特定記録(160円)に対応する切手ってなくなったんだねと言っている人がいて、
80円切手の在庫がある人ならそれを2枚貼れば済む話ではあるものの、
確かに今はもうないんだなと。
特定記録はポストに投函で配達し、引受・配達を記録する特殊取扱である。
かつての配達記録の代替サービスの1つである。
ポスト投函で配達されるので受取には便利という話がある一方、
荷物サービスであれば ゆうパケット、郵便であればレターパックライトと競合し、
特定記録が明らかに安いのは必ず郵便にする必要がある信書で100g以下に限られる。
ただ、この人が言ってたんだけど、特定記録というのは意外と早い発送手段である。
なぜならば郵便局間の輸送は書留・速達と同じと言われており、そこから
- 速達: 郵便局に午前・午後到着ともに当日配達、休日も配達
- 書留(速達なし): 郵便局に午後到着だと翌日に回ることがある、休日も配達
- 特定記録(速達なし): 午後到着だと翌日に回ることがある、休日は配達なし
というわけだから、休日に被らない場合は速達と配達日数が変わらないこともある。
もちろん速達と異なり配達日数を保証したものではないが、
定型25g+特定記録は244円ですから、この値段にしてはよいと。
話は戻って特定記録の160円に相当する切手だが、2014年の料金変更時に終売になった。
このとき終売になった切手としては350円や420円もある。
90円・110円・130円は普通切手としては終売になったが、国際郵便用の切手ということで国際文通週間の切手が購入可能である。
(制度上は特殊切手なのだが、通年販売されているため普通切手に近い)
ただ、この廃止理由でもあるのだが、特定記録は窓口じゃないと出せないんですよね。
で、窓口で現金で払う場合は「証紙」なんて言われていますが、
金額の書かれたシールを印字して貼るので切手の在庫が不要だと。
窓口でも84円とか決まり切った金額なら切手で対応することはあるかもしれないが、
書留・特定記録・速達が絡むような場合はほぼ証紙で対応しているはず。
これが420円切手(当時の一般書留・現金書留の基本料金に対応)の終売にもつながっている。
あと160円切手は元々特定記録用の切手ではなかったらしい。
はがき50円、定型25g以下80円という料金が決まったのが1994年のことだが、
定形外郵便の料金はその後もいろいろ変更されていて、
- 1994年: 50g以下130円、100g以下190円
- 1997年: 50g以下120円,75g以下140円,100g以下160円
- 2003年: 50g以下120円,100g以下140円
と、このとき一時期存在した160円の料金に対応した切手だったらしい。
かつての配達記録(210円)に相当する切手は過去にも存在したことはなく、
このことから2014年にはすでに役割を失った切手だったのである。
ただ、そうはいっても切手がどうしても必要なところがある。
それが簡易郵便局である。
簡易郵便局は料金を現金で払っても切手販売という扱いになるそう。
このため書留料金に対応する切手は使いやすかったのではないかと。
かつて存在した1000円切手は簡易郵便局でのゆうパック発送用のニーズがあったとも。
簡易郵便局の受託者はこのあたりの貼り合わせに詳しいのではないか。
簡易書留は窓口扱いが必須でありながら、それを意識した320円切手がある。
なぜこれだけ……という感じもあるけど、それだけ使用頻度が高いんでしょうね。
それは簡易郵便局というのもあるけど、各種手続きで使うことが多いからか。
返信用封筒に簡易書留分の切手を貼ってとかあるみたいですね。
その返信用封筒を使って発送する側は窓口に持参しなければならないけど。
特定記録でもそういうニーズはあると思うけど、そこは考慮されていない。
(140円+20円=160円など対応方法はいろいろあるけど)
もっとも料金に相当する切手がないサービスはいろいろある。
ポスト投函で使われそうなものにはゆうメールがあり、
150g以下で180円、250g以下で215円など、昔からこの料金に相当する切手は存在しない。
180円は90円2枚で対応できて、現在は国際文通週間の切手として購入可能である。
215円だと210円+5円とかなるのかな。5円単位ってのが使いにくそうだが。
荷物サービスのことは切手のラインナップには基本的に考慮されていない。
確かにゆうメールを切手で使う人って相当限られるのはそうなんだよね。
ゆうメール全体としては大口契約がほとんどで、そうすると後納ですから。
郵便料金と関係なく存在していた3円,30円,1000円切手が廃止となって、
現在の通常切手のラインナップは1円,2円,5円,10円,20円,50円,63円,84円,94円,100円,120円,140円,210円,260円,320円,500円の16券種である。
これに加えて国際文通週間で7円,70円,90円,110円,130円切手がある。
(7円切手は国内用のハガキに国際郵便はがきの差額を貼り足すのに使われる)
ずいぶん種類は減ったもんだなと思うけど、困ることは少ない。
ただ、ピッタリ貼れなくなった途端、端数調整に苦労することも多い印象である。