やっとこさという話ですが。
外国人観光客の受け入れ 来月10日から再開へ 岸田首相が表明 (NHK)
3月からビジネス・留学目的での入国が拡大され、
さほど大きな問題もなく推移していることや、日本国内や諸外国の状況もある程度落ち着いた状態が続いているということで、やっとこさ観光客もという話になった。
あと、そういうことをするには、下記の方針転換もある。
来月1日から1日の入国者総数を2万人に引き上げるとともに、入国時の検査実績で陽性率が低い国については入国時検査を行わずに入国を認めることにする
この「検査実績で陽性率が低い国」というのはどういうところかという話である。
▽最も低いグループの国などからの入国者は3回目のワクチン接種をしていなくても入国時の検査や自宅などでの待機措置を免除するとしています。
これまでの政府の試算ではアメリカやイギリスなど100か国程度が対象になると見込まれています。
▽2番目のグループは3回目のワクチン接種をしていることを条件に検査などを免除するとしていて、エジプトやベトナムなど90か国余りが対象となる見通しです。
▽最も陽性率が高いグループは数か国程度になりそうだということで、検査などは継続するとしています。
え? アメリカももっとも緩いグループ含まれるんですか。
とはいえ、陰性証明を取得して渡航する人に検査をしても十分低いのはそうなんだろう。
当地での蔓延度もあるだろうけど、それ以上に検査の信頼性が問題なのだろう。
韓国・シンガポールや台湾といった地域は蔓延度が低く、感染対策も徹底されている。
そういうところからの入国者を検査したり自宅待機させるのはアホらしいなとは思っていた。
それが受入人数の制約にもつながっていたのだから、緩和は必須でもある。
ただ、どの程度まで対象にできるか? という線引きは意外と難しい。
これまでの実績による陽性率をベースに引いているが、ただ今後、当該国からの入国者には原則検査をしないとなると、今後陽性率の数字が更新されることはない。
となると、今後の状況の変化に的確に対応できるかは問題である。
観光客の入国が増えるとなると、懸念は観光客の感染対策についての取り組みかなぁ。
今はビジネス・留学というのは受入機関の責任で感染対策を徹底させることができる。
出発地によっては、普段やっているのと同じようにやってくれればよいと言えるけど、
アメリカやヨーロッパ諸国ではだいぶ対策がいい加減な話を聞くところである。
マスク着用の励行、食事時の大声での会話を避けるといった対策を怠ると、それにより被害を受けるのは主に周りの人々である。
おそらく国もそこは心配しているのだろうと見えていて、当面は添乗員付きのツアーに限るとのこと。
ただ、ゆくゆくは自由旅行もという話はあるだろうから、どうかなぁと。
どうしてこういう心配をするかというと、沖縄県の状況を見てかなぁ。
そもそも昨年、ロードマップに従って入国時の規制緩和を進めるところが、
オミクロン株の流行により、日本国内への流入ペースを抑える対策に出た。
復元するのに3月ぐらいまでかかり、そこからさらに緩和に進むのが来月という状況。
で、このオミクロン株の流入を抑える対策はそれなりに効果はあったのだが、
それを破ったのはおそらくはアメリカ軍関係者の仕業である。
渡航時の検査がろくに行われていなかったことも問題だが、それ以上に不十分な感染対策により、基地内外でばらまいたことが大きいんじゃないか。
というわけで、入国者の感染対策というのは心配だなぁと。
もう1つ、沖縄県を見て学ぶべきことは、ワクチン接種が進んでも新型コロナウイルスはそれなりに怖いということである。
連休を挟んで感染拡大があるのでは? と心配されたが、全国的に見れば感染者数は微減傾向が続いている。
これは平素からの感染対策によるところが大きく、これはよくやってるんじゃないか。
ただ、特異的なのが沖縄県で感染者数が多い状況が続いている。
沖縄県は医療体制も脆弱ですから、医療機関の受入制限なんてことも起きている。
沖縄県の特異性について、明確な原因はわからないけど、アメリカ軍関係者の存在や、世帯構成など、他府県と異なる特徴がある可能性はある。
なかなかこういう状況で感染対策を緩めるという選択は取れないわけですよね。
状況が変わるとすれば12歳以下のワクチン接種の進展ですが、
接種する意志はあっても夏休みまで待たないと難しいのかなと。
それもどこまで普及するのかなというのはある。
それが画期的なほどの効果を生むのか? というのもある。
ということで観光客が感染対策に取り組んでくれることに期待したい。
それさえきちんと出来れば大きな問題はないと思うんですよね。
ただ、それは難しいんではないかというのは、どうにもぬぐえないところがある。
添乗員付きのツアーだと、そこはきちんと指導されるとは思うんだがね。
ところでこの逆に日本から外国に行く観光客もいるが、課題は外国で新型コロナウイルスを拾わないで済むかということである。
これは業務旅行でもそうですよね。
勤務先で海外出張は可能だが要否は慎重に検討するようにという話があった。
1つは費用の問題だが、もう1つは帰国時に陰性証明が取れないと滞在期間が延びてしまうリスクがあるということ。
旅行先というのもそういうことを意識して選択せざるを得ないと思う。
実のところ、外国からの旅行客が日本を選んでくれるのかというところも問題である。
日本への観光客の出発地として大きかったのが、中国大陸・韓国・台湾・香港といったところ。
しかし、この中で韓国以外は当地の規制の問題で観光目的での出国は難しい。
一方で、追い風となる要素として、円安というのがある。
これがどれぐらい期待できるかですけどね。
当面は添乗員付きのツアーで厳しい感染対策が求められるのもありますし。