電動キックボードを試す

Blogでしばしば特定小型原動機付自転車の話を書いているが、

この代表格というのは電動キックボードであり、特にLUUPのシェア電動キックボードである。

実は近所にもステーションがあって、お出かけに使えなくもない状況である。

これを知らないで特定原付を語るのもどうなんだろうかと思い、

お試しで近所のお出かけに使ってみた。


お試しで、というのはSNSに貼ってあるクーポンと誰かの招待コードを入れれば、

乗車30分無料クーポンが2枚入手できるので30分で往復できるところからタダで試せると。

先に書いてしまうのだが、LUUPの電動キックボード・自転車シェアサービスは結構高い。

基本料金50円に、時間料金が1分ごとに15円である。

時間料金がかなり重くて、1回借りて20分乗車して350円となる。

それならバスの方が安いでとなる。

参考までにドコモバイクシェア(赤い自転車)は30分あたり165円である。

そもそもLUUPの展開しているエリアは大都市圏のごく一部に借りられる。

旅先で借りるようなシチュエーションもなかなか思いつかない。

それでバイクを自分で買って、旅先に運ぶなんて発想が出てきたんだけど。


まず、アプリに登録するが、電動キックボードを使う場合は本人確認書類とクレジットカード番号の登録が必要である。

本人確認書類はマイナンバーカードをスマートフォンで読み取る方法でいける。

乗車時には乗車場所・返却場所を指定する。この返却場所ってのがポイントである。

空車のところから乗れないのは当然だが、満車のところには返せないのである。

結果として目的地から2番目に近い場所に返却することに。30台ぐらい置けるらしい。

この目的地近くに車を置けるということがシェアサービスにとって重要で、

満車かそれに近い場所から乗車して他の場所まで乗ると割引なんていうキャンペーンもある。

なお、乗車後に返却場所を変えることも可能で、とりあえず同じ場所に返却することにして乗車するという方法も提案される。


到着するとどの車にするか選ばされるのだが5桁の管理番号と電池残量が見える。

今はまだ一般原付用のナンバープレートのついた車もけっこうある。

当初は道路交通法上の扱いが小型特殊自動車だったやつである。

なんとなく新しい車の方がいいかなと四角いナンバープレートの車を選んだ。

するとナンバープレートの番号で、これに乗れと出てくる。

ロックが解除されて、ウインカー兼最高速度表示灯が光り、始動できるようになる。


まずは歩道を押し歩き。まず長くて曲がりにくい車だなと思う。

公道走行を想定した電動キックボードのホイールベースは足で蹴る遊具のキックボードに比べると長い。

直進安定性を考えるとこういう形になるようで、自転車並みですかね。

それなら悪くなさそうだが、タイヤ径の小ささから小回りが利きにくいようである。

で、発進するのだが、LUUPの電動キックボードは初速を付けてスロットルを押さないと動かない。

なんでこんな仕様なのかな? と思ったけど誤操作防止のためかなと思った。

スロットルを押しながら初速を付けた方が楽な気がしたが、

説明には「アクセルは助走した後に押しましょう」と書いてある。

いきなりフルスロットルというのもどうなのかという趣旨だろう。

もっとも自分で持っている特定原付のバイクに比べると加速はマイルドな印象。


走り始めれば自転車同様ですよね。

あ、そうそう。家から自転車用のヘルメット持って行っているし、

荷物を入れるにもカゴがないのでリュックサックで、帰りは雨の可能性もあったからカッパも入れている。

そこまでしてLUUP使うやつそうそうおらんやろという話でしょうが。

煩わしいなと思ったのは停車するたびに初速を付けて発進しなければならないこと。

赤信号・二段階右折・止まれ標識・横断歩道(横断者がいる場合)など一時停止が求められることは多くある。

こういうのをきっかり止まる自転車は多くない印象もあるが……

特定原付も自転車や自動車同様にこれらの場所では一時停止しなければならない。

ただ、完全に止まってしまうといちいち初速付けて始動なんですよね。

減速しても完全に止まりきらなければ再加速するのは楽だけど、一時停止が必要な場所でそれじゃあダメですからね。

誤操作防止の意義は理解しつつも、それで安全運転が阻害されるのもねと。

