中道改革連合が議員1名を残して、他の議員は離党することになったそう。
実態としては公明党と立憲民主党に戻ると言うことであろう。
なお、衆議院の会派構成は従来通りのようである。
議員1人だけ残る背景としては政党交付金があるようで。
小川氏は衆院選を巡る民間事業者への支払いについて「まだ半分も終わっていない。支払いを猶予いただき、分割の支払いに応じていただいている」と述べ、「支払いを完済するまで解党できないというのが偽らざる実情だ」と明かした。
(中道、未交付11億円受領へ 小川氏「総選挙の支払い踏み倒していいのか。答えはノーだ」 (産経新聞))
こういうのも民主主義のコストって話なのかな。
先の衆議院議員選挙は自民党が圧勝、自民党会派が全体の68%を占め、
連立与党の日本維新の会をあわせると76%に達する。
こういう状況では国会軽視の流れもあったが、審議拒否など空転も相次ぎ、
軌道修正も迫られ、なかなか思い通りには行っていないようである。
最終的な決議という点では野党会派の関与できる部分はほぼないが、
そうであるならなおさら国会での議論の経緯が重要であろうと。
とはいえ、国会無用論みたいなのは世の中に蔓延っている。
ここには自民党内部で多様な意見が集約されて議論が行われているという背景もある。
自民党も一枚岩ではなく、様々な背景を持つ議員がいる。これがとても強いわけですね。
確かに世界を見渡せば、党内での議論を中心とすることで一党独裁を行う仕組みもある。
よく知られているのは中華人民共和国である。中国共産党による指導と、
人民の代表が集まって決まった政策には中国共産党の全党員が賛同する義務が定められている。
全国人民代表大会が国会にあたるものだと言われるが、中国共産党の決定を追認するだけの大会である。
でも、そこに至るまでのプロセスで全人民からの意見は集約されていますよという建前はある。
確かにこれは現在の自民党のようですねと思うのだが、異なる点がある。
それは自民党内には勢力争いには選挙での勝ち負けが作用する仕組みだからである。
時たま自民党同士で争う選挙というのもあるけど、それは稀なことで、
普通は他の政党の候補者と争う選挙での勝ち負けで言っていると。
そういう中で自民党の政策も少しずつ変化してきた歴史がある。
すなわち自民党は他の政党がないと事実上成り立たない仕組みなのである。
なお、中華人民共和国にも中国共産党以外の政党はあるが、政権を取ることはできず、政党間の勢力争いは存在しない。
そういう事情を考えれば中道改革連合がこさえた債務も必要なものだったとは言える。
とかく選挙というのは金がかかる。その資金源をどうするかは課題である。
政党交付金はその1つではあるが、導入の背景には企業・団体献金を削減するべきということがあった。
導入された頃には企業献金によって政策が歪められたのでは? という疑惑が様々あったそう。
このため議員数・選挙での獲得票数に応じて国から資金を分配する仕組みが作られたと。
これが政党交付金だが、企業・団体献金自体は制限もありつつなんやかんや続いている。
企業・団体献金の代替策としては個人献金というのがあり、これを後押しする税制も存在する。
ただ、最近は個人献金の方が考え物では? と思うところはある。
1つはアメリカのトランプ陣営への多額の献金である。
これは名だたるお金持ちの経営者が途方もない額を献金しているそうで、
こういう献金がトランプ政権の政策を歪めているのでは? という疑惑はある。
もう1つは参政党の躍進で、参政党は党費・イベントなどでの収入で資金を確保しているよう。
これはこれで立派なこととは言えるものの、熱狂的にお金を貢ぐ人が集まっている政党はそれはそれで怪しいのでは? とも思う。
業界団体や労働組合が政党に寄付をするとなれば、それなりの意志決定を踏むことになる。
団体の目的にかなう政策を実現できる政党であることは検討される。
この観点で献金が集まるのは自民党・立憲民主党といったところだが、
様々な団体から献金が集まるということは特定の業界のために政策を歪めるということも難しい。
アメリカの共和党も本来はそういうものだと思うのだが、
アメリカには途方もないお金持ちがいるので、そういう人たちが個人の立場で献金をすれば手が付けられない。
政党交付金もいろいろ意見はあるのだが……
民主主義のインフラとして機能する政党がいくつもある状態が続いているのは成果と言えるのでは?
とはいえ、先の自民党圧勝により、無職になった他党の議員は多い。
国会議員というのは落選すれば無職、非常に不安定な仕事である。
まともな人は国会議員なんてやらないという状況はあると思う。
先の衆議院議員選挙で落選した人にはこれで折れた人も多いのではないかと思う。
これによって基盤が揺らぐ政党は当然あるだろう。特に立憲民主党ということだと思うが。
先ほど書いたように自民党というのは他党との選挙戦がなければ事実上成立しない政党である。
ということは他党が弱体化しては党内の勢力争いがまとまらない可能性が出てくる。
この場合は自民党同士で分裂選挙をすればなんとかなるのかもしれないが。
自民党から分かれて出来たような政党も過去にもありましたしね。
もう1つは自民党に対抗しうる基盤を持つ政党は果たしてまともなのかという話である。
少数の人が熱狂的に支援する政党、勝算がなくてもイデオロギーだけで動ける政党、
そういう政党は現時点で自民党を圧倒する可能性は低いが、
なにかがきっかけで自民党への支持が失われたとき、一気に票が流れ込むかもしれない。
そうなれば手の付けられない状態にもなりかねませんが。
いろいろな懸念を考えたとき、立憲民主党や公明党の存在は重要だったのではないか。
その両党が衆議院議員選挙の仕組みを考えて合同したことには理由があるのではないか。
問題はそれを無力化するほどに自民党が強かったことだが、
だからといって自民党と争わないのは、長期的に見れば良くないことであろうと。
だからこそ選挙でこさえた債務を履行するのは、民主主義のコストですねと。