できるだけ図記号を使った道路標識

職場に行くにも買い物に行くにも道路を歩くわけだけど、

道路にはいろいろ標識があるけれど、日本に比べると補助標識付きのものは少ない印象である。

日本だと「自転車を除く」とか「自動車(二輪を除く)」とか付いてる標識が多いですよね。

本標識である程度伝わるようになっているようだ。


日本では運転免許の試験は外国語でも受けることができる。

ゆえに日本語が読めなくても日本の運転免許を得ることはできるが、

補助標識の日本語が読めないと意味がわからないんじゃないかとなる。

このあたりは日本語の運転免許の試験でもスコープ外とみられるので、

日本語で運転免許の試験を受験するのに比べて容易という話ではないと思う。

現実的には日本語で運転免許の試験を受けられる人ならまぁわかるだろうと思う一方、

外国語で試験に合格してもどうだろうかなという話にはなる。


なので補助標識がいらないというのは1つのあるべき姿ではある。

ただ、それを実現するためには図記号をいろいろ定義する必要がある。

日本で言うところの小特とか原付を表す記号があるみたいですね。

この記号とこの記号の違いは何? と気になって調べると、

最高速度などの違いでいくつかの規格があるようで、対応関係を知ってるのが前提にはなるけど。

日本では下記のような組み合わせは頻出なので記号があった方がいいなと思った。

  • 二輪通行止め+「原付」
  • 自動車通行止め+「小特を除く」
  • バス+大貨等(=大型等)通行止め+「大型・特定中型」

最後のやつは雪国でよくみられる組み合わせなのだが、大型等の中で大型・特定中型に含まれないのは大特、

すなわち除雪車の通行を可能にすることを目的とした規制である。一見意味がわからないが。


一方通行標識などは日本同様に補助標識が付いたものが多いのだけど、

これも記号が活用されていて、「除外」だけ文字で書いて、除外される車両(例えば自転車)の記号を列挙するものが多い。

日本でも「自動車(二輪を除く)」の代わりに車のシルエットを補助標識に書くことはある。

しかし「自転車を除く」のようなことを記号を使って書くことは難しい。

(文字で「自転車」と書くと普通自転車の意味で、自転車のシルエットは自転車全部という差異はあるけど、それは無視したとしても)

どうしてもやりたければ、車・バイク・荷車の3つのマークを並べれば「自転車を除く」とほぼ等しいが、

そういう補助標識を作るとかなり巨大になるのでまず作ることはない。

ゆえに「○○を除く」は文字で書くしかないと思われているのが実情である。


「止まれ」標識にSTOPと付記するようにしたりというのもありますけど、

できれば文字に頼らない標識の方がいいんですよね。

現状でもやろうと思えばできるのはあるんですよ。

「軽車両を除く」あるいは「自動車・原付」を車+バイクのシルエットで書くとか。

ただ、それだけでは足りないので新しい記号もいるよなとか、

「○○を除く」をより率直に表現できる仕組みもいるよなとか思って見ていた。

まぁそれができるようになっても実際に標識に普及するには時間がかかるだろうけど。

インタビューのための出張に大義はあるか

今回の出張、最大の目的は社内の有識者へのインタビューで、今日あれやこれやと聞いていて、

進捗としては想定よりよくて、最低確認しないとということは確認出来た。

ただ、聞けることはこの出張中に聞いとかないとねということで、

今日のインタビュー結果をフィードバックして、新たな質問事項をリストアップする作業がいるなと。


職場を出て、同行者と先行して出張に行っていた人と、うちの職場からの赴任者と夕食に行った。

けっこう高いんだがな。夕食代は会社からの補助があるが、少し足が出るか。

(会社の補助もいろいろあってヨーロッパ・アメリカ向けはかなり盛ってくれるようになったのだが)