逆にうっかり誤操作してしまったのが歩道モードへの切替。

スロットルの近くにボタンがあって、停止時にうっかり押してしまうとわりとすぐ変わる。

加速が悪すぎておかしい、と思ったら最高速度表示灯が点滅してて、あれれと。


電動キックボードは立ち乗りなので自転車に比べると視野が高い。

乗ってても変な感じだが、重心が高いので安定性が悪いとは言われる。

少しでも重心を下げようと床下に電池を格納してるんだろうけど。

乗車部も両足乗せるには狭いんですよね。

ただ、正しい乗車姿勢として「ボードの真ん中に両足を乗せて立っている」とあるので、

両足を横並びに乗せるのは正しいんですよね。そりゃそうだよね。

もう少し幅が広い方がいいのかな? と思ったけど自転車のペダルも足全部乗りきらないか。


目的地近くにやってきて返却場所はどこなのかとアプリで地図を見る。

往路はスマートフォン取り付け台の使い方がわからなかったので、

道の端に停めてポケットから出して見ていたが。そしたらちょうど曲がるところだった。

幹線道路から細街路に入って少し行くと家の脇に30台ぐらい置けるというステーションがあった。

昔はバイクの駐車場に貸していたのかなというような区画線が見えたが5台程度。

電動キックボードは幅が狭いのでかなり詰めて置けるんだなと。

こういう台数の置けるステーションを目的地になりやすい駅などに確保できるかが重要だと。

置いた後で写真を撮影して完了となる。


帰りは目的地近くのステーションから乗車する。

途中で買い物のために一時停車機能を使う。

この間も料金は発生するが、30分内には入るだろうと言うことで。

一時停止中は電源が切れて車がロックされるのだが、

そういえばLUUPって押し歩きのときも電源入れっぱなしだよなと。

バイクで押し歩きするときはエンジンを切らなければならないというので、

バイクで押し歩きするときはキーを回して電源切って押してるけど、LUUPはそれできないよね。それってどうなんだろ?


LUUPの利用者がルールを守らないのが多いとか、そういう課題はさておき、

まともに使っててダメだなと思ったのが車両の整備不良である。

往路で乗った車はウインカーのボタンが取れていた。

選んでからおかしいことに気づいて、どうしょうもなかったのだが……

一応、むき出しになってるスイッチを押せば反応したので、ウインカーなしで運転することはなかったが……

復路で乗った車は信号で停止するときにブレーキ距離が思ったより長い。

変な気がして返却時に後ろから見てみたら、タイヤの溝が見えない。

径の小さなタイヤで使用頻度が高いのですぐ擦れてしまうんだろうな。

こういう問題点は返却時に報告できて、報告すると30分無料クーポンが出てくる。

結果として30分無料クーポン2枚使って、2枚受け取ることになった。

当たり屋みたいだが、どっちも実際に問題だしなぁ……


タイヤ径の小ささによる問題はけっこうありそうな気がしたな。

世の中には自転車形の特定原付のレンタルをやっている業者もありますけどね。

ただ、商売として考えたとき、キックボード形のメリットはありそうで、

1つは狭いスペースに多く駐車できること。

LUUPは自転車も展開してはいるが、それよりも電動キックボードの方がコンパクトなので、そちらに台数を振り向ける傾向にあるようだ。

もう1つは運搬しやすいこと。シェアサイクルでもそうだが、

整備やステーション間の偏りを補正するために回収して運搬することがある。

充電だけであればバッテリーパックの交換という方法もあるが。


結局のところ、ステーションの立地の良さを求めればLUUPは強いのだろう。

バイクで行くと駐輪場に困るなぁと自転車を選ぶのはまさにそうなんですが。

LUUPの料金が高いなというのは正直その通りなのだが、

駐車場代も含んでいると考えればそれなりに値打ちはあるのかもしれない。

ただ、目的地近くのステーションが空いているか、出発地に車がいるかというのがあるので、

往路はよいが、復路はダメみたいなことも起きかねないのだけど。


というわけでメリット・デメリットをいろいろ確認できたかなと思う。

今後使うことがあるかどうかはわからないけど、無料クーポン2枚あるので機会があれば……

無料なら今回のような使い方は悪くないですけどね。