マンジャロとゼップバウンド

突如としてアセンブラを書かないといけない仕事が発生して、ガリガリ書いている。

アセンブラで所望の処理は作れたのだが、コードを見てもさっぱりわからないので、

後でフローチャートとか書かないといけないなとか考えていた。

数命令だけアセンブラで書くとか、そういう話じゃないんですよね。


最近はマンジャロの不適正使用がいろいろ問題となっている。

「マンジャロ」はGLP-1受容体作動薬という薬で糖尿病の治療薬である。

インスリンの効きが悪い、分泌が悪いことにより血糖値が上がるタイプの糖尿病(2型糖尿病)に適用される。

インスリンを分泌させるためのスイッチとしてGLP-1受容体というのがある。

これは小腸から分泌されるホルモンによって作動するわけだが、

GLP-1受容体を活性化することで、十分なインスリンが分泌できるようにすると。

インスリンそのものや、ホルモンそのものを投与する方法に比べて低血糖になりにくく、投与回数も週1回なので便利そうだ。


GLP-1受容体作動薬に共通する話なのだが、食欲を抑制する作用がある。

2型糖尿病の患者は肥満であることも多いので、血糖値のコントロールとともに、肥満の解消による糖尿病の改善も期待しているそう。

マンジャロはこの効果が他の同種の薬より高いそうである。

この効果が強いのがよいか、弱いのがよいかは患者により異なるので、

これがGLP-1受容体作動薬の使い分けの1つになっているそう。


元々のGLP-1受容体作動薬の目的は糖尿病の治療薬なのだが、

この薬は肥満症の治療にも使えますねという話がその前からあった。

低血糖になりにくいので、必ずしも糖尿病の治療でなくても使えると。

その1つが「ゼップバウンド」という薬なのだが、成分はまるっきりマンジャロと一緒らしい。

同じ成分の薬でも使い方が違えば、薬の形態が違うということはある。

でも、この2つの薬は投与量の考え方はほぼ同じで注射薬であることも同じである。


じゃあ、なんで違う薬として売られているのか?

理由の1つは価格の差である。ゼップバウンドの方がだいぶ高い。

同じ薬の値段が違うのは変な気がするが、いろいろ事情はあるそう。

マンジャロは糖尿病治療薬同士の横並びで決められた側面がある。

ゼップバウンドは肥満病治療薬同士の横並びで決めようとしたが、

原価から計算した方が安かったのでそちらが採用になったと。

原価には臨床試験などにかかる費用やそれをわり算する患者数などの要素もあるのでしょうけど。


さて、冒頭の話に戻るわけだが、マンジャロの乱用というのは、

本来、糖尿病の治療の必要ない人の体重を減らす目的で使うことである。

一方で、ゼップバウンドは用法用量の範囲では肥満症の治療に使うことができる。

「ダイエット目的でマンジャロを使う」のはそれだけで不適正とわかるが、

「ダイエット目的でゼップバウンドを使う」だとそれだけでは不適正かはわからない。

でも、後者は全然聞かないわけである。なんでだろうね。


主な理由は2つあるそうで、1つは価格、もう1つは入手性である。

価格はさっき見ての通り、同じ薬なのに効能の違いで値段が違う。

もう1つの入手性なのだが、どうもゼップバウンドは「最適使用推進ガイドライン」というものがあるそう。

これは薬を使用する上での条件を細かく書いたガイドラインなのだが、主な目的はこうである。

また昨今、革新的かつ非常に高額な医薬品が登場しているが、こうした医薬品に対して、国民負担や医療保険財政に与える影響が懸念されており、「経済財政運営と改革の基本方針 2016」においても、革新的医薬品の使用の最適化推進を図ることとされている。

真に患者が必要としている薬は高額でも健康保険制度の下で少ない負担で利用できる必要がある。

でも、他の治療法が適するとか、効果が期待できない患者に使っては金の無駄だということである。

当然、健康被害を防ぐことなども目的にはあるだろうが、主目的はこれである。

ガイドラインは最新の知見により適宜見直されているようである。

このガイドラインにより処方できる医療機関が限られているということらしい。


当たり前だが、薬を投与してまで解消する肥満というのは相当なものである。

肥満により各種の生活習慣病(糖尿病を含む)が生じているようなケースで、

食事療法・運動療法で十分な効果が得られないものに限られる。

ゼップバウンドの効能には対象となるBMIや症状が書かれており、

さらに食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合と、治療の優先順位も定められている。

(食事療法・運動療法が優先することはマンジャロにも記載されている)

これをより明確化しているのが最適使用推進ガイドラインである。


マンジャロの不適正使用には、糖尿病のために処方されたものの横流しもあるが、

自由診療として堂々ダイエット目的で処方されているものもある。

保険診療では用法用量を守って処方しなければならないが、自由診療なら問題ない?

いや、医師・薬剤師が堂々そういうことをやるのは論外では?

ゼップバウンドがあるので肥満に効果があることは立証できているとは言えるが、

それはゼップバウンドの処方でやるというルールなわけですよね。


マンジャロによる健康被害がどれぐらい深刻なのかはわからない部分はあるが、

これは一部の薬で行われている医師・薬局・患者の登録制も必要なのかもしれない。

コンサータは歴史を繰り返している?

