今日は韓国のソウル競馬場でコリアカップ・コリアスプリントが行われていた。
国際招待競走で2022年から国際G3となっている。(元々ローカルG1ではある)
今年は両レースに日本から3頭ずつ招待されている。(うち1頭は直前に取消になったが)
昨年は2頭ずつ、2022年は1頭ずつだったので、だいぶ参戦しやすくなったなという印象は受ける。
韓国の競馬は全てダートで行われ、日本の地方競馬に似ている点が多い。
少し前まで騎手服が採用されていたのはその一例である。
賞金水準も日本の地方競馬の高いところぐらいらしい。世界的には高水準だな。
韓国産馬と外国産馬(主にアメリカ産)のレベルの差が大きいなどあるようだ。
そんな韓国競馬も国際化だということで2016年にコリアカップ・コリアスプリントが創設された。
ただ、ダートの実績馬を送り込んでくるのは日本ぐらいである。
近国だと香港からの遠征もあるけど、ダートってのはあんまりみたいですね。
(香港でも「泥地」というのはあるが、オールウェザーのことである)
ダート競馬といえばアメリカだが、なかなか遠征に消極的である。
日本馬にとってみればコリアカップ・コリアスプリントは貴重なレースである。
確かに格付けこそG3ではあるが、定量戦なので実績馬でも負担重量は積まれない。
賞金もコリアカップが1着8億ウォン(8800万円)、コリアスプリントが1着7億ウォン(7700万円)、
ダートだとG1級の賞金じゃないかな。実際、韓国ではG1なわけですからね。
国ごとの枠があるので選定されるハードルは高いが、選定されれば大きなチャンスである。
さらに今年からブリーダーズカップチャレンジの指定レースになった。
これもまた日本勢にとっては大きなモチベーションである。
で、結果なんですけど両レースとも日本勢が1・2着を独占する結果に。
コリアカップを勝ったクラウンプライド、コリアスプリントを勝ったリメイクはいずれも昨年に引き続きの連覇である。
どっちもG1で上位に入るような馬ですから、そりゃ強いわな。
韓国勢はコリアカップは3着に昨年のダービー馬Global Hitが入ったが、
コリアスプリントは外国勢には全く叶わず4着まで。
韓国馬は短距離ではそこそこと言われていたが、今年はさっぱりだった。
さて、先ほど書いたようにこのレースはG3でありながら、BCチャレンジの指定レースになっている。
これまでアジア圏のBCチャレンジ指定レースは日本の4レースだけだった。
- フェブラリーステークス → BCクラシック
- ヴィクトリアマイル → BCフィリー&メアターフ
- 安田記念 → BCマイル
- 宝塚記念 → BCターフ
昨年に安田記念を勝ったソングラインがBCマイルに参戦している。(結果は5着)
でも、BCマイル以外は活用されてないですね。他はこの転戦はないと思う。
それで今年から韓国の2レースが追加されて……
- コリアスプリント → BCスプリント
- コリアカップ → BCダートマイル
コリアスプリントについてはBCスプリントの前哨戦を意識して集まったのは間違えないが、
コリアカップってBCダートマイルの指定レースなの……1800m戦なのに?
ブリーダーズカップのレースは基本的にダートで、芝レースには「ターフ」と付けるのが普通だが、
マイル戦だけは芝が「マイル」で、ダートが「ダートマイル」なんですよね。
ダートマイルは2007年創設の比較的歴史の浅いレースであることに由来する。
どうもアメリカ競馬ではダートのマイル戦に格式の高いレースがあまりないらしく、
1200mと2000mの中間として創設したが……という感じらしい。
そういう意味では穴場かもしれないし、実際2019年に韓国のBlue Chipperが3着に入っている。
(もっともBlue Chipperはコリアスプリントからの転戦である)
韓国にBCクラシックの指定レースは早いと思われたのだろうか。
と、ちょっと不思議なところはあるが、日本勢のBC前哨戦として重宝されそうなレースである。
リメイクはBCスプリントで間違えないみたいね。
なにしろ日本競馬のレース体系がBC遠征に必ずしも適していない中で、
コリアスプリントは条件面からよい前哨戦と言えそうだし、
コリアカップもダートマイルかはさておきBC前哨戦という使い方は想定されそう。
今後、韓国馬のレベルも上がってくることは期待されるが、
そんな中でも日本からの遠征は止まらないんじゃないかなと思いますけどね。
日本勢が苦戦するほどレベルが上がる頃には国際G1になってるんじゃないの。