JR九州がQRコードで直接乗車できるサービスを来年秋から始めるらしい。
~「JR九州インターネット列車予約」の利用がスマホで便利に~ QRコードを使用したチケットレスサービスの導入について )pdf) (JR九州)
JR九州は駅窓口の営業時間が限られている割に、指定席対応の券売機の設置状況がよくない。
また、博多駅は多くの利用者が集中する割にこれらの体制が手薄で、
繁忙期には券売機・窓口に大行列を成している状況である。
信じられないことだが、西九州新幹線の嬉野温泉駅は、
みどりの窓口 は7:30~19:30の間、休憩のためか40分間の不在時間が3回ある。
新幹線駅なのにみどりの窓口が列車運行時間をカバーできないのかというのはあるけど、
問題はインターネット予約をしてもみどりの窓口でしか受取ができないこと。
この駅には自由席用の自動券売機しかないためである。
特急停車駅には指定席券売機ぐらい置けよという話なんですが。
で、この問題を打開する方法が自動改札機をQRコードで通過できるようにすることだった。
乗車券・特急券一体タイプの商品を使うことが前提でしょうが。
対象は博多駅を発着する在来線特急と西九州新幹線となっている。
九州新幹線については、すでにEX予約(スマートEX含む)が導入されているのはあるんだと思う。
これで博多駅発着の特急は条件を満たせば全てチケットレス化できますね。
と、そういう主張なのだと思う。
あとはQRコードを使うんですねという話もある。
SUGOCA自体は各県庁所在地周辺では導入されているが、
北部九州はつながっているけど、他はエリアが分かれている。
JR西日本のように特急利用を想定してエリアをつなげるという考えもあると思うが、
そういうところに手を入れずにやりたいという意図があるんだろう。
もしも乗車券がICカードで済むならば、特急券だけチケットレス化すればよい。
もっとも西九州新幹線が絡む時点で乗車券だけをICカード化するのは難しく、
それならば乗車券・特急券一体型のQRコードでというのも理解できなくはない。
客の端末で表示したQRコードで乗車できる仕組みはいくつか導入されているが、
よく知っているのは近鉄の「デジタルきっぷ」である。
近鉄では前日までの購入が条件となっている割引きっぷがいろいろある。
で、遠方の人は近畿日本ツーリストなどの旅行代理店で購入するか、
あるいは送料を払って事前に通販で買うことも出来るが、どちらも容易ではない。
そこで「デジタルきっぷ」として一部の割引きっぷを発売することになった。
これが入口であると理解している。(デジタルきっぷオリジナル商品もあるが)
現状は導入駅が限られる都合、全てのケースをカバーできているわけではない。
当初は名古屋~伊勢志摩エリアに限られていた。今は大阪・京都~伊勢志摩もカバーするようになったが。
なお、近鉄は2024年度中にほぼ全ての駅にクレジットカードのタッチ決済を導入することを表明しており、
自動改札機への取付図にはQRコード読取り部も表記されている。
このためそう遠くないうちに 週末フリーパス のデジタルきっぷ版も出てくるかも知れない。
JR九州と同じようなことを考えている会社にはJR東日本があり、
こちらもICカードのネットワークが手薄な東北エリアでの導入を考えているとのこと。
2024年度下期からとのことなので、ほぼ同時ぐらいになるのかも。
JR西日本の特急運行区間はできるだけICカードを導入して、
その上で特急券をチケットレスで利用できるようにするというアプローチは、
悪くはないんだが西日本管内だけ見ても不完全な部分がある。
それが智頭急行である。スーパーはくと で関西~鳥取を利用すると、
智頭急行を通過するが同社はICカードを導入していない。
というか導入してしまうとJR内完結か智頭急行経由かの判別が付きにくくなる危険もある。
全区間でチケットレス特急券は導入されているのだが、きっぷは別途用意しなければならない。
また、新幹線・在来線特急をまたいだ割引きっぷにも対応しにくい。
制度上の乗継割引は来年春で廃止となるが……
ただ、サンダーバード・しらさぎ~北陸新幹線の特急料金通算はできるし、
そこはどうするんだろうね? e5489での対応はまだ公表されてないが。
というわけでJR九州が導入に迫られた背景はこの通りなのだが、
他社でもこういう問題が生じていないということはない。
なので他社でもQRコード対応改札機の導入は進むのでは無いか。