そこでいろいろ話をしていたのだが、社内で2週間とかそれ以上出張というのは特異ではないかと。

そもそも出張といえば顧客やサプライヤーを訪問する目的のものが多いわけだし、

マネージメントのために拠点を巡回するような仕事はあるだろうが、そう長期間にもならない。

生産立ち上げなどで工場に長期間出張というのはあるだろうけど、今回はそういうフェーズではない。


そもそもこの出張は今回のプロジェクトメンバーからの勧めで行くことにしたわけだが、

出張申請にあたって上司からインタビューがあって、上司の上司にこの出張が不可欠であることをどう説明しましょうかねと聞かれたわけである。

で、その時の回答としては、有識者へのインタビューと現物を使っての調査をしないまま進めると、

とんでもない勘違いをして設計が進んでしまうかも知れませんよ。だから出張するんですと。

現物を使っての調査はどうしても出張しないと出来ないからこれが決め手になるだろうと。


一方で有識者へのインタビューはテレビ会議などでもできるじゃないかという話はある。

ただ、時差や環境の問題もあり、議論は遅々として進まない実情もあった。

実際のところ、こちらの問題の打開を求められていて、緊急性が高かったんですよね。

冒頭に書いたとおりなのだが、今日1日で今まででは考えられなかったほどの進捗があったんですよね。

これは超強力で、出張の成果として大きくアピールできる話である。

逆の観点で言えば、インタビュアーとして僕が日本からやってきたことで、

従来議論が深まらなかったことが一気に開けて、課題整理がだいぶ進んだわけである。

これを受けて他のプロジェクトメンバーもこれの検討が必要だという気づきが多々あったようである。


社内の出張はテレビ会議など活用して最大限減らせというお達しはあるのだが、

日本とヨーロッパとなるとテレビ会議では本当に苦しいですね。

時差だけならどちらか勤務をシフトすればよいという考えもあるわけだが、

現実問題として昼夜逆転の生活なんてのはとてもできたものではない。

出張中は日本でやってる他の仕事を投げ出しても許されてしまうが、日本にいるとそうもいかない……

まぁこれは職場の配慮でなんとかなる話かもしれないけど。


あとは言葉の壁を打開する手段が乏しいというのもあるのかなと。

僕があまり英語が達者ではないというのはあるんだけど……実態は大惨事といってもいいんだろう。

ちなみにここは英語圏ではないので本当は英語でもまけてもらっているのが実情ですね。

同じヨーロッパ言語なのでそこは比較的よいみたいだけど。

ただ、しゃべり方のクセと音声環境の問題が重なってテレビ会議では何言ってるかさっぱりわからんので困ってたんですよね。

対面で会話しても厳しいかもなと思っていたのだが、これは案外なんとかなった。

さらにホワイトボードなどの手段も活用できることから、だいぶ話は進んだ。

テレビ会議でも絵を描きながら話をするという方法は活用しますけど、やはりスピード感は違いますよね。


出張のコストパフォーマンスを問い詰められると案外難しい話である。

近国での出張ならまだしも、日本からヨーロッパとなると、飛行機代もさることながら、滞在費はどうしても高いし、諸手当もどうしても高くなる。

ただ、それを節約しながら仕事を進めるにはどうすればいいですかというと、

時差に合わせて昼夜逆転生活して、効率が落ちる分、テレビ会議に缶詰にしますという、

どうにも人道的ではない方法を取らないといけないので、そりゃ嫌だという話になる。


もう1つの柱である実機調査なのだが、フタを開けてみると案外大したことないなという状況ではある。

ただ、これも実機を囲んであれやこれやと考えることに意味があったのかなという気もする。

実は遠隔デバッグ環境の立ち上げというのも今回の仕事の目的ではある。

現時点で最低限の遠隔デバッグ環境は立ち上がったので、あとは周辺機器の追加とかやろうかなと。

この辺の雑用は赴任者にやってほしかったのだが、とても手に負えない状況っぽかったので。

このあたりも出張の大義でしょうかね。


このまま出張無しで全て終わってしまえばそれが一番いいけれど。

この先のことを考えると数ヶ月後にあと1回は出張があるんじゃないかなという気がするんだよね。

今回の出張の原因の1つである実機調査だが、日本に機器一式を輸出する計画があるらしい。

今まで機器の数量の都合などもあり、輸出できる状況ではないと聞いていたのだが、

いくつかの条件付きではあるのだが、条件を満たせば輸出できそうだという。

さっさと輸出してくれればこうして出張して実機調査なんてしなくてよかったじゃないか。

と言われてしまいかねないが、もう1つの柱であるインタビューは大義はともかく出張の効果は大きかったわけだし。

クレジットカードのキャッシングで救われる

昨日書いた「ささいな問題」とは、キャッシュカードで現金を下ろせなかったことである。

え、それって大問題では? と思ったかも知れないが、今どきはキャッシュレス化も進んでいるし……

少なくとも宿にはたどり着けてますからね。


スルガ銀行のVisaデビットカード、その昔は普通に買い物にも使っていたが、

クレジットカードを持つようになってからはそのようなニーズもほぼなくなった。

稀に意図的に使うことはあったんだけど。過去に一般のキャッシュカードに交換されかけたし。

このカードを維持し続けている理由、それは外国でキャッシュカードとして使えることである。

今回の出張でも大いに期待していたのだが、空港のATMで引き出そうとすると途中で止まってしまう。


銀行によってこのあたりの挙動も違うかも知れないと、宿の近くの他のATMで試したがだめだった。

さらに他は……と調べたのだが、どうもこの国かこの地域か知らんが、

大概の銀行が1つのATMネットワークに相乗りしているようで、選択肢がないのである。

うーん、これは困ったなぁと。同行者や職場の人に頼るのも手ではあるが……

