との直通ルートは1時間4~6本と格段に本数が多い。

また、新幹線乗換駅の新横浜駅に通じる点も魅力である。

新横浜駅周辺はオフィスも多く、休日を中心にレジャー需要も見込める。


そんな相鉄の発車案内を写した画像を見てびっくりしたのだが。

各停 川越 7:51

各停 川越市 7:55

特急 西高島平 8:03

川越行きと川越市行きが並ぶのだが、この2つは途中のルートがまるで違う。

というか、この表示で一体何かわかるものかね。


一番上の川越行きだが、これは 西谷→羽沢横浜国大→大崎→大宮→川越と走る列車。

基本的にJR直通便は新宿発着なのだが、朝には新宿を超えて埼京線・川越線方面と直通する。

朝は新宿駅が忙しいので折り返し運転ができないというだけですが。


次の川越市行きだが、これは西谷→新横浜→渋谷→和光市→川越市と、

東急東横線・東京メトロ副都心線・東武東上線の直通運転である。

東急との直通運転は目黒線の方がメインなのだが、

終日に渡って1時間2本程度は東横線との直通運転になっている。

これは東急と直通運転するなら一定数は渋谷方面に向かわたいという意向があったためとみられる。

ただ、問題は東横線は副都心線を介して東武東上線・西武池袋線と直通していることである。

相鉄直通列車は西武には入らないことにはなったが、東上線には入ることになった。

全体としては和光市など副都心線の駅名が多いのだが、川越市・志木など東上線の駅名もちらほらある。


一番下の西高島平は都営三田線の終着駅、西谷→新横浜→目黒→西高島平と運行する。

東急目黒線は東京メトロ南北線・都営三田線の双方と両社共用区間(目黒~白金高輪)を介して直通している。

三田線については基本的に西高島平行きとなる。まだわかりやすい方。

一方、南北線については埼玉高速鉄道の終点の浦和美園か、境界駅の赤羽岩淵か、どちらかが多い。

他ルートに比べると比較的識別しやすいが、それでも複雑である。


なお、各停・特急というのは相鉄内の種別で直通先とはまた異なる。

東急直通については東急内では急行になるのが大半のようですね。

目黒線の直通先については全列車各停なのでこれはこれで問題が無い。

一方、東横線の急行は副都心線では各停になることが多い。

Fライナーで各社最上位種別をつなぐのが基本になっている事情もある。

東横線の最上位種別は特急ですから。でも東横線で急行は抜かされないし。

JRについてはJR内は全て「各停」だが、そもそも停車駅が少ない。

羽沢~新宿の途中停車駅は武蔵小杉・西大井・大崎・恵比寿・渋谷だけ。


さて、冒頭で紹介したわかりにくい行き先表示だが、知ってる人にはわかる工夫がなされている。

実は種別を表示する色でどの系統か識別できるようになってるんですよ。

青字は目黒線方面、赤字は東横線方面、緑字はJR方面を表している。

各路線のシンボルカラーに合わせてあるんですね。

各停でも特急でも路線別の色で表示されるのは他路線ではなかなか見ないが。

一方、従来からの横浜方面は白字で、特急は橙地、快速は青地になる。

4系統の識別が不要になる、海老名・湘南台方面もこの表示である。


複数の運行系統が混ざる場合、車両で識別するという方法もありうる。

例えば、金沢駅で北陸本線の車両は青系、七尾線の車両は赤系にするなど。

現在は両路線で同型の車両を使っているが、色は区別している。

全て同じ新型車両

ただ、今回の場合、会社名すらアテにならないのが実情である。

というのも、東急の車両が横浜発着便に使われているのである。

これまではJRの車両が横浜駅に入ることは基本的にはなかったのだが、

山手線運休時の埼京線増発対応など、イレギュラーがあると入っていた。

埼京線と他社の車両が活躍

相鉄内の終着駅で折り返して同じ系統に入るとは限らないのである。

これまでJR車は意図的に外していたが、東急車については困難となったらしい。


正直なところ、本当の目的地を書く必要があるのかという疑問はある。

川越は(JR)新宿、川越市は(東急)渋谷、西高島平は(東急)目黒 とほぼ同義である。

こういう重要な経由地や路線をクローズアップする方がよいのではないか。

JR西日本だと「京都方面 長浜」とか「東西線経由 松井山手」のように、

キーとなる駅や路線がわかりやすくなるような表記を採用している。

ただ、既存の表示器ではこのような表示に対応できないとか、

接続各社でもこういう表記はなかったのはあるんだろうな。

JRに限れば、発車案内に路線名を付記する程度はあるけど。

新宿駅では「埼京線」「りんかい線」「湘南新宿ライン」「相鉄線」と表記してたりする。


というわけでなかなか難しいなと思う。

なかなか相鉄沿線に用事は無いし使いそうにはないんだけどね。

新横浜までは使うこともあるかも。東急から新横浜折り返し便もある。

目黒線の一部(主に急行)が新横浜まで延長されたらしい。

東急側では相鉄のような識別ルールがないので、目黒線と東横線は混ざっている。

発車案内では注釈で直通先の路線名や種別を表記するという対応らしい。

まぁ混在するのは新横浜・新綱島の2駅だけですからね。