新組織の支社の意味が違う

10月になって組織変更という会社も多いだろうけど、これは規模が大きい話。

JR岡山支社 大幅縮小へ引っ越し 10月から所属社員20人に (山陽新聞)

JR西日本では組織変更で従来の支社をとりまとめる近畿統括本部・中国統括本部を設ける。

(近畿統括本部はすでに存在しているが、業務範囲が変わる)

これにより、従来の支社の多くは「地域共生、部門間連携、異常時への即応」といった業務のみを担うことになる。

それ以外の支社の機能は統括本部に集約される。

この結果、岡山支社の場合は約190人から約20人という大きな規模縮小になる。

ここには組織のスリム化により経費を削減するという意図もあるんだろうけど、

車両・乗務員が動き回るという鉄道の特徴もあったのではないかと思う。


そもそもJR各社の支社などの組織は、歴史をたどれば国鉄の鉄道管理局に行き着くことが多い。

JR西日本管内では、金沢・大阪・天王寺・福知山・岡山・米子・広島 とあった。

この鉄道管理局の区分というのは鉄道ネットワークを重視して、行政界と合わないところが多かった。

これがJR各社への移管前後で、行政界を意識した区分に変わっていったが、

金沢・福知山・岡山・米子・広島の各支社は各鉄道管理局を概ね継承している。

大阪・京都・神戸・和歌山の各支社はそう単純ではないのだが、

大阪支社は天王寺鉄道管理局のビルを継承していて、業務もかなり継承している。

大阪鉄道管理局の敷地はヨドバシカメラ梅田になり、組織も建物も解体されてしまったけど。


そんな感じで国鉄時代に比べると、地域密着型の組織に移り変わっていったが、

幹線では車両や乗務員が広域を動き回るから、地域別に細切れにすると不都合な面もある。

これが顕著なのが新幹線で、かつては新幹線の各組織もその地域の支社に属していたが、

JR西日本では2007年から山陽新幹線の組織を一元化している。

それが新幹線鉄道事業本部(10月からは山陽新幹線統括本部)である。

ローカル線では駅業務・車両基地・保線業務・乗務員基地を一体にして、機動性を高めた鉄道部なんて組織を置いている。

これはこれで効果はあったようだが、各部門が小所帯になるのは課題かも知れない。


そこで行き着いたのが10月からの組織体制なのかもしれない。

近畿圏では大阪・京都・神戸の各支社を束ねる近畿統括本部を置いて、

車両基地や保線関係などは統括本部の管轄にするようにしていた。

車両基地の組織も集約され、吹田総合車両所と網干総合車両所の2つにあらかたまとめられたという。

車庫自体はそのままで、各車両所の支所・派出所という位置づけになったということですが。

その目的というのは技術伝承・人材育成と書いてあったが、この体制に手応えがあったのか、駅業務・乗務員区なども統括本部に集約するようになり、

近畿統括本部では和歌山支社・福知山支社のエリアも集約対象に、

中国地方の3支社でも中国統括本部を設けて集約することになったということである。


一方で支社という組織はほとんどそのまま残るが、規模は大きく縮小される。

この支社の目的の1つが「地域共生」と書いてあるが、沿線自治体の対応業務だね。

先の山陽新聞の記事にはこう書かれている。

岡山支社は今後、利用が低迷しているローカル線の存廃を含めた在り方の検討や地元自治体との折衝、観光振興に専念し、管轄エリアも岡山県と広島県東部などから岡山県内のみとなる。

運行に関わる業務を担わなくなるので、その担当範囲は行政区分に合わせるようになると。

そのことを意識してか支社名も大阪支社→阪奈支社、京都支社→京滋支社、米子支社→山陰支社などなっている。

ともあれ、こういう業務は統括本部で取り扱うにはそぐわないということか。


もう1つの業務が「部門間連携」「異常時への即応」なんてあるが、

各支社は大きく縮小されるが、一方で統括本部の管轄下の組織は各地に分散しておかれるので、

それを地域別に束ねる役割を支社に持たせているということではないか。

さっき岡山支社が約190人から約20人に大きく縮小されるとは書いたが、

実際には統括本部の組織に所属して、従来の支社のビルで勤務する人もいる。

駅・車両基地・乗務員区・保線関係の事務所に勤める人は変わらないのだし。


ところでこれらの体制変更の影響を受けていない支社が1つある。

それが金沢支社である。ここは地域内の全ての組織を統轄し、その中には北陸新幹線関係の業務もある。

北陸エリアだけでもひとまとまりという事情もあるんだろうし、

さらに言うと北陸新幹線の金沢~敦賀が開通すると、北陸本線の業務がごっそり抜けることになる。

そのときにはまた組織変更もあるかもしれないが、今のところはこれでOKとしたのか。


そんなわけで国鉄時代の鉄道管理局をなんやかんやと継承した組織体制だったのが大きく変わることとなる。

特に福知山支社は新体制では地域共生に関する業務が抜けたこともあってか、福知山管理部という名前になる。

(おそらく行政界に応じて、京滋支社・兵庫支社で対応するからだろう)

他の支社はその意義は変わっても支社という名前には違いないが、ここは違いますから。

とはいえ、わざわざ管理部なんて組織をおくほどには福知山在勤の人は多いということなんだろうけど。


ところで、JR西日本にはここに書かれていない支社がもう1つある。

それが山口支社である。2019年に新設された新しい組織である。

支社とはいうものの、広島支社の下部組織なので、無視されていたとみられる。

その業務内容は地域対応とか部門間のとりまとめといったところらしく、

まさに新体制の支社に近いが、10月以降も存続しているのか?


どこの会社も技術伝承というのは大きな課題ではあって、

そんな中で人員配置を見直すのは避けられない流れだったとみられる。

どうしてもJR西日本の経営難と結びつけて見られてしまうのかもしれないけど、

こういう体制変更は遅かれ早かれという感じはしましたね。

ローカル線の組織を一体化した鉄道部の解体もさらに進むのではないか。

というかもうすでにかなり解体が進んでるんですよね。

気づけば亀山鉄道部(関西本線非電化区間を管轄)もなくなってたし。