覚醒剤に近い性質のあるリタリン、コンサータ、ビバンセもそうだし、

重篤な副作用の懸念があり、患者への指導が必要などの理由で実施されているものもある。

やるならマンジャロとゼップバウンドの両方なんだろうなとか思いますが。

他のGLP-1受容体作動薬にも共通する課題としてやる必要もあるのかもしれない。

そんな話を言い出すと、糖尿病の治療に真っ当に使っている患者が少なからず困るんだけど。


果たしてそうなるのかわからないけど、医師・薬剤師が不適正使用に積極的に関与している状況では、

医師・薬剤師が適正な治療ができるか問わざるを得ないでしょう。

それを実現する手段は登録制しかないと思いますけどね。

そうしない限り収束しそうにはないですが、どうでしょうか?

S&P500の1/3はM7

以前、TOPIXは構成する銘柄数の多い株価指数であるという話を書いた。

TOPIXの銘柄数は多すぎるという話は確かにあるようで、

例えば、アメリカのS&P500のような500社ぐらいで構成するとよいのではという話もあるよう。

(TOPIXは何を目指しているか)

現在のTOPIXには流動性が悪い銘柄もあり、見直しが予定されている。

ただ、TOPIXに連動する投資信託を買えば、日本の上場企業にバランス良く投資できるという特徴は今後も変わらないとされている。


ところでここで引き合いに出したS&P500なのだが、

果たしてアメリカ企業への分散投資といえるのか? という話が出ていた。

S&P500が静かに変質──個人投資家のインデックス投資が抱える「7社への集中リスク」 (Forbis)

S&P500のうち、マグニフィセント・セブン(M7)の7社が占める割合が30%ほどあるそうである。

M7とはApple, Microsoft, Alphabet, Amazon, NVIDIA, Meta Platform, Tesla の7社である。

Tesla以外はいずれも情報通信分野の企業ですかね。

Amazonも小売業に分類されうるが、実際は情報通信でしょう。

少数の企業でS&P500全体の1/3ほどを占めるばかりか、その分野も偏っているのが問題である。


こういう問題は時価総額で重み付けする株価指数ではどこでも起きうる話だが、

幸いにしてかTOPIXではそのようなことは起きていない。

TOPIX ファクトシート (pdf) (日本取引所グループ)

最もウエイトが重いのは三菱UFJフィナンシャルグループの4.0%で、

それにトヨタ自動車の2.7%などが続く形で、上位10社で23%ほどである。

業種は電気機器が20%強、銀行が12%ほどというところが多めだが、

ソニーは登録上は電気機器だが、実際にはエンターテイメントで稼いでいたり、

電気機器という業種もかなり幅が広いので一概には言えないところはある。


ちなみにS&P500はアメリカの上場企業の時価総額の8割程度をカバーする指標だそうで、

日本のTOPIXほどのカバー率はないことは確かである。

よりカバー率の高い株価指数もあるようだが、S&P500ほど有名ではない。

結局のところ、同じような値動きになってしまうのも理由の1つのようだ。


しかし、この分野の偏りはアメリカのお国柄とみるべきかもしれませんね。

それは必ずしもアメリカの産業が情報通信に偏っているという話ではなく、

株式市場で高い評価を受ける業種が偏っているということである。

その中でも中心的で勢いのある企業がM7ということなのだろう。

ただ、怖いのはこれらの企業が共倒れする可能性があること。

そういうリスクに備えるにはS&P500では不十分ですねと。


果たして何が良いのかというのは人により違うでしょうけど。

S&P500が偏っているという話は聞いていたけど、想像以上だったかな。

うるう秒をやめる理由

以前、バイクで小金井市内を走っていると、建物の上部にデカデカと時刻が表示されている建物があって、

その前に表札で気づいたのだけど、ここが情報通信研究機構(NICT)である。

NICTは日本標準時を作っていることで有名な研究所で、そのアピールで標準時を表示していると。

だからどうしたという話なのだが、時々ここに大勢の人が集まることがある。

2017年1月1日 うるう秒の挿入 (YouTube)

うるう秒が挿入されると 8:59:60 という通常は存在しない時刻表示が発生する。

厳密な標準時を提供する研究所では、これが表示されるのである。


そんな小金井の名物? なのだが、2017年が最後になりそうである。

「うるう秒」27年に事実上廃止へ 自転とのずれ「1時間」まで容認 10月に国際会議で採決 (ITmedia)

そもそもうるう秒というのは地球の自転と1日の長さのずれを調整するものである。

1日=86400秒は原子時計でズレないが、地球の自転はわずかながら変動がある。

うるう秒を行わないと、日の出・日の入りの時刻がだんだんズレていく。

調整しないまま長い年月が経つと、日の出が午後になり、日の入りが午前になるかもしれないと脅される。


ただ、実は最近は地球の自転と1日の長さはとても近い。

現在の世界協定時(UTC)の運用が始まった1972年は1日より自転が遅く、

毎年のようにうるう秒を挿入して自転に合わせていた。

近年は自転が早くなり、2017年からうるう秒がいらない状態が10年近く続いている。

ところがこの自転が早いというところが心配事のようである。

中でも懸念されているのが、UTCから1秒を差し引く「負のうるう秒」だ。これまで実施例はなく、BIPMの決議案によると、地球の自転に関する専門家らは、35年までに必要となる確率を約30%と推定しているという。BIPMは、実施すれば対応が不十分な重要インフラで障害や混乱を招く恐れがあるとしている。

