最近は連日出社して評価をやっている。
複数人で分担しているのだけど、そのうち1人が測定器やツールの操作に慣れていないのでいろいろサポートしていた。
2年前に来た新人だけど、あんまりこういうことをやってなかったみたい。
いろいろなタイプの仕事があるのはそうですがね。
というわけで測定器を操作して、評価対象の機器からデータを吸い出す、
このデータの吸い出し部分のサポートをしていたのだが「なんか数字がおかしくない?」と。
あまりに不可解な動きをするので、ハンディのデジタルマルチメーターを持ってきて測っていたら、測定器の出力がおかしいことに気づいた。
0.00V出力とセットしているのに、0.9Vぐらいの出力が出てしまっている。
いろいろ切り離して確認した結果、測定器そのものの出力がおかしいことが判明。
これは故障か? となって代わりの測定器を用意して、それに交換して評価をすると、
だいたい期待通りの数字が出てきて、これなら評価できるねと。
おかしいことに自分で気づいてくれればよかったのだが、そういう勘も働かなかったと。
もうだいぶ古い測定器で故障していたらそれは仕方ないけど、
ボロいのに使われ続けていたのは同種の測定器が慢性的に不足していて……
というわけで、ダメなら捨てるしかないが捨てるには惜しいな。
なんて思いながら、説明書を確認して設定の初期化を実施してみた。
そうすると指定した値が出力されるようになった。
どうも何らかの設定によって設定値と異なる出力が出るようになっていたらしい。
しかし、それがどのような設定かは全く見当が付かないのだが。
これは故障じゃないねととりあえず定位置に戻したのだが。
代わりに確保した測定器と見比べて思ったけど、
交換前の測定器は表示器が数字5桁ぐらいしか表示できない。
それに対して交換後の測定器はドットマトリックスの蛍光表示管(これも一昔前の表示器だが)で、表示できる情報量が多い。
例えば、画面には出力設定値とともに、リミッタの設定値・動作状況も表示されるようになっている。
このため、想定と違う動きをしても、何が起きたか判別しやすくなっている。
最近の測定器は液晶ディスプレイが付いたものも多いですよね。
しかもカラー表示のものも多い。
こんな測定器に液晶ディスプレイが付くのかと思ったこともあったけど。
表示の自由度が高いわりに低コストということは理由として大きいんだろうけど、
何を設定しているか、何を表示しているかということに悩むことは少なくなり、
説明書いらずは言いすぎにしても、だいぶ操作も直感的になった。
それにしても問題の測定器はだいぶ古いよなと改めて思った。
メーカーのWebサイトから説明書のPDFをダウンロードしてきたら、まずスキャンしただけのPDFだから文字起こしされていないので検索ができない。
あと、RS232CとかGPIBで制御できるようになっているけど、
その操作方法の例示がひたすらBASICというのも時代を感じる。
そんな機器をよく使い続けてるなというのはもっともな指摘ですが。
前に、測定器の管理をしている人といろいろ話したんだけど、
計画的に測定器の買換は進めているが、性能が見合っていない測定器や、校正の維持が難しい測定器が優先されるわけである。
そんな中で今回問題となったタイプの測定器は、あまりこのあたりの問題が無く、
なおかつ、比較的高価で、同じ予算では他の測定器を優先したい事情は理解できる。
その一方で使用頻度の高い測定器なので、稼働率はかなり高い。
ゆえに新しく測定器を買っても、古いのを捨てるということもあまりやってこなかった。
なので他の種類の測定器と比べても格段にボロを引く確率が高い。
とはいえ、台数不足を古い測定器で補っているという状況はあまりいいとも思えない。
それでこの測定器の機能を部分的に代替出来るハンディタイプの測定器があって、
それならこれ1台分の値段で3~4台ぐらい買えたような気がするので、そういうのも考えてはどうか? という提案をしたんですけどね。
ただ、これを買えば古い測定器が捨てられるかというと、そうもいかないけど。
なにしろ一部の機能しか代替出来ないわけだし。
でも、古い測定器の稼働率はある程度は下がるでしょうし、能率は改善できるんじゃないか。