北陸新幹線のルートについて、前々から敦賀~小浜~京都~学研都市(松井山手)~新大阪 と結ぶ方向ではあったが、
これでほぼ固まったようで、このとき京都市内の駅は桂川駅に併設される案で行くようである。
ここに至るまでのプロセスは気になるところはあるけど、結果は妥当かなという気はする。
この小浜~京都というルートはトンネルありきではあるものの、
かつて鯖街道との1つである周山街道(国道162号線)のルートである。
(もっとも一般に鯖街道と言えば現在の左京区を経る若狭街道を指すが)
かつてこのルートには国鉄バスが設定されており、現在もその一部が高雄・京北線として残存している。
このような観点では歴史に裏付けられたルートということもできる。
この周山街道の福王子付近と松井山手駅を概ね真っ直ぐ結ぶと桂川駅付近を通る。
桂川駅を経由するのはこのようなルートの合理性が1つの理由である。
かつての北陸新幹線の計画では大阪まで直線的に結び、亀岡市内に駅を作ることになっていたが、
この場合、京都市内との往来が制約の多い嵯峨野線になるのに対し、
桂川駅の場合はJR京都線(東海道本線)なので京都駅との往来がよい。
あと、洛西口駅も近いので、ここまで行くと四条方面との往来もよい。
もっとも桂川駅への新幹線駅併設はけっこうな大工事になると言われている。
京都市の郊外とはいえ地下駅となり、地下構造物の都合で相当深くなる。
深い地下から這い出てきて、京都駅まで2駅というのは、あまり便利ではないのでは? という話はある。
この点で対照的なのが京都駅の南側に駅をつくるという案だった。
ここだとそんなに地下深く掘る必要はないし、歩く距離もそこそこである。
工期も桂川経由より若干短く、費用面もそんなに高いものではない。
この点では有力とみた人もいたようだが、不採用となりそうだと。
計画図を見る限り、このルートは主に堀川通・油小路通で京都市街を縦断するものである。
このルートは都市高速が作られたり、計画ルートになったりしており、
京都市街では比較的開発の余地があると考えられているエリアでもある。
この地下をズドンと抜けようという話ではあるのだが、
その周囲に目を向けてみると、地域の理解を得ることの難しさを感じるものもある。
現在の近鉄京都線、当初の構想は伏見エリアを地下で通過するものだったらしい。
ところが当地は酒造りが盛んな土地で、地下水に影響があっては困るということで、
高架構造が採用されたという経緯があるそうだ。
このことは北陸新幹線の計画を立てる上でもかなり慎重に考えたようで、
京都駅から久御山車両基地まで直線的に向かうのではなく、早々に桂川を渡っている。
南側のルートがなかなか無理がありそうに見えるのはこの都合である。
京都市内を縦断する地下鉄道といえば、やはり烏丸線が筆頭でしょうが。
烏丸線が開削工法で作られたが、これがとても大変だったのである。
地表から掘っていくといろいろ遺跡が見つかるからである。
この埋蔵文化財の調査に時間を要したことからハケで掘った地下鉄なんて言われることも。
このように想定外に時間を要するリスクが高いのが京都市街の地下工事である。
さらに烏丸線は地下水への影響も大きく、まだ当時は井戸水を使う世帯も多く、問題になったという。
このあたりは北陸新幹線の懸念事項としても言われているところである。
ただ、これらの問題はシールド工法ではほぼ問題にならない。
シールドトンネルは地下水位への影響が生じにくい。
地表から掘り進むと地下水脈の分断などが避けられないが、シールド工法であれば防げる。
また、地表を掘らなければ遺跡が出てくる心配もない。
このため、例え京都駅を通るルートであっても沿線への影響はほとんどないと説明は出来る状態にあった。
ただ、これまでの経緯もありそれなりの苦労はあるだろうと。
課題はまだいろいろあるんですけど、桂川経由で腹をくくれば話は進むのかなと。
次の大きな課題が建設費である。長大トンネルに京都市内や大阪府内の地下トンネルなど、
新大阪~敦賀の工事費が高いということは散々言われていた。
B/Cが1を超えないという問題は、新大阪~高崎全体で計算することで乗り越えられることになった。
ただ、依然としてこの区間の建設費が高額であるという問題はある。
誰がどのような割合で負担していくかというのは難しいことで、
行政としてはできるだけ貸付料で賄うようにしたいという話はあるものの、
JRとしては貸付料が増えるのは嫌がるので、この調整が難しい。
北陸新幹線の高崎~長野の開業からそろそろ30年となり、ルールの見直しの機運もある。
北陸新幹線全体としてはJR西日本・東日本とも貸付料を払う余地はあるので、
どれだけの額をどれだけの期間払ってもらうか。これが問題でしょうね。