そもそも、うるう秒はコンピュータシステムにとって問題が多い。

それでも うるう秒の挿入であればこれまでの実績からできるだろうと。

でも、うるう秒の削除(UTCの23:59:59を飛ばして0:00:00にする)はこれまで経験がなく、

果たしてそれを無事に出来るのかという点に心配があると。

今後の地球の自転がどうなるかというのは予測は出来ないため、

地球の自転が早い状態が続き、0.9秒以上の差が蓄積されるかはわからない。

でも、うるう秒の削除もありうるとなって議論が活発化したようである。


60秒差まで許容するという案も言われていたが、最終的には3600秒差まで許容するという結論になったようである。

神戸では春分・秋分付近では朝6時頃に日の出・午後6時頃に日の入りになるけど(厳密には一致しないが)、

札幌では25分ほど早いし、那覇なら30分ほど遅い。

一般的にはタイムゾーンは1時間間隔で切られて、最も近いものを選ぶことが通常である。

さらに言えば一部地域ではサマータイムで1時間ずれたタイムゾーンを使うこともある。

なので1時間差までなら許容できると考えたそうだ。


もっとも1時間差が積みなさなるまでには数千年とかかる。

1時間差を許容するということは、今後はUTCを地球の自転に合わせないということにほぼ等しい。

数千年先にUTCが運用されているかどうかのほうが疑わしいわけだし。

1時間ずれを調整するために通常存在しない1時間挿入したり削除するのは現実的ではなく、

実際に1時間調整するとすればUTCとの時差を調整することになるのだろう。

現在、日本はUTC+9のタイムゾーンだが、それをUTC+8とかUTC+10にするということである。

コンピュータ上ではUTCで時刻を管理していることが多いため、その点では混乱は引き起こしにくい。


実際のところ、うるう秒に対して愚直に対応すると問題が多いので、

UTCの23:59:60を挿入する代わりに、直前2時間の1秒の長さを(7201/7200)倍に伸ばすことで対応するとか、

1秒ずれは後で時刻合わせで吸収するとかいう対応も多いよう。

元々、コンピュータの時間合わせはわずかな時間差であれば、

1秒の長さをわずかに伸び縮みさせて少しずつ吸収する方法が広く使われている。

この方法を事前にやるか、事後にやるかの違いである。

ただ、いずれの方法でも1秒単位の厳密な時刻からの乖離がしばらく生じる。

世界中で揃っているはずのUTCがシステムごとにずれると問題を引き起こしかねないと。


正直、コンピュータの都合だけで決めるのもどうかと思うんだけどね。

ただ、うるう秒を真面目に実施するのは困難なのもその通りで、

そのための代替手段が様々あるのが問題の1つでもある。

統一的な代替手段があれば、あまり不安はなかったのかもしれない。

でも、それを考えるよりは うるう秒 をやらない方が簡単と考えたわけですよね。

少なく見積もっても100年ぐらいは問題は顕在化しないだろうからね。

特定加熱食肉製品とは

昨日、買い物に行ったらローストビーフが半額で売られていて買った。

定価だとなかなか高いのだが、それが半額ならお得ではあるが、

といってもけっこうするんですけどね。

たまにはこういうのもいいかなと、少しずつ切って食べている。

今朝はサンドイッチにして食べていた。おいしかった。


このローストビーフの袋には「特定加熱食肉製品」という記載があった。

「水分活性」という見慣れない表示があったり、あまりみない表記である。

そういえば水分活性といえば生ハムにも表示されていると聞いたけど、

果たしてこれは何なのだろうか?


