Skipサービスもチェックイン機も

話題になっていたのですが。

ANA、羽田空港保安検査場の大型サイネージを撤去 「ANA Smart Travel」推進 (TRAICY)

空港の保安検査場入口に出発案内があるのは当然の光景のような気がするが、

羽田空港第2ターミナルではこれが撤去されるそうである。

空港の所有物のような気がするが、撤去はANAの意向らしい。

同内容は周辺のディスプレイで確認出来るので、それでもよいとは言えるが。


ただ、撤去の背景とされているANA Smart Travelというのが考えもので、

実はこれに伴ってなくなるのは大型表示器だけではないのである。

Skipサービスも3月末をもって廃止となる。

Skipサービスは事前に座席指定しておけば、会員証・eチケットを持って保安検査場に行けば搭乗できるシステムである。

いかにもSmartに思えるこの仕組みだが、オンラインチェックインに代替されて廃止となる。


オンラインチェックインは出発24時間前からWebまたはスマートフォンアプリでできる。

これを完了させて発行されるQRコードを保安検査場・搭乗口で呈示すればよい。

現在はANAマイレージクラブEdyカード(新規発行停止)をタッチして通過できるが、

3月以降はこのカードは保安検査場から先で使うことはなくなる。

今後はICチップの読取り機能は廃止されていくのではないか。


問題はQRコードを呈示できない人である。

スマートフォンの画面を呈示するか、紙に印刷して呈示するかということになる。

従来のSkipサービスとの違いはQRコードが作れるのが早くても24時間前ということ。

従来は予約段階で早々紙に印刷して準備とできたのが、そうもいかなくなる。

基本的にはスマートフォンの画面で呈示という考えであろうが、

誰もができるわけではなく、この点で対応が難しい人は一定発生するとみられる。


じゃあ空港でQRコードが印字された搭乗券を受け取ろうという考えになるが、

もう1つ廃止されるものがあって、それが自動チェックイン機である。

それ撤去するの? と思ってしまうのだが、どうも4月以降順次撤去らしい。

こうするとオンラインチェックインでQRコードを発行できない人は全て窓口対応になる。

そんなことしたら窓口回らないと思うんですけどね。

特に繁忙期は普段飛行機を使わない人も増えますから、窓口対応になる人の割合も増えるだろうから、そしたら大惨事ではないかと。


オンラインチェックインはJetStarの利用者にはなじみのあるものらしい。

そんなこともあってANAのことを「国内最大のLCC」と揶揄する人もいる。

バニラエアのA320をANAに転用した頃(cf. バニラエアのA320にもすがる思い)からLCC説が言われるようになった印象。

しかし、JetStarよりもANA国内線の仕組みの方が過酷である。

まず、JetStarは出発7日前からオンラインチェックインができるため、

短期間の旅行であれば出発前に往復のチェックインを済ませられる。

なので、出発前に往復分の搭乗券を印刷するという形での対応が容易である。

もう1つは空港には自動チェックイン機が用意されていること。

これには理由があって手荷物ラベルの発行という役目があるため。

オンラインチェックインしても預け入れ荷物がある場合はチェックイン機に行く必要がある。

いずれにせよ搭乗用コードが発行できなくても自動チェックイン機での対応が可能である。


JALも自動チェックイン機に手荷物ラベルの発行機能を付けている。

セルフでスムーズに!手荷物のお預けのご案内 (JAL)

一方のANAは手荷物預け機自体にラベル発行機能がある。

ANA BAGGAGE DROP(自動手荷物預け機)のご案内 (ANA)

座席指定済の人には手荷物預けのためだけに2ステップというJAL方式は手間に思えるが、

ラベル発行・取り付けを手荷物預け機と分離出来るので機械の効率がよいのかも。

この点では自動チェックイン機の撤去というのは考えにくい。

あと、JALはJMB WAONなどICチップ搭載の会員証を基本としている。

イオンとの提携関係も強固に見え、この体制は変わらんのでは?


慣れた利用者にとってはANAのオンラインチェックインも悪くないと思うが、

1人1台スマートフォンを持っているとも限らない中ではどうしても気になる。

スマートフォンがないと使いにくい乗りものって他にあるか?

と考えて見ると予約制の高速バスにはそういう傾向があるかもしれない。

Webで予約・決済すると、乗車券はスマートフォンで表示するか、自分で印刷するかどちらかだから。

予約時点で印刷できるという点でANAよりよいとは思うけど。

これらの環境がない場合は、バス会社窓口で購入しなければならないかも。

バス会社の窓口が限られるのでWebでの決済が便利なんだけど、

地元のバス会社なら電話で予約して窓口に買いに行くというのは一定あるか。

あと、ファミリーマート以外のコンビニだとコンビニで乗車券発行されるかも。


ANAの言ってることはなかなか難しいと思いますけどね。

スマートフォンがあれば一番よいというのはそうなんだと思う。

ただ、全員がそれでいけるわけではないので、そしたらどうするとなる。

紙に印刷するという代替策が機能すればよいが、難しい面もある。

そこから外れると全部窓口対応はわざわざ自分で自分の首絞めてるだけではないか。


しかしANAマイレージクラブEdyカードももう出番無さそうだな。

発行してからだいぶ経つけど、Skipサービスのお供としては使っていた。

一応チェックイン時に呈示する会員証としては使えると思うが、

そんなの使う機会ありますかね? そもそもANAにあんまり乗らないしね。