あと、正攻法で言えば日本円を両替することはできる。金額は限られるが。


で、改めてATMの表示を振り返っていたのだが、そういえばPLUSのマークがなかったなと。

Visaとは書いてあったのでよさそうな気もするのだが、VisaのATMネットワークで検索するとこのATMは出てこない。

一方でMastercardのマークと共にCirrusは書かれていた。

Cirrusはヨーロッパ諸国間の銀行・ATMをつなぐのに活用されていると聞いている。

じゃあCirrusのキャッシュカードはあるのかというとそれはない。

でも、Cirrusマークの書かれたクレジットカードは持っている。セゾンカード(SoftBank Card)である。


でも、確かセゾンカードってキャッシングの申込みをしてなかった気が……

と思って限度額を調べてみるとキャッシングの限度額が存在していた。

なんかキャンペーンで申し込んだんだっけ。転ばぬ先の杖である。

というわけで改めて挑戦してみることに。

その前に今日の夕食、仕事終わりに同行者に案内してもらったのだが、

あまり手頃なレストランも少なく、弁当屋とスーパーを教えてもらった。

その弁当屋が実質的に現金しか使えないという。やはり現金は必要である。

この場は立て替えてもらったのだが、やはり現金はそこそこ必要である。

そんなわけでATMでやってみると、今度はすんなり下ろせた。よかった。


Cirrusがよかったのか、キャッシングがよかったのかはよくわからないが、

そういうこともあるということである。

今度、ここに出張することもあるかもしれないし、Mastercardデビットも考えるかね。

いや、キャッシングでも得られればいいじゃないというのはそうなんだけど。


キャッシングも必ずしも割高というわけではない。

実際のところデビットカードの海外利用手数料は全体的に高いのでね。

とはいえ、繰り上げ返済しないと利息が高く付いてしまうことにもなりかねない。

ここが面倒なのでキャッシュカードを好んでいたのだが、結果的にはキャッシングで救われたという形である。

繰り上げ返済ってどうなってるんだっけと調べたらWebから申し込むと振込先が教えてもらえる方式みたいだな。

電話が必須だと面倒だったが、Webで済むなら帰国前でも処理できるかなぁ。

でも帰国後でもそこまで高くはならないか。


そんなこともあるんだなぁという話である。

PLUS非対応でCirrusのみ対応というのはちょっと信じがたいところもあるんだけどな。

日本だと一般的なATMはPLUSもCirrusも対応していないというのはあるけど、

ゆうちょ銀行・セブン銀行・イオン銀行とかE-net ATMは対応していますからね。

あと、日本は現金のみの店が多いと言われますが、

コンビニや全国チェーンのファストフードが充実しているので、これなら現金要らず。

出張などでやってくる人にとっては、それが楽かもしれないね。

ここはお国柄か土地柄か、あまりそういう便利な店もないのでね。

公共交通やスーパーがキャッシュレスならまぁいいかという感じですかね。

SkyTeamとPeachとZIPAIR

同行してくれている人がよく慣れている人なので、

いろいろ先導してもらって無事に到着できた。ささいな問題はあるが、明日解決すればいいな。


成田空港、国際線と言わずとも国内線含めても飛行機乗るために行くのは久しぶり。

東京駅からのバスがやはり便利で、停車順が第3ターミナル→第2ターミナル→第1ターミナルの順になっていて、

これは第3ターミナル周辺の工事で直接第3ターミナルのバス降り場に直行できるようになったからですね。

第2ターミナル~第3ターミナルのバスが短縮されたのは初詣で成田山行った足で芝山町に行ったときに気づいてたけど。


現在の成田空港は第1ターミナルの南にStar Alliance、北にSkyTeam、第2ターミナルにOneworldの航空会社を集めている……

ということになっているが、実際はけっこう疑わしいものである。

ANAとその提携先は第1ターミナル、JALとその提携先は第2ターミナルというほうが実態に近いかも。

そもそもこの構成をとった当時と成田空港の使われ方が変わってしまったのである。


何が変わってしまったかというとデルタ航空がいなくなったことである。

成田空港におけるSkyTeamの盟主は旧ノースウェスト航空のときから拠点にして来たデルタ航空だった。

しかしデルタ航空は自社便を羽田発着に集約してしまった。

この結果、ここがぽっかりと空いてしまったのではないかと思う。


実のところSkyTeamの航空会社でも中国東方航空とチャイナエアラインはJALとの提携関係を意識したか第2ターミナルである。

一方でSkyTeamを集約したという第1ターミナル北ウイングには、PeachとZIPAIRという国内航空会社が2社入っている。

SkyTeamのマークを掲げたチェックインカウンターに堂々Peachの名前が書かれているのは驚いた。

あくまでも国際線に限った話のようなのですけど。国内線は設備のこともあり南ですね。

ZIPAIRは不思議ですけどね。JALはもとより、ジェットスターも第3ターミナルですから。

本当にデルタ航空の空きを埋めたというのが全てなのかも。


今にして見ればアライアンス別のターミナルも見合っているのかはよくわからない。

太平洋線の乗り継ぎをある程度固めたいという意図はその通りだと思うが、

ヨーロッパの航空会社にとってみればあまり興味はないでしょうしね。

将来的には成田空港の1ターミナル化も考えられているところだが、それもそれで遠い話。

当面はなんだかよくわからない組み合わせで行くのだろう。

アウトバウンドの旅

一般的には海外出張というと休日移動が多いのだろうが、

今回は諸事情あり往路は稼働日の移動である。

定時内の移動は普通に給料が出ているし……飛行機に乗ってしまえば何も出来ないけど。

定時外の移動についても手当はあるんですけどね。