加工肉の多くは「加熱食肉製品」に該当する。

一般に販売されているソーセージでは製造工程の中にボイルがある。

ボイルで加熱される中で殺菌され、ボイル後は衛生的に包装され、

なのでこれらの肉製品はそのままでも安全に食べることができる。

実際には炒めたりボイルしたり再度加熱することも多いですけどね。

なお加熱食肉製品は「加熱後包装」と「包装後加熱」を記載するルールがあり、

大概は加熱後包装だが、パウチ入りのハンバーグなど包装後加熱というものもある。


加熱食肉製品の加熱は 63℃以上30分 または 120℃以上4分 と定められている。

ただ、そんなに長時間加熱したくない肉製品というのもある。

それがローストビーフだったわけですね。

ローストビーフの安全性を担保する上で重要なのが肉塊を使うことである。

表面は菌に汚染されやすいが、内部にある菌は限られるためである。

その上で加熱するが、ローストビーフでは中心部を短時間でも63℃以上にする条件で製造されているそう。

この結果として、検出される菌の数が一定以下である必要がある。

中心部は生っぽい状態だが、そこで殺菌するべき菌は殺菌できているので問題ないというわけである。


これ以外の方式として「非加熱食肉製品」「乾燥食肉製品」がある。

これらは菌を殺菌するというより、増殖しないようにする対策である。

非加熱食肉製品では塩漬けや乾燥の方法が細かく定められている。

最終的に一定以下の水分活性にすることが求められている。

生ハムや生サラミなどに適用される方法である。

乾燥食肉製品は乾燥で菌を増殖しないようにするというもので、

ビーフジャーキーやドライサラミなどに適用される。

乾燥食肉製品は保存温度の条件がないのも特徴ですね。


どうして水分活性の表示があったのかというと、それにより保存条件が変わるんですね。

あと非加熱食肉製品ではpHも保存条件を決めるために必要である。

そのあたりの根拠がわかるように記載することが求められているそうである。

一般的な加熱食肉製品は材料の自由度が高い。

一方で加熱はしっかりしなければならないので、加熱が適さないものはこの方法では商品化できない。

特定加熱食肉製品では肉塊を使うという制約を加えて、加熱の条件を緩和できる。

ほぼローストビーフしか使い道はないけど。

乾燥食肉製品は乾燥さえさせればいいが、当然パサパサである

非加熱食肉製品は塩漬けと乾燥の制約がかなり厳しい。

その代わり、加熱しないことによる独特な風味は得られるわけだが。


そんなわけでローストビーフは特別だったって話ですね。

それも塊で買うなんてそうそうないでしょうしね。

コレクションを展示しない大阪中之島美術館

朝のニュースで「フェルメール代表作『真珠の耳飾りの少女』14年ぶり来日公開へ」というのがあって、

どうも所蔵しているマウリッツハイス美術館が1ヶ月ほど休館になるうちだけ貸してくれたみたいで、

大阪中之島美術館で1ヶ月ほど展示されると言うことだそう。


大盛況、というか1点の作品を前で見たい人でこんなに混んでるんかと。

それで驚いたのはこの展覧会、なんと12点の作品しか展示されていないのである。

うち、フェルメール作の作品が2点、これが目玉なのはわかるのですが。

すべてマウリッツハイス美術館から借りた作品なのはわかりやすいけど。


それで思い出したのだけど、多くの博物館では特別展のチケットを持っていると、そのまま平常展も見られることが多い。

ところが大阪中之島美術館にはそれは当てはまらない。なぜならば平常展がないからである。

大阪中之島美術館は4階・5階で別々の展覧会が開催できる。

いろいろなテーマを扱える点ではよいが、必ずしもコレクションを活用できているとは言えない。


もちろん美術館の注力分野に沿った展覧会であれば、館蔵品も多く展示することになり、

例えば昨年12月~今年3月の「拡大するシュルレアリスム」はデザインという点で注力分野である。

あるいは昨年9月~11月の「小出楢重 新しき油絵」では、

それに引き続き「異邦人のパリ」というコレクション特集展示が組まれている。(単独では観覧できない)

同時代の西洋画はコレクションにもいろいろあるので一緒に見て欲しいと。

ただ、そういう展覧会が常に行われているわけではない。

特に今はもう1つの展覧会が「スイス絵画の異才 カール・ヴァルザー」である。


じゃあコレクションは何も活用できていないのかというとそうでもなくて、

それがお隣の国立国際美術館である。

いずれも現代美術をテーマとしていることもあり、お互いのコレクションを融通する仕組みがある。

コレクション展の中には「大阪中之島美術館蔵」となっている作品がある。

隣り合わせで同じ注力分野の美術館が並ぶとそういうこともできる……

というのは変だし、他の分野のコレクションでは使えない手である。


お目当ての作品があって博物館に行くのもよいことだけど、

いろいろな作品を横並びで見られるのもよいことではないかと思う。

オランダの西洋画を見たら、大阪に伝来した西洋画も見るかとか、

そういうことができると視野が広がるのではないかと思う。

そういうことをできるようにしている一例が奈良国立博物館で、

正倉院展など新館を全て使っても、仏像館(本館)の彫刻コレクションは見られるようにしている。

実際、正倉院展の後に訪れる人も多く、平時よりだいぶ人が多い。

まぁ仏像館はこの9月から改修のために長期休館になるんですけどね。

(それでも青銅器館の無料公開の中で仏像の展示は行われるそうだが)


混雑も含めていろいろ考えた結果がわずか12点の展覧会なんだろうけどね。

美術館の注力分野とも必ずしも一致しないわけで、無理に付け足しても蛇足ではあり、

そこで思い出すのが、なぜか東京国立博物館で行われた「マルセル・デュシャンと日本美術」ですよね。

この特別展はちょっと損な気はする

フィラデルフィア美術館との博物館同士の付き合いにより開催されたが、

東博の注力分野とはまるで違うところに、東博の所蔵品をこじつけのように並べていて、

せっかくここでやるならという思いもあったんだろうが、ちょっと変だったよねと。


もっともこういう話は大阪中之島美術館がコレクションを持っているからこそ思うことであり、

東京の国立新美術館はコレクションを持っていないからそういうことを考える余地もない。

国立新美術館は英語名称が “The National Art Center, Tokyo” でMuseumと付いていない。

なぜかというと、元々は美術団体の公募展を行うための箱として考えられていたためである。

その傍ら、他の美術館から作品を借りて企画展をできるような体制も作られたので、

コレクションがない以外は他の国立美術館と同じような体制があるんですけどね。

展覧会情報の収集を中心とした研究活動も行われているわけだし。

それよりは大阪中之島美術館はコレクションを活用した展覧会をできる点ではよいし、

そういうチャンスは常に考えていることも確かである。

新しい大阪中部郵便局

昨日、ゆうパック・ゆうパケットの運賃変更について調べるため日本郵便のWebサイトを見てたら、こんなのを発見。

大阪中部郵便局(地域区分郵便局)の設置 (日本郵便)

