JR西日本が利用者の少ない路線について情報公開をしたが、
そういう路線の数が多いが、これまであまり話題にしていなかったJR東日本が収支データを公表したが、これが散々たる結果である。
ご利用の少ない線区の経営情報を開示します(pdf) (JR東日本)
対象は輸送密度2000人/日を切る区間で66区間ある。
営業費用を収入で割った営業係数で一番悪いのが久留里線の久留里~上総亀山で17074(収入100円に対して17074円の費用がかかっている)である。
そもそも久留里線は木更津~久留里~上総亀山の路線で、メインは木更津~久留里の区間である。
この末端部だけ切り取って、収入に対して費用がかかりすぎというのは見方としてどうかと思う。
ただ、この約10km間で費用が2.7億円というのは高い気がする。
そもそも木更津~久留里だけ切り取っても営業係数1367(費用8.7億円、収入6300万円)もなかなかである。
大企業にとって重要なのは赤字の絶対額の方とも言える。
その観点でもっとも頭が痛いのは日本海縦貫線を構成する路線ではないかと。
日本海縦貫線は貨物列車で使われる言い方で、関西~青森を結ぶルートである。
あるいは青函トンネル経由で北海道に至るルートを含めることもある。
かつては旅客列車でも日本海や(臨時列車だけど)トワイライトエクスプレスといった寝台特急が走破していた。
現在は新幹線を中心としたネットワークになる中で、長距離走破する列車はなくなっている。
東日本管内では上越新幹線の接続路線としての新潟~酒田~秋田(いなほ号)と、東北新幹線の接続路線としての 青森~新青森~弘前~秋田(つがる号)に分けられている。
というわけで全体的には特急運行区間が多いのだが、
必ずしもそれに見合った利用があるわけでもなく、貨物列車が多く運行される主要幹線とあっては費用もかさむので、
- 羽越本線(新津~新発田・村上~鶴岡・酒田~羽後本荘) 費用92.5億円 収入4.3億円 赤字88.2億円
- 奥羽本線(東能代~弘前) 費用54.7億円 収入2.6億円 赤字57.4億円
- 津軽線(青森~中小国:旧津軽海峡線区間) 費用22.1億円 収入0.7億円 赤字21.4億円
というわけで日本海縦貫線の赤字が公表分だけで167億円に達するわけである。
非公表区間も大赤字は間違えないと思う。
信越本線も直江津~長岡は4000人/日を切り、鶴岡~酒田・羽後本荘~秋田は当時かろうじで2000人/日を超えていたから公表を逃れただけである。
むしろ中途半端に利用者がいると一定の本数を保つための費用がかさむ。
ただ、これはJR貨物がこの線路にほぼフリーライドしている影響はあると思う。
これはJR貨物設立時に旅客各社への線路使用料の支払いを、貨物列車が走ることで追加的にかかる費用ということでかなり限定的な額にしている。
新幹線開業に合わせて在来線を移管することが行われることが多いが、
移管先では設備の維持費を一定の基準で貨物列車と旅客列車で按分している。
これによればJR貨物が支払う線路使用料は移管前に比べて大幅に増えるのだが、
その差額は新幹線の線路使用料で補填している。
それでさえ見合わないという話が、北海道新幹線が開通する予定の函館~長万部(特に新函館北斗~長万部)で言われているわけですが。
このため日本海縦貫線の赤字は本質的にJR東日本の事業に伴う赤字と言えない面もある。
特に羽越本線の新津~新発田というのは、新潟を中心とした通勤電車・特急列車のネットワークから外れている。
この区間は電化されているが、運行の効率化のためディーゼルカーが走っている。
では電化設備を使う列車はないのか? それこそ貨物列車である。
だからこの区間の赤字はほぼほぼ貨物由来ではないかと思う。
まず廃止は考えられない区間だし、ダウンサイジングも難しい。
他にも難しい路線はあるけど、やはり一番はここでしょうね。
それでも従来はJR東日本は大きな黒字を出せてたのだけどね。