昔は機中泊だと別の手当体系になって複雑だったが、今は単純に1時間当たり何円という計算。


そんなわけで道中で何か書くわけにもいかないのであらかじめBlogに書き置きしておく。

よくインバウンドという言葉を聞く。

大概においては外国人旅行者を指すわけだが、ちょっと違う気がする。

日本発着の国際線の飛行機に乗っている人は、

大きく分ければ日本→外国→日本の旅行者と、外国→日本→外国の旅行者に分けられる。

前者は日本から出て行く向きなのでアウトバウンド、

後者は日本に来る向きなのでインバウンドとなる。これが元々の意味である。


この用語をよく使っているのは旅行会社なのかなという気がする。

日本の旅行会社は日本発の旅行客の手配を扱う一方、

外国から日本にやってくる旅行客向けの各種手配も担っている。

当然、どちらが得意かというのは会社にもよるんだろうけど。


より微視的に見れば、東京都発で山梨県に旅行に行けば、山梨県にとってはインバウンドである。

国内旅行客には使わない言葉だけど、外から来る人か、

外に出て行く人かというので、動き方は当然変わってくる。

でも、外国から山梨県に来る人も、東京都から山梨県に来る人も、

そこまでの差はなさそうなもんである。


ところでインバウンドでもアウトバウンドでもない飛行機の利用があって、

それが日本を通過して他の国へ向かうトランジットですね。

成田空港は太平洋線と東南アジア線の乗り継ぎ利用が比較的ある。

その昔はシンガポール発着便というのはトランジットの利用が多かったが、

シンガポールが国際都市として発展していく中でシンガポール発着の割合も増えていったなんて話もある。

成田はトランジットは比較的あるけど、なんやかんや言っても日本発着の利用が多そうですけどね。


近年はアウトバウンドの利用は振るわないという話は聞きますね。

国内外とも業務出張は減るし、海外旅行が高く付くと忌避されるし。

相対的に外国発の観光客の割合が多くなっていると。

もちろん航空会社はどんな需要だって乗せたいわけですけどね。

このあたりは国内外様々な航空会社が他社とも組んで考えているところである。

付加価値税が還付される理由

明日から外国の事業所に出張なのだが、特にどことは書かないことにしているが、

ヨーロッパであるということぐらいは書いておいてもよいかと。

そんなヨーロッパへの業務旅行にまつわる話として、付加価値税(VAT)の払戻というのがある。


付加価値税というのは日本で言えば消費税にあたる税金の一般的な言い方である。

付加価値税とよばれるのは、売上-仕入の差額に税率をかけたものを各事業者が納める仕組みによるものだと思う。

アメリカは州ごとに税制が異なることもあって、小売事業者が販売時に課税する売上税だが、

世界的には多段階で課税を行う付加価値税が一般的である。


国境をまたいだ物品の取引を行うと、輸出元の国にとっては免税取引で、

輸入時に輸入側の国で付加価値税が課税される仕組みである。

現在の日本では旅行者(正確には非居住者)が輸出するものは、

店頭で販売する時点で免税販売して、出国時に免税購入記録票を提出すれば良い。

旅行者にとっても販売店にとっても楽な仕組みではあるのだが、

免税販売された物品が実際に輸出されない事例が問題になっている。

世界的に見れば、旅行者の輸出免税は出国後に払い戻す方法が一般的で、

日本の空港でも「VAT Refund」と書かれた窓口があるのはこのため。


ただ、業務出張においてはこちらはあまり関係がなくて、

当地でのサービスに対する付加価値税の還付の方が重要である。

具体的には宿泊費・飲食費・交通費など、今回のケースではほぼ宿泊費ですかね。

一般的な旅行者は滞在中のサービスに対する付加価値税の還付は受けられないが、

外国の事業者が業務上の支出を行った場合は還付が行われる。

なんで? と思うかも知れないけど、

例えば、日本で100万円(以下すべて本体価格)の商品を100個販売するにあたり、

材料費など国内事業者から1000万円の課税仕入れを行い、

外国から1000万円輸入し、外国出張で500万円を費やしたとする。

100万円に対する消費税は10万円、ということは消費税を1000万円受け取る。

国内での仕入れには100万円の消費税を払うし、外国から輸入する部品も輸入時に100万円の消費税を払う。

ゆえにこの差額の800万円を消費税として納税する。

ところが外国出張時の航空券は免税でよいが、現地の滞在費には当地の付加価値税がかかっている。

これは日本の消費税の課税仕入れに当たらないわけである。


このため国際的には外国事業者の業務上の支出は付加価値税を免税にするのが一般的な考えだという。

ただ、日本では外国事業者相手でも国内で完結するサービスには消費税を課税することになっている。

このため外国事業者相手のサービスへの付加価値税免税制度がある国でも、

日本の事業者には認めないという対応も多いようである。

ただ、ヨーロッパと韓国は還付できるらしいんですよね。

なので会社名を記載したインボイスを持ち帰ってきて、代行業者に投げることで、付加価値税が還付されるそうである。

とても複雑な仕組みで自力で還付を受けるのは難しいらしい。


ちなみにヨーロッパでは課税事業者間の物の取引では、売り手側は付加価値税を受け取らないそう。

ヨーロッパでは国ごとに付加価値税の税率が異なる一方、国境での税関手続きがないことが多い。

このあたり煩雑であることから、課税事業者間では付加価値税のやりとりをせず、

買い手側で一括して納めるという対応になっているよう。

結果的にはアメリカの売上税に近い方法になっているのかも。


ちなみに日本でも旅行者向けの免税制度は2026年からは出国後に還付する方式になる。

出国時に輸出したことを確認すると、そのデータが販売店に送信され、

販売店では輸出された分を輸出取引と記録して、消費税の差額を何らかの方法で返金するという流れになる。