最近流行の仕分け専門の郵便局で、松原市に新設された物流施設に入居する形である。

名前こそ「大阪中部」なのだが、奈良県・和歌山県の郵便・荷物の区分を中心に行い、

それとともに大阪府内の通常郵便物の区分も行うという形だそう。


昔から奈良中央郵便局の立地があまりよくないという話は言われていた。

奈良市が奈良県の北端に近い上、西名阪自動車道の郡山ICからも距離がある。

昔は鉄道輸送に便利なところに輸送の中心となる郵便局を置いてきたが、

各地で段階的に高速道路が便利な郵便局に移管されてきた。

ただ、奈良県はそうならないまま今日まで来ていた。

そんな中で松原に新設される郵便局に移管されるに至ったと。


確かに松原というのは奈良県にとってはいい立地である。

松原JCTは西名阪自動車道・阪和自動車道・近畿自動車道が交差する。

西名阪は言うまでもないが、阪和道に接続する南阪奈道路は橿原をはじめとする中南部の都市との往来に便利で、

近畿道・阪神高速東大阪線を経て第二阪奈道路を使えば、生駒や奈良との往来に使える。

このため県外各所に高速道路をフル活用して輸送できるメリットはある。

和歌山県にとっては単純に和歌山から遠くなっただけという感じはあるが、

そもそも和歌山県は県外との輸送はほとんどが大阪府経由なので、その点では無駄がない。

大阪府にとっては新大阪郵便局(此花区)との分業で対応することになり、

どういう輸送形態になるのかわからないが、仮に両局間での輸送がある場合、

阪神高速大和川線・湾岸線を使うとスムーズな移動が可能である。


もともと地域区分局といえば都道府県に1~数箇所という体制だったが、

最近は複数府県を担当するものや、複雑な分業を行うものが増えている。

  • 岩手郵便局(北上市・2017年開局)が岩手県・秋田県を担当
  • 京都郵便局(城陽市・2018年開局)が京都府・滋賀県を担当
  • 岡山郵便局(総社市・2017年開局)が岡山県と広島県東部を担当
  • 愛知郵便局(名古屋市中村区・2025年開局)が愛知県の東三河以外と岐阜県の普通郵便・ゆうメールを担当
    • ゆうパックや特殊扱いの郵便は従来通り名古屋神宮郵便局と岐阜中央郵便局で対応

