最近クレジットカードの話題が多いんですけど、これも話題にしておこうかなと。
先週から発行が開始された新しいセゾンカードである。
何がデジタルなのかというと、申し込みして即時にWebでデジタルカード(バーチャルカード)が発行されることと、
追って発行されるプラスチックカードがのっぺらぼうであること。
今までもバーチャルカードを即時発行するカード会社はありましたけどね。
Webから申し込むと、すぐにアプリでカード番号が表示され、
スマートフォンのNFC/Felicaに設定するとiD決済でイオンなどで使うことができる。
イオンカードにとっては後者の方が恩恵が大きいかな。(20日・30日とかね)
申込み後、追って通常のクレジットカードが送られてくる。
同様の仕組みは三井住友カードも導入している。
セゾンカードも考え方はほぼ同じなのだが、特色は送られてくるカードがのっぺらぼうなこと。
カード番号やセキュリティコードはアプリで表示できるので、それならカード自体には何も書かないと。
一応、名前だけはカード面に表示されるようだけどね。
これでインプリンタを使って番号を書き写すような店(もう日本ではありえないけど)でなければ使える。
すでに「Electoric Use Only」と記載されたカードは普通に使われているので、特に問題なさそう。
それって意味あるの? という話はあるのだが、意味はあるかも知れない。
というのも、以前に母が言ってたんだと思うけど、クレジットカードの利用明細に不正利用らしきものがあった。
インターネットでの不正利用で、カード会社に問い合わせたら、加盟店に連絡するようにとのことで、
加盟店に連絡すると、不正利用と確認が取れて、この利用は取消となったそうである。
その後、不正利用を受けたということで、カードは再発行となり、カード番号も変わったそうである。
金銭的な被害はともかく、こういう形でカード再発行というのは二度とごめんだということで、
再発行を受けたカードを含めて、カード裏面のセキュリティコードを隠すようにシールを貼ったそうである。
そしてセキュリティコード自体は別途控えておいて、インターネットでの買い物ではそれを見ているそうだ。
今は日本国内だとICチップを使った暗証番号取引が基本になったから、
クレジットカードが目の届かないところに持って行かれることも減ったと思うけど、
ちょっと前までは百貨店などでは珍しいことではなく、そうするとカード両面の情報を転記することは可能だった。
こういう懸念は確かにあるわけですよね。
カード会社はインターネットの加盟店には3Dセキュアの導入を推奨しているわけだが、
チャージバックのリスクを取れば、カード番号+セキュリティコードでの決済は問題ないし、むしろ主流である。
PayPayも当初は3Dセキュア導入してなくて、現在も必須ではないのはその1つ。(cf. どうしてd払いが狙われた?)
それなら転記されないように番号を書かないというのが、クレディセゾンの答えだったようだ。
本質的に利用者にとってのメリットかというとよくわかんないけどね。
ただ、実際にこういう問題が起きていたのだから、不安に思う利用者がいるのは不思議ではない。
今のところは比較的ベーシックな3種類のセゾンカード(2種類は機能的には同じ、1種類はAMEXブランドというだけ)が対象だが、
セゾンカードは多くの提携カードがあるので、提携先次第ではこのタイプのカードも増えるんじゃないか。
提携先がQUICPayを導入していれば、Apple Payで即時使えるわけですしね。(Google Payも来年1月対応予定)
あとはインターネットでの利用を想定したカードなら、もはや番号だけでもいいわけですよね。
セゾンカードの提携先だと千趣会(ベルメゾン)あたりかな。
なお、日本国内のクレジットカードではバーチャルカードのみで即時発行のものはないようだ。
なんやかんや言っても実店舗では限定的にしか使えないのはカード会社にとっても惜しいんでしょうね。
プリペイドカードではLINE PayカードとKyashがバーチャルカードのみの利用が出来る。
いずれも申し込むとプラスチックカードが発行されるので、フルバーチャルにするかは選択制だね。
ただ、今後NFC/Felicaでの決済カバレッジが上がっていくと、それで問題なくなってくるかもね。
いろいろなカードがスマートフォン1つにビルトインされると、切替が面倒という話もあるでしょうが。
持ち歩くカードを減らしたいのは僕の切実な願いなんだけど、その切り札にならんかねって。
いや、別にこれ自体はプラスチックカードを不発行にする話ではないんですけどね。