具体的な返金手法は規定されていないが、なにしろ外国に出国してしまっているので、

現実的には代行業者を介しての返金という形になるのかなと。

めんどくさいんですよね。だからやりたくなかったんですよね。

でも、百貨店などが輸出免税で多額の追徴課税をされている状況で、

免税販売を行う店舗にとっても受け入れざるを得なかったと。

電動バイクの1年

出張前の準備を進めているが、準備を進めていくと想定と異なる部分もあり、

それはそれで右往左往という感じはある。やはり難しい。


さて、そろそろ特定原付の電動バイク、MySmart-16を購入してから1年である。

実際には納入されてから乗れるようになるまで2週間ぐらいは要しているので、

そこを起点にすると1年までは少しあるけどね。

先日、軽自動車税の自動振替とか、マイカー共済の更新とかで1年の節目を感じたので、

1年乗っての感想をあれこれ書いておく。


1年でどれぐらい走ったのかというと2280kmほどである。

一般的な自動車に比べればよっぽど短いが、原付としてはどうだろうか。

週あたり45kmと出てくるが、普段はそんなに乗ってないはず。

日常的な用途としてはイオンモールとの往来が多い。

というのもこのバイクを買ってからイオンに買い物に行くことが増えた。

昔から衣料品など買うためにイオンに行くことは多かったのだが、

特に夏なんて自転車で買いに行くと汗だくで仕方なかった。

それが漕がなくていいのは画期的な話だった。

一方で従来は食品はイトーヨーカドーで買うことが多かったのだが、

以前に比べると高いという印象が強まり、買いに行くことは減った。

で、だいたいイオンモールと往復すると12kmほどですね。

週1回か2回と考えると、到底そのような距離にはならない。


というとやはり距離を稼いでいるのは旅行先に持ち出しての利用である。

夏休みの山陰(豊岡・鳥取など)からはじまり、先日の佐渡まで、

いろいろなところに持ち出して、延べ28日ぐらいかな。

1年のうち1ヶ月ぐらいは遠くで使ってたと考えるとすごい数字だけど。

というか、自分もそんなにお出かけしてたんですね。

それで1日40km走ると1100km、これと日常的な利用が1200km、

とか考えるとだいたいつじつまが合うような気がする。


そんな旅行時には電池切れに見舞われることが多かった。

最初の山陰旅行は予備バッテリー自体がなかったが、

その後、バッテリー2本持ちでも電池切れを起こすことがあり、

特にこの前の佐渡行きはかなりの距離を押し歩きするハメに。

カタログ上は40kmほど走るが、坂など考えると30kmぐらい、

しかし、一番最初に付いてきたバッテリーの1号機はもっと走らない。

おそらく劣化が進んだのだろう。1年でこれでは困るのだが。

このため3本目のバッテリー購入も検討しているが、

バッテリーパックは1本4万円ぐらいするんですよ。


確かに電動バイクの動力費はタダ同然である。

しかし、バッテリーパックにこんなに金がかかるのではという話でもある。

一般的なスクーターだとガソリン1Lで30~40km走るという。

2280km走るのに65Lほど使って、170円/Lとおくと11000円ほどである。

そりゃバッテリーは劣化しても一定の能力は保つとはいえ、

4年乗ってかかるガソリン代と電池パック1本がほぼ同じってなら、

電池パック1本で足らない距離乗るのに電動バイクはコストパフォーマンスが悪いという話にもなる。


一方で、電動であることが保有するメリットになっていることも事実である。

1つは特定小型原動機付自転車は電動でなければならないからということ。

自転車同等の規制であることが良いか悪いかは用途によるけど、

家の近所でも「自転車を除く」規制はいろいろあり、これを無視できるのは使い勝手がよい。

自転車同様に車道側端を走る規定から、自動車が詰まってても無理なく追い抜けるのもある。

もう1つは列車で運べること。これはエンジンのある車では絶対にできない。

佐渡へは船で運んだが、片道500円の手荷物料金を払えば済んだ。

(大多数の航路は袋に入れて運べる自転車は運賃のみでよい)

そもそも電動でなければこんなに使えないのである。

普段も玄関で保管しているが、折りたたんで階段を持ち上げられる車なんてそうそうない。


旅行時にバイクがあることの恩恵はかなり大きい。

従来は鉄道・バスで行けるところを時刻表に縛られて巡っていた。

これがバスの路線図・時刻表を見ずに回れるようになったのは大きくて、

山陰旅行の玄武洞公園から始まり、従来はとても行けなかったところをいろいろ回れている。

当地でレンタサイクルを借りるなどの方法はあったかもしれないが、

距離があれば列車に畳んで乗せてしまえばよいなど、ハイブリッドな手法がとれるのは自家用車だからこそ。


いかにも未成熟な車でいろいろ不満はあるんですけどね。

ある種の自転車の部品を取り寄せればDIYで修理するにも困らないのはいいけど。

ブレーキパッドを交換して散歩, バイクのパンク修理をする

1年で特定原付のバリエーションも増えたには増えたが、それでも作ってるメーカーは限られる。

今買うならこの車にはしないだろうと思う一方、はるかにいい車があるという状況でもない。

とはいえ、自転車形の車が1つ主流になりそうな気配はあって、

先行したキックボード形の車は実用面でいろいろ課題が見えてきて、

台湾の微型電動二輪車(旧:電動自行車)のようなスクーター形の車は出てこない。

今後は大手のメーカーも自転車形でそれなりの車を出してくるのでは? とも思いますが。


歩道のルール以外は自転車とほぼ同じ、違うところを探すのが難しい。

でも、そのようなルールを厳守している自転車も限られるのが実情。

もちろん自転車歩道通行可であれば歩道走行が容易なので、あえて車道を走らないからという側面もあるが。

(特定原付が居場所に困るのはだいたい歩道走行前提のところでもある)