このほかにもゆうパックだけ特殊な体制で対応している地域はいろいろあるよう。

ちなみに佐賀県は久留米東郵便局の担当だが、これは昔からだそう。

久留米東郵便局がトラック輸送のために作られた郵便局という背景もある。


今回の大阪中部郵便局は隣接府県の業務を集約する点では前3つの例に似ているが、

普通郵便・ゆうメールだけ別分けして対応するという点では愛知郵便局の例に似ている。

他にも似ている点はあって、それは他社所有の物流施設に入居しているという点である。

新設される大規模郵便局は郵便局とはいうが窓口もなく倉庫同然の施設だが、

建物自体が郵便局ならば〒マークが付いていて遠目にも郵便局とわかる。

ところが愛知郵便局は建物自体は他社所有で、おそらく〒マークもないはず。

ここは愛知郵便局という名前がつく以前から、名古屋神宮郵便局中村分室という拠点だったが、

このような分室という名目で他社施設内で業務を行っている例は各地であるよう。


背景の1つには郵便物の物量が減ってることはあるんでしょうけどね。

一方で郵便とサイズ面で似ている小型荷物は伸ばしていきたい分野である。

既存の大型郵便局ではサイズ的に入り切らない機器もあるのだろう。

名古屋神宮郵便局・新大阪郵便局は普通郵便などの移管後はゆうパックを中心に扱うことになるが、

ゆうパックもそれはそれで伸びている分野ですからね。


しかし、窓口がない郵便局というのも新しい概念だったけど、

地域の集配を担当しない郵便局であれば、窓口に行く理由はないのはそうだろう。

窓口がないのだから、他社所有の物流基地に入っていても関係ないのはそうだろうけど。

ただ、それはなかなか郵便局というイメージとは違うよなとは思う。

もっとも、郵便事業(株)の時代には支店って言ってたんですけどね。

窓口部門がなければ「郵便事業(株)名古屋神宮支店」のような名前しかなかったから郵便局とは呼ばなかった。

もっとも、あれはあれで郵便局と支店が併設されていることの複雑さもあったので、

合併後にすべての事業所を郵便局と呼ぶようになったのは妥当なんですけどね。

1日1回収集のゆうパケットポスト

近所のポストが1日2回収集から1回収集になった。

といっても、もう全国的にも1日1回収集のポストが多いんでしょうね。

ここには2つの側面があって、1つは郵便物が減っているというのもあるのだが、

もう1つは現在の郵便ネットワークは1日1回の輸送でも遅くならないように作られているということで、

普通郵便の配達日数が全国的に+1日された影響もあるかもしれない。

ただ、速達など含めても郵便の配達日数は維持されているようである。


従来、13時頃と16時頃の2回だったのが2回目だけ残るイメージで、

もともと1便目で回収されても、郵便局を出る段階なのか、その先の郵便局を出る段階なのか、

どこかで2便目と同じタイミングになってしまうのが大半だったのではないかと思う。

最近は集配する郵便局ではほとんどなにもせずに次の郵便局に送っているという。

そう、消印の押印場所も集約されたのである。


「郵便」は配達日数に影響しないのはその通りだろうなと思った。

が、ゆうパケットポストはどうだろう? と思った。

というのも、過去にゆうパケットポストのラベル貼りで郵便局で1日、あるいは2日留め置かれたことがあった。

ポスト投函した日には追跡情報が入らず、すなわちラベル貼りに至らず、

その翌日の遅い時間に追跡情報が入ったが、その日に出られなかったようで、さらに+1日かかったと。

最近はポストを1便目で回収されれば16時台には追跡情報が入り、

その日には郵便局を発送されているようなのだが……


そんな中、ラクマで公認代行業者がCDを買っていったので、ゆうパケットポストを発送することに。

夜に近所のポストに投函して、翌日夕方に回収されていったと。

それで追跡情報入るのはいつだ? と思ったら18時台だった。

うーん、これはその日中に郵便局を出られたか微妙な時間だな、

と思ったがちゃんと出たようで、今日には配達されていた。

というわけで一応問題なしということだが、トラックの出発ギリギリの時間の作業ではないかと思う。

こうなると最近は減っていた発送側の郵便局で留め置かれることも出てくるのかもしれない。


ポストから回収した郵便物を郵便局でどのように処理しているのか定かではない部分もあるが、

レターパックも回収した郵便局では追跡情報が入らず、仕分け時に入るようになっている。

クリックポストは最近は使ってないけど、これも同様だったよう。

一方でゆうパケットポストは回収した郵便局でラベル貼りまで行う必要があるようだ。

昔に比べるとここで遅れることは減ってきた印象はあるのだが、

それは作業に慣れてきたのもあるんだろうけど、新しい機器も導入されているようで、

従来はA5サイズの普通紙に印刷されたラベルを貼っていたが、

最近は感熱紙のラベルシールが貼られているのを受けとることがある。

一部の郵便局ではより効率的に作業できる手段が導入されているということのようだ。


そんなわけで「荷物」も理想的には配達日数には影響しないことがわかったが、

従来の経験から郵便局内の作業により遅れる可能性は増えたのかなと。

ゆうパケットポストは従来の匿名配送のゆうパケットと比べると、

到着した郵便局であて名変換のために遅れることはなくなった。

従来は1便目で回収されれば発送側で遅れることはほぼなかったので、

スマリボックスから送ってた頃より安定したなと思っていたが、今後はどうでしょうね?


