今も昔も近所を流れる川は一級河川ばかりである。
こんな川が一級河川? という人もいるけど、一級水系に属する河川はすべて一級河川であるため、
特に内陸県にとってはほぼ全ての河川が一級河川である。
東京都も多摩地域はほぼ多摩川水系か荒川水系に属するため一級河川である。
唯一の例外が町田市と相模原市の間を流れる境川(二級河川)である。
一級水系は国が治水・利水の責任を負うという考えがある。
それ以外の二級水系については、都道府県が責任を負うという形である。
一級水系に属する河川を一級河川、二級水系に属する河川を二級河川という。
二級河川はすべて都道府県(一部は指定都市)の管理である。
一方、一級河川は国管理の区間があるが、実際には指定区間という都道府県(一部は指定都市)の管理する区間も多い。
なお、これらの河川にあたらないが市町村が河川に準じた扱いをするべきとしたものを準用河川という。これは市町村管理。
というわけで、一級河川の指定区間と二級河川は管理上は同じようなレベルにあるわけですね。
一級河川は必要であればいつでも国管理にできるので、ダムを作る場合にその前後を国管理にすることはよく行われている。
全体的な治水・利水の方針は国で決めて、都道府県はそれに従って管理するということであろう。
とはいえ、調べてみると思いのほか都道府県に委ねられている部分が多いエリアもあることがわかった。
荒川水系に着目すると東京都内では荒川は国管理だが、それ以外は全て東京都管理である。
清瀬市や青梅市あたりでは埼玉県側に流れていく荒川水系の河川があり、
これは一級水系の末端という都道府県管理となる典型的な区間と言えそう。
それとともに隅田川と神田川・石神井川など隅田川の支川というのもある。
これらの川は荒川に合流することなく海まで注ぐ。
でも、なんで荒川水系なのかというと、隅田川はもともと荒川の本川で、
荒川放水路ができたことで荒川の水は多くがそちらに流れるようになった。
しかし現在も岩淵水門を経てつながっており、隅田川は荒川の派川として荒川水系に属している。
その隅田川の支川も荒川水系ということになる。
この隅田川とその支川の治水はほとんど東京都がやっていて、さながら二級水系のようである。
近年は地下河川の整備を進めており、環状七号線地下広域調節池という事業がある。
これは白子川・石神井川・妙正寺川・善福寺川・神田川 と隅田川に注ぐ川の地下調節池をつなぐ事業である。
複数の川の調整池をつなぐことで容量の融通ができるという特徴がある。
この地下調整池も荒川水系に属する一級河川ということでしょうかね。
ちなみに将来的には目黒川水系(二級水系)の地下調整池と連結し、海まで放流できるようにする構想がある。
そうするとこの地下河川は一級河川なのか二級河川なのか? よくわかりませんが。
東京都が管理しているという点では共通しているわけだけど。
こういう話は大阪府にもある。
旧淀川(区間により大川・堂島川・安治川と呼ばれる)は大阪府管理の一級河川で、
ここに流入する河川に寝屋川というのがある。
この流域の北河内・中河内地域一帯は排水に困ることがあり、
寝屋川北部地下河川・寝屋川南部地下河川が整備され、いずれも現状は貯留に使われている。
最終的には大川や木津川までつないで排水までできるようにする計画である。
あと、神崎川というのもある。河口付近では大阪府・兵庫県の境になっている川である。
水運の都合で淀川とつながれた経緯があるそうで、それで淀川水系となっている。
ただ、ほとんど淀川とは独立しており、箕面川ダム・安威川ダムと大阪府管理のダムがある。
ここはさらに複雑でその支流の猪名川は兵庫県・大阪府の2府県にまたがるからか国管理の区間があり、
そこには一庫ダムという水資源機構が管理するダムもあるという。
どうしてこんなことが気になったのかというと、印旛放水路のことである。
印旛沼は本来は利根川に向かって流れるのだが、利根川が増水すると排水できなくなる。
そこで東京湾に向けて排水する仕組みが必要ということで作られたのが印旛放水路である。
もともとあった花見川に向けてポンプアップする仕組みで作られたので、
現在も花見川と呼ばれることが多いが、一級河川としての名前は印旛放水路である。
周辺の川が二級河川や都市下水路(雨水排水を目的とする開渠)である中、
ここだけ一級河川なので特異的なのだが、実のところ千葉県管理らしい。
というのも印旛沼やそれより上流というのは千葉県管理なのである。
印旛沼の水利用も千葉県内が基本で、というか千葉県のほとんどの地域に渡っている。
普段は利根川に流れるのでそんなことはないのだが、印旛沼から東京湾に向かっての流れを見れば二級水系のようである。