以前、「電動キックボードを自転車だと思ってるのか」と苦言を呈している人がいたが、

ルール上はそれでよいのである。自転車のルールを知らないか守らないことが問題である。

反則金制度も始まるので、反則金を踏み倒したのをきっちり起訴していけばだんだん変わっていくのでは。

世の中では圧倒的にLUUPの電動キックボードが多いわけですけど、

LUUPは自転車もやっているのだから、自転車を含めた利用者のレベルアップを図っていくのがお役目ではないかと思う。

HELLO CYCLINGも今後スタートするドコモバイクシェアもそうだが。

棋士以外の日本将棋連盟会長

日本将棋連盟の新しい会長に清水市代女流七段が就任したという。

日本将棋連盟 新会長に清水市代女流七段 女性の会長は初めて (NHK)

女性の会長は初めてと書かれているが、

「棋士」以外で会長になるのも現在の棋士の制度が確立してからは初めてのことである。


女流棋士が連盟の運営に関与できるようになったのは2011年から。

それ以前は正会員となる条件は棋士であることだった。

ご存じの方もおられるだろうが、女性でも条件を満たして四段に昇段できれば棋士になれる。

しかし、今まで女性で棋士になったものは存在しない実情がある。

2011年というのは日本将棋連盟が公益社団法人に移行した年でもある。

どうも公益性認定のプロセスで女性の正会員がいないことが問題になったようである。

アマチュアや女流棋士など、連盟に属して将棋を指す女性はいるにもかかわらずである。

現実的に女性が連盟の運営に参加できる方法を考える必要があった。


方策としては2つあったんじゃないかなと思う。

1つは棋士以外で連盟に所属している人が代議員を介して参加するという方法。

代議員の集まりを一般社団法人の社員総会として扱う規定はよくみられる。

女性の棋士が現れる時期は見通せないが、女性の代議員は現実的だろう。

もう1つが女流棋士もプロなのだから、棋士同様に正会員にするという方法、

こちらの方法が採用されたのだが、女流棋士全てが正会員に列せられたのではなく、

「女流棋士(日本将棋連盟所属、タイトル獲得者又は女流四段以上)」となっている。


「棋士」は四段以上のことを指し、四段昇段をもってプロ入りとなる。

一方の女流棋士は女流2級でプロ入りとなっている。

棋士(奨励会含む)の段級と、女流棋士の段級は単純比較はできないが、

数字から受ける印象としても女流棋士はずいぶん門戸が広そうである。

実際、プロの中でも女流棋士の実力差はかなり大きいそうである。

なので女流棋士全てを棋士同様として扱うには抵抗があったのだろう。


そこで拠り所にしたのがタイトル戦で、女流タイトルの獲得者は棋士同様に正会員になるとしたわけである。

実際には女流タイトル保持者でも四段の棋士と互角以上に戦うのは難しいようだけど。

女流棋士の昇段規定ではタイトル1期で女流三段とされているから、

タイトル獲得者でなく女流四段以上とは勝数規定での昇段者が対象なのだろう。

あと「日本将棋連盟所属」と書かれているのは、女流棋士には日本女子プロ将棋協会所属のものもいるため。

2007年に一部の女流棋士が独立し、いろいろ対立もあったようだが、

現在は相互に棋戦に参加しているようである。


この条件を満たす女流棋士は2011年時点で9名だったという。

今は女流四段以上の現役女流棋士が15名、引退女流棋士がおそらく5名で、計20名かな。

棋士に比べればだいぶ少ないが、ある程度の参加は進んだと言える。

そんな中で今回会長となった清水女流七段は2017年より理事となった。

会長は理事の中から理事同士で選ぶことになっている。

前任の羽生九段は2021年に理事に就任すると、即座に会長に選ばれた。

羽生九段の会長就任は将棋会館の建替という大きなプロジェクトのためというのが大きく、

一方で本人としては将棋に注力したかったようで1期2年で早々退任した。

その後任として長く理事を務めてきた清水女流七段が選ばれたというのが実情のようだ。


以前は女性が棋士を目指す場合、女流棋士とは両立できない仕組みで、

リスクが高いと見られていたところもあるかもしれないが、

現在は女流棋士でありながら奨励会に所属することも可能で、

女流棋士が棋士になった場合は引き続き女流棋戦に参加できると規定されている。

なので、棋士として振るわなくても、女流棋戦で活躍できる余地はある。

さらに女流棋士のトップに棋士の資格を与えるというアプローチも導入される。

女流最高位「白玲」を通算5期で「クイーン白玲」、棋士の権利も付与…日本将棋連盟が制度変更へ (読売新聞)