そういえば郵便料金が変更になっても据え置かれていたゆうパケットですが、

ゆうパックの運賃改定合わせで今年10月から改定されるようで。

定価では厚さによらず360円、だから3cm厚の場合は据え置きである。

ただ、現在は1cm厚なら250円、2cm厚なら310円だから、そんなに安くは送れなくなる。

実際には個人だとクリックポストで発送することが多いだろうが、

それは185円から240円になる。同種の郵便よりはだいたい安いでしょうが。

ちなみにゆうメール運賃は昨年11月に改定されており、500g超1kg以下は380円になっている。

当初はレターパック350(現:ライト)・ポスパケット(現:ゆうパケット)・ゆうメール(1kg)の料金を350円で揃えていたが、

その後のいろいろな経緯で430円・360円・380円と分かれてしまった。

でも、昔のポスパケットの定価は450円だったから、それよりは安いんだよな。

その当時、定価でポスパケット使ってた人っていたのかという話はあるけど。

I2C通信とFIFOの組み合わせは難しい

以前こんな話を書いた。

I2C通信を割り込みでハンドリングする

このマイコンではI2C通信を割り込みでハンドリングする場合、

1バイト単位で割り込みが入り操作するのが必須だった。

本来、通信ペリフェラルではFIFOがあるが、I2Cでは使わせないと。

それとは別のマイコンでI2C通信を触っていた。

といっても既存のコードのデバッグだったのだけど。


このマイコンはI2CでもFIFOを使ってハンドリングできるのだが、

レジスタの説明を見てもちんぷんかんぷんで困ってしまった。

前に取り上げたときに使っていたマイコンは1バイト単位で現在の状態が渡され、次の状態を選択するというような使い方で、

こういう形でしか使わせてくれないが、その分シンプルではある。

このマイコンでは送信側で相手がACKを返し続ける限り、

あるいは受信側で自分がACKを返し続ける限りはFIFOを使って自動で処理してくれる。

そういうことをやって欲しいんだよということを実現している点ではよいのですが。


ただ、FIFOとの組み合わせはいろいろ複雑なようで、

相手側がACKを返さない場合の割り込みが来ないので変だなと調べていると、

レジスタ設定の組み合わせがよくなかったようである。

というわけで謎は解けてきたのだが、まだちょっと謎は残っている。

なんかいろいろ間違えて使ってそうな気がしましたね。

I2Cを1byteずつ送受信するだけでも複雑なのに、FIFOと組み合わせるとレジスタの組み合わせがさらに増えて複雑化していると。


どうしてこういう話を書いたのかという話なのだけど、

I2Cでは通信相手が応答しないことを検知できるということですね。

基本的にはアドレスを送ってACKの応答がないということで検出できる。

I2Cの仕様としては当たり前なのだけど、SPIだとそうじゃないんですよね。

SPI接続のデバイスにチップセレクト信号を入れて、

コマンドを送って、クロックを送ると結果が返ってくると信じているが、

デバイスが応答しているかしていないか知る手段がない。

実際には受信するデータが FF FF…のようにとなり、不当なデータであると検出できる場合もあるが、

それが正当なデータの可能性もあればそうもいかない。


というわけで相手が応答しているか確かめながら通信できるI2Cは優れているように思った。

ただ、全体的に通信制御の方式が複雑なんですよね。

今回デバッグしていて改めて複雑だなぁと思いましたね。


で、なんで既存のコードをデバッグしているのか?

という話だが、これは何らかの改善ということで1つ。まぁバグですよね。

ただ、実際には問題を引き起こす可能性は低いと思いますけどね。

空路ならではの路線と新機材

昨日のニュースで羽田~小松を減便するかわり、那覇~小松を増便するというのを見たが、果たしてそれは交換条件なのか?

「1年延命」も苦境脱せず 日航・小松―羽田減便 知事直談判には配慮 那覇増便、ダイヤ調整へ (北國新聞)

そもそも、同路線は新幹線との競合によりかつてほどの需要がない。

なので減便は避けられない状況だったが、そこで交換条件に那覇便を増便する話が出てきたと。

とはいえあまりに脈略のない話だと思ったが、それは小松だけの話でもなかったらしい。

2026年度 下期のJALグループ路線便数計画を一部変更 (JAL)


羽田~小松は日本トランスオーシャン航空(JTA)の機材で運行されることが多い。

これは平時はJTAが運航している羽田~宮古・石垣でより大型のJALの機材を使用するため、

それで浮く機材を内地路線に入れるというところからスタートしている。

羽田~小松が減便されるとJTAが入れる内地路線が減ることになる。

が、本業である沖縄発着路線の増発にリソースをつぎ込むようだ。

具体的には台北(桃園)・小松というわけですね。


もう1つ、全社的な変化としては伊丹空港発着の路線が増えるということ。

女満別・旭川・帯広が各1往復通年運航に、新千歳で増便、JTAの関西~那覇の2往復が移管される。

これまで伊丹空港は1000km以上の国内線は便数を制限されていた。

これは関空との役割分担として導入されていたもので、

都心からの距離が遠くなってもメリットが大きいだろうとか、国際線との乗り継ぎニーズがあるだろうとか考えていたのだろう。

ただ、関西3空港の経営が一元化され、関空は国際線が忙しい状況である。

この制限は特に意味がないということで今さら撤廃された。

これにより伊丹空港にいる機材ですぐに増発できるとなったのだろう。

国際線乗り継ぎに使えなくなるデメリットはあるが、その分のリソースを国際線に充てられるメリットの方が大きいのでは?

那覇は移管だが、北海道路線は純増である。ANAも函館・新千歳・那覇で増便になる。


全体的に空路の特色が生かせる路線を増やし、陸路と競合する路線は減らす傾向があり、

沖縄路線の増発や北海道路線のバリエーション増加というのはわかりやすい方向性なのだろう。

基本的には歓迎するべきことではないのかなと。

沖縄路線という点ではJTAの果たす役目は大きいということかなと。


ところで最近、JALグループとANAでそれぞれ気になる機材の発注をしている。

JALの運航計画に書かれているが、日本エアコミューター(JAC)がATR72を2機購入するとある。

JACは主に鹿児島県内の離島路線で使うためにプロペラ機を保有しており、

ATR42(48席)が9機、ATR72(70席)を2機持っている。

これにATR72が2機加わるわけだが、果たして何に使うんだろう?

まだ明確なことは言われていないが、けっこう鹿児島県内でもJ-AIRのリージョナルジェット機が飛んでいて、

特にE170は76席なのでATR72はほぼ同サイズである。

なので県内路線を中心にJ-AIRからの移管を想定しているのかなと思った。


もう1つ、JALグループでプロペラ機購入の流れがある。

それが琉球エアコミューター(RAC)で、現在使用しているのと同じQ400の中古機を導入するそう。

なんで? と調べたら故障がしばしば発生しているようで予備機確保のためのようだ。

RAC、相次ぐ欠航を謝罪 久米島町の7団体が要請書 沖縄 (琉球新報)

Q400はすでに製造中止になっており、RACは製造中止になる前に駆け込みでQ400を購入した経緯がある。

なぜ駆け込みで買ったのかというと、操縦資格の都合ではないかと思う。

で、予備機を新しく用意するにも操縦資格の問題もあるので、中古機でなんとかということである。

で、どうも現在持っているQ400と同じ5機分の中古機の機体番号枠を確保しているようなのだが、

予備機には多すぎる気がするし、後継機にしては製造年の差があまりない。一体なにを目論んでいるのだろう?


