日本でハラールな生活

昨日、マレーシアからお客さんがやってきて、それでもてなすためにお菓子を出そうということになったようだ。

それでお菓子を準備していたのだが、「これってムスリムにとって食べれるものなのかな?」と指摘した学生がいた。

調べたところ問題なさそうだということで出したのだけど、そういや食事にいろいろ制限あるんだよなぁ。


ハラールとは (日本ハラール協会)

よく言われるのは豚が食べられないということだが、これはイスラム教の教えでは豚と犬は不浄だからということらしい。

その指摘した学生は実家で犬をたくさん飼っているのだけど、以前、ムスリムと話していたときに言ったら驚かれたなんて話を紹介してた。

一番目立つのが豚とアルコールだけど、他にもいろいろ細かい事が書いてある。

豚のことについて言えば豚の加工品もいけないとか、調理器具も触れないようにしないといけないとか。

ただ、基本的な考えとしては、清潔で健康的な食事を食べなさいよということだとも書かれている。

その基準にイスラム教の考えが深く関わっているという話なのよね。


ところで、最近、マレーシアやインドネシアから日本にやってくる人が増えているそうだ。

これを受けて関空では日本初のムスリムフレンドリーエアポートを目指すんだと環境整備を進めているようだ。

訪日イスラム観光客にご満足いただける空港を目指して~日本初のムスリムフレンドリーエアポートへ~ (関西国際空港)

イスラム教では1日5回、礼拝を行うことになっている。

しかし日本では各自で礼拝をするという習慣を持っている人はほとんどいないから、なかなか静かに礼拝できるところがない。

なので祈祷室を用意してはいたのだけど、制限エリア内にはなかったし、使いにくい面もあったようだ。

そこで制限エリア内に祈祷室を2つ増設して全部で3つの祈祷室を使えるようにして、

さらに男女別室にして、身体を清めるための設備も設けるようだ。

この祈祷室はムスリムでなくても誰でも使えるけど、圧倒的にムスリムの利用が多いので、それを想定して設備を整えるということだ。


あともう1つが食事のことだが、これまた日本にはない習慣だから難しい。

ただ、うどん と そば の店がハラール対応できるということで、レストラン2店舗がハラール認証を取得したようだ。

確かに豚は使わんからな。ちょっとの工夫で対応できたようだ。

さらに、完全なハラール対応はできなかったものの、

材料に豚とアルコールを使わないメニューなら用意できるとした店が他にいくつかあるようだ。

完全な対応ができないというのは調理器具が触れないようにするところだろうね。

まぁできる限りの配慮はしましたよということで、それでよしとするならどうぞということだな。


どちらも日本にはない習慣だけに難しい面もあるのだが、せめて空港ぐらいはということでやっているのだろう。

あとは宿泊施設だよな。

ホテル日航関西空港でも全客室にメッカの方向を示すキプラを設置して、礼拝用の道具を貸し出すとか、

豚・アルコールを含まないメニューの提供を行うと書かれているし、

その他のホテルでもムスリム対応のために動きを見せているところもあるようだ。

なかなか街中までムスリム対応というのは日本では難しいけど、できるところからやっていくしかないよな。

食事についても完全にハラールは日本では現実的ではないが、

できるだけの配慮として豚とアルコールを使わないという選択肢は用意できるといいのかな。


ハラールであるということは、ムスリムでなくてもよいものだ、

なんて日本ハラール協会の説明には書かれていて、確かに正しいのかも知れない。

ただ、日本では豚だって食べるし、アルコールだって飲むことを前提に文化が形成されてきた。

そんな中で日本にいて、信仰を貫き通すには限界があるよなぁ、なんてそんなことを考えてならない。

実際、どう考えてるんだろうね。どっか妥協点を見いださないとつらいよなぁなんて。

逆に言えば、イスラム教の国にいけば、ムスリムでなくてもハラールであることを考えないといけないんだろうが。

食品を輸出するときにハラールであることを認証を受けてやらんと商売にならんとかそういうことよな。