女流タイトルで最も格式の高い白玲の価値を高めるための取り組みらしく、

ハードルは高いが、女流棋戦の結果のみで棋士になれるのは新しい仕組みである。


観点は様々だが、本来は将棋というのは老若男女問わない頭脳スポーツなので、

奨励会で四段に上がれなかった人でも様々な道を用意しているということである。

連盟の運営という観点では女流棋士も条件を満たせば参加できるし、

棋戦参加という観点では女流棋士枠、アマチュア枠とある棋戦もあるし、

それを通じて棋士編入の道もあるわけですよね。

そうはいっても大半の将棋指しには遠すぎる話ですけどね。

株式併合のやりかた

来週から出張なのだが、出張前にあれやってくれ、これやってくれと、

もう1つのプロジェクトの方で想定外に動きがあり、

あれやこれやと対応してたが、一応はできたかなと。

今月末にもできないかもと予防線は張っていたが、

出張前に着手できたのと、意外とすんなり動いてしまったので早かった。


株式併合で少数株主を追い出すのはわりと一般的な手法である。

1名で90%以上の株式を保有できている場合は、特別支配株主の株式等売渡請求を行えば、

株主総会での議決などなくても少数株主を追い出すことができる。

しかし、90%取得できなかった場合、あるいは2名以上で保有し続ける意図がある場合は株式併合が使われる。


この株式併合というのは少数株主から買い取る端数の合計が1株以上にならなくてはいけないという制約があるそう。

以前、公開買付に応募したイオンディライトだが、イオンの持株比率は86.4%となり、2/3は超えるも90%には達しなかった。

この場合、株主総会の特別議決により株式併合を行い、2/3あれば可決できるので確実に成立するであろうと。

で、この株式併合というのが7,112,132株を1株に併合するもので、

全体で6株、イオン保有分は5.8株相当なので端数切り捨てで5株、

この差の1株を残りの株主(合計で0.9株相当)から裁判所の許可を得て買い取るというもので、

買取価格は公開買付価格と同額になるように申請するとのことだが、

端数処理によりわずかに差が生じることがあるかもねとは書かれている。


株式併合では併合後の端数の合計が1株以上にならないと、買い取る手続きができなくなる。

イオンディライトの例で言えば1000万株を1株に併合したとすると、

全体で4株、イオン保有分が4.1株相当で端数切り捨てで4株となってしまい100%となる。

それ以外の株主に生じる端数0.6株相当は単純に消えてしまってもよい。

しかし、そうすると少数株主は何も得られなくなってしまうので、

そのような株式併合は認められないはずである。


2名以上で保有し続ける意図がある場合は、端数の買い取りも共同で行うことが多いようである。

かつて上場していたLINE社、Zホールディングス(現:LINEヤフー)の親会社であるAホールディングスに作り替えられたが、

株式併合で全体で8株、NEVERが6株となるのはよいとして、

公開買付を行ったソフトバンクとNEVER J.Hubがそれぞれ0.53株相当で切り捨て、

それ以外の株主の合計が1.28株で、NEVER以外に1名で1株以上持つものはいない。

公開買付を行ったソフトバンクとNEVER J.Hubすら1株に満たないのか。

裁判所にはソフトバンクとNEVER J.Hubが共同で申立を行い、

それ以外の株主から公開買付価格と同額になるように買い取り、

結果としてソフトバンクとNEVER J.Hubは1株ずつ手にした。

その後、NEVER→ソフトバンクに3株が譲渡され、

ソフトバンクはAホールディングスの50%を保有し、株主間の合意によりソフトバンクの子会社となった。


あとは自己株式で買い取るという手段もあって、これも1株以上の端数が必要である。

株式併合により生じた端数の合計株式の取得、および公的資金一部返済に関するお知らせ (SBI新生銀行)

整理回収機構と預金保険機構に1株以上残るようにすると、

全体で10株、SBI地銀ホールディングスに5株、整理回収機構と預金保険機構に各1株、

残りが3株を買い取ると思っていたら、エスグラントコーポレーションが1株残ってしまったという事件もありましたが。

スクイーズアウトしても想定外の株主が

その後、エスグラントコーポレーションの保有分は買い取られたが。

それはさておき、このとき端数の2株を新生銀行自身が買い取っている。

なぜ新生銀行自身が買い取ったかというと、預金保険機構の端数処理を、

新生銀行自身の資金で行うことで、公的資金の返済として扱われるためである。


ちなみに昔は株式併合によるスクイーズアウトは一般的ではなかったらしい。

とはいえ、実質的には同じようなことをやっていたらしい。

かつて一般的だった方法はこのような方法である。

  1. 株主総会の議決で普通株式を全部取得条項付株式に変換する
  2. 全部取得条項付株式xxxxx株あたり、普通株式1株で買い取り、端数は現金で精算すると議決する
  3. 大株主の全部取得条項付株式は普通株式になる
  4. 少数株主は普通株式1株に満たないので全部取得条項付株式は現金で買い取られる

やってることは同じですよね。

全部取得条項付株式は現在も会社再建時には活用されている。

100%減資といわれる手続きの一環で行われることが多い。

既存株主から無償で株式を取得する、すなわち株主から追い出して、

そこから改めて新たな出資を受けるためである。

ただ、まっとうな会社の場合は何らかの対価が必要で、

全部現金で買うならともかく、大株主は株主に残したいので、

それは現在の制度では株式併合になるのが一般的なようである。

地元馬を囲い込みたい凱旋門賞

以前、凱旋門賞の日本からの遠征馬最大2頭に輸送費補助が導入される話を紹介した。

凱旋門賞が日本馬を招致したい理由

JRA馬券発売の分配金目当てなのかもしれないし、2400mの世界チャンピオン決定戦を死守するためかもしれない。


さらに前哨戦の優勝馬に登録料免除・優先出走権が与えられるそうである。

フランスギャロが新発表!凱旋門賞の現地前哨戦を勝った馬は“高額の追加登録料が不要”に! (JRA-VAN for World)