一方のANAなのだが、こちらは新型の小型機としてE190-E2を導入することを決めている。

FDA・JALと同じエンブラエル機だが、より低燃費の次世代型である。

おそらく現在プロペラ機を使っている路線でも多く使われそうだが、

それとともにIBEXエアラインズへの貸出も行うという。

ANAとアイベックスエアラインズ、運航受委託で包括提携 ANAHDは共通事業機としてエンブラエル「E190-E2」を8機追加発注 (sky-budget)

ANA所有の機材を共同事業機として貸し出すのはオリエンタル絵アブリッジでも行われている。

コードシェアでANAと提携関係のあるIBEXエアラインズだが、

同社のCRJ700の後継機を考える中で、ANAに調達してもらうことにしたわけだが、

実はそれだけでなくANAから運航業務の委託を受ける形に転換していくことを考えている。

この場合、共同事業機というよりはANAの機材にIBEXの乗務員が乗り込んでANA便で飛ぶという形になる。

IBEXエアラインズの自社路線があればANAの機材を借りて自社便で飛ばす扱いになるが、果たしてあるのだろうか?


なんて話をまとめていて気づいたが、JALも初期のE170はそろそろ代替を考える時期になっているのだろう。

選択肢はいくつかあるが、鹿児島県内では地元のJACの顔も立ててATR72が代替手段なのだろう。

後継機を買うならクラスJ付きで飛んでいるE190の後継機、E190-E2がよさそうだが、

路線の性質によっては他の選択肢もあり、陸路との関係では現状維持とも限らないのだろう。


そんなこんなで各社ともここからしばらくは国内線のリソース再配置が忙しそうである。

JALは機材更新の目処は立っているのでしばらく安心と思っていたけれど、

いろいろ目論見通りではない部分もあるのだろうかなと思った。

増発しやすいバス

土日は東京ビッグサイトでコミックマーケットで大盛況だったそうで。

ビッグサイトでは改修工事のため東4~6ホールが閉鎖されたり、

有明・青海地区では工事や他のイベントのため待機スペースが限られるなど、

運営面でもいろいろ難しさがあったようで、破格のイベントですよね。


来場者の多くを運んでいるのは りんかい線 なのだろうが、

増発もあって輸送力は相当だが、帰りの時間は改札止めもあるという。

そんな中で重宝されていたのが東京BRTだという。

国際展示場駅前発着というのはビッグサイト内発着の都バスに比べて不便な気もするが、

駅の状況を見て選べるとか、なにより早くて本数が多いということである。

以前より運賃箱を地上に置いて対応することは行っていたが、

ICカードリーダーだけ柱に付けたものを用意しているのは鉄道のようである。

かなり多客対応も板に付いてきたようである。


以前書いたことがあるのだが、実はこれはBRTの当初計画の姿とは異なる。

東京BRTは当初は幹線ルートは晴海のマルチモビリティステーション(HARUMI FLAGバス停のこと)に入る計画だったが、

利用実態を踏まえて幹線ルートは従来通り、晴海地区をスルーしている。

一方で新橋~HARUMI FLAGの系統は勝どきを通過するので、

幹線ルートは勝どき か 有明地区の利用者が乗るという形になっている。

(東京BRTで往復する有明ガーデン)

この幹線ルートの定期便とノンストップの増発便で多客対応している。

時間帯にもよるだろうが、利用者の半数以上は幹線ルートなのでは?


そもそも東京BRTは東京都都市整備局の事業によるものである。

実際の運行を都営交通でやることも考えられていたが、公募により京成バスが行うことになり、その子会社の東京BRTが運行している。

都バスと食い合うようなところがみられるのは縦割り行政ってことですね。

主目的はオリンピック選手村跡地のHARUMI FLAGの交通手段確保である。

とはいえ、HARUMI FLAGのあたりには以前より都バスが乗り入れているし、

いろいろ事情もあってHARUMI FLAG発着の利用は伸び悩んでいるようだ。

そんな中での起死回生の策が「東京駅ルート」の導入である。

東京BRT 東京駅方面へ延伸する方針を決定 (東京都)

都バス都05-1と同じ銀座・東京駅方面へ向かうがルートが違い、

なによりバス停が少ないので速い? とはいえ、都バスとのすみ分けは疑問である。


一方の有明地区、元々東16系統と都05-2系統と東京駅方面へ向かうバスは2系統あった。

ただ、どちらも所要時間はけっこうかかるし、特に都05-2系統は混雑がひどい。

そんな中でテニスの森駅と国際展示場駅の2箇所でしか乗降できないが、

そこから新橋ならばむちゃくちゃ速くて本数も多いということで、

地元住民や来訪者に活用されているということである。


こういう路線なので増発対応にも向いていたわけですね。

都バスの臨時バスが東京駅との片道で30分ぐらいはかかるようだが、

新橋~国際展示場駅のバスは片道15分ほど、効率が全然違う。

新橋駅であればそこから様々な交通手段があるので便利である。

来場者の目線で言えば、ビッグサイト~駅の移動時間なども考慮は必要だが、

一方で待ち時間という要素もある。増発しやすいということは待ち時間が短くなる。

そんなこんなで、これほど助かるバスはないと感じている来場者も多かろう。


HARUMI FLAGの足というところに主眼が置かれていたことは事実だが、

有明地区を含む臨海部の足として使われること自体は期待していたはず。

ただ、その割にはHARUMI FLAGに全便入る計画だったのか? とは思うんですけど。