この前哨戦っていうのはニエル賞、フォワ賞、ヴェルメイユ賞のことだと思っていた。

凱旋門賞直前のこれらのレースで頭角を現したとしても、

事前に凱旋門賞への登録がされていなければ、高額の追加登録料が必要になる。

もちろん追加登録する馬も多かったが、やはりハードルが高い。

なので、登録されていない馬でも追加登録料を免除しましょう。

タイトルからすると、そういう趣旨だと思ったのである。


でも、それだけじゃないんですよ。

上記に加え、登録料免除・優先出走権の特典が与えられるレースには、

仏ダービー(ジョッケクルブ賞)、仏オークス(ディアヌ賞)、サンクルー大賞、パリ大賞、ジャンロマネ賞がある。

サンクルー大賞は上半期総決算のレースに位置づけられる。

パリ大賞は7月に行われる2400mの3歳限定戦である。

昔は3100mのロワイヤルオーク賞が3歳限定戦でセントレジャー相当だったのだが、

1979年から4歳以上でも出走できるようになっている。

その頃にはパリ大賞が三冠最終戦という位置づけになっていたようである。

凱旋門賞と同じコースで行われるので、この点でも先につながるレースと考えられている。

時期や距離は違うけど、日本で言うところ菊花賞みたいなもんだね。

ジャンロマネ賞は8月に行われる2000mのレースで、

去年までは4歳以上の条件だったが、今年から3歳でも出走可能になるそう。


というわけで日本に例えるなら、

ダービー・オークス・宝塚記念・菊花賞・秋華賞・天皇賞(秋)の優勝馬に、

ジャパンカップの優先出走権と登録料免除が与えられると言っているようなものである。

ジャパンカップは2週間前に登録して30万円払うだけだし、

直近のG1で勝ってるような馬が除外されるのはまずないですけど。

ただ、凱旋門賞は5月に登録するのを忘れると、高額の追加登録料が必要なので、この特典の恩恵は結構大きい。

で、実は登録料免除というのは追加登録に限った話ではなく、

事前に登録していた場合でも、前哨戦を勝つと登録料が返還される。

それいる? という気もするけど、本来通り登録した人が不利にならないようにでしょうね。


目的は地元勢の囲い込みでしょうね。

本来は事前に凱旋門賞登録してダービーだの出走して欲しいけど、

それをしなかった場合でも追加登録なしで凱旋門賞に出られますよと。

このようにすることで凱旋門賞の出走馬が充実することに期待していると。

日本馬の遠征補助に比べればずいぶん堅実な話じゃないかと思った。


さっきも書いたが日本では3歳馬5大特別競走登録(クラシック登録)以外は、

G1でも2週間前の登録でよく、登録料はせいぜい30万円である。

クラシック5競走にしても、200万円払えば追加登録ができる。

秋に行われる菊花賞は追加登録での出走も目立つレースである。

凱旋門賞の追加登録が12万ウロ(約1960万円)と高額なのを考えれば安いですよね。

菊花賞は10着でも出走奨励金(賞金)が400万円出ますからね。

ちょっと自信があれば200万円払って出ますよね。


指定競走優勝馬に登録料免除を与える仕組みは、

アメリカのブリーダーズカップのBCチャレンジでも見られる。

日本では安田記念がBCマイルの指定競走で、2023年にはこの権利を使ってソングラインが参戦している。

他にも日本にはBCチャレンジの指定競走はあるけど、なかなか見合ってないかな。

もっともBCチャレンジの優勝馬は出走登録料は免除になるが、

現役馬登録料は免除にならないので、ここが障壁になることがある。

北アメリカ産以外であれば、父親の種牡馬登録があれば産駒登録は免除されるが、

北アメリカ産で当歳時に産駒登録していない場合、あるいはそもそも父親の種牡馬登録がない場合、高額の現役馬登録料が必要になる。


日本では登録料免除というのは響かない施策ではあるが、

奨励金などの形で地元の実績馬を集めようというのはある。

有馬記念・宝塚記念のファン投票上位馬の特別出走奨励金ですね。

あと、本来は外国の実績馬を集めるための制度ではあるが、

ジャパンオータムインターナショナルの指定外国競走優勝馬の褒賞金は、

例えば、ドバイシーマクラシックを優勝した日本馬がジャパンカップの出走する場合にも適用される。

2022年のシャフリヤール、2023年のイクイノックスがこの転戦をしていて、

結果として日本の実績馬の囲い込みに役立っていることもある。

今年はダノンデサイルがこの権利を持っていますが、果たしてどうでしょうか。


さて、凱旋門賞といえば、日本からレガレイラは行くだろうという話だが、

日本ダービーを優勝したクロワデュノールも登録している。

日本では三冠の権利を持っていれば、よっぽどでなければ菊花賞へ向かうだろうが、

クロワデュノールは皐月賞で2着惜敗し、三冠の権利を持っていない。

まだどうするという話もないのだが、果たしてどうなんでしょうね。

そりゃ日本のダービー馬が凱旋門賞に来ると言えば、フランスギャロは喜ぶでしょうけど。

そうはいっても順当に言えば菊花賞だろうという気もする。