フリーアドレス化を拒んだ結果

職場でかなり久々に席替えがある。

組織変更や人事異動がきっかけで席替えというのはあるけど、

今回の目的はそうではなく、他部署の作業場が引っ越してくるから。

このために当部の事務エリアを大きく縮小する必要が発生したのである。


この職場の入居するビルは社内では比較的新しい方のビルである。

相当経年したビルと比べれば相対的に……って話なんですが。

建物の構造としてはよいと思うのだが、机・椅子などは什器は古いように思う。

ある時期に立て続けにオフィスの椅子が壊れて、これはまずいと思ったか、

他の部署のお下がりの椅子に入れ替えがされて快適になったというのはある。

お下がりかよ! という感じはあるけど、上等なものではある。


老朽化したビルの改装の方が優先度が高いのは致し方ないところだが、

そんなところでうちの職場にフリーアドレス化という話が出てきた。

まず、隣のビルが工場建築の古いビルでいろいろな問題を抱えていた。

このビルの中身を一新する工事が行われた。

工事完了後、元々入居していた部署に加えて、他のビルから引っ越してきた部署があった。

実はこれも他の老朽化したビルからの引越である。

このビルに手を入れるための準備として引っ越しさせたという側面もあるようだ。

ただ、作業場までは入らなかったので、これをうちの部署のフロアに持って来たいと。

それにあわせて什器を刷新してフリーアドレス化しましょうという話があったわけである。


総務からの提案はこうだったが、部長らはフリーアドレス化に反対だった。

昨今の状況においては、社内では出勤者が比較的多い部署であるとか、

ワークステーションを使うメンバーが一定数いるとか考慮した上である。

将来的なフリーアドレスへの移行も念頭に置いて、

フリーアドレス用のロッカーを整備してかさばる物はここに入れて、

机も一新して、狭くなった事務エリアを広々使えるようにしようと。

それでいいじゃないかという主張である。


しかし、事務エリアの刷新方針が決まらないうちに縮小を命じられ、

今のままの机で詰めて詰めて、他部署の作業場のスペースを捻出しなければならなくなった。

空席がそこそこあるので、詰めれば入ってしまうようである。

でも、話が違うじゃないか! と思ってしまうんだよね。


フリーアドレス化への抵抗をあらわにしなければ、机の入れ替えが先行したのだろうか?

来期以降に事務エリアの刷新について総務に申し入れを行うとは言っていたけど、

作業場の確保が出来てしまえば優先度は下がりそうなもので、果たしてどうなることやら。


部長らがフリーアドレス化に抵抗を示したのは理解できる面はある。

社内でもフリーアドレスを導入した部署はいろいろあって話は聞くのだが、

自分の席がないので出勤する気が失せるという人がけっこういる。

フリーアドレス化により明確に座席が減った部署もあるようである。

こうすると部署の座席に座れない人が出てくることも考えられるが、

その場合は近くの全社共有席を使うこともできるとはいうが、

それならば在宅勤務でいいじゃないかという考えになるのは致し方ない。


フリーアドレス化の目的としてスペースの有効活用ということがある。

実際に出勤している人数分の座席があれば足りるのだし、

事務作業の適した席と打ち合わせに適した席をあわせて人数分確保するなら、

各自の座席と打ち合わせスペースを別々に用意するよりは少なくて済む。

総務がフリーアドレス化を推奨したのはいろいろな名目はあるんだろうが、

フリーアドレス化が進めば、オフィスの縮小が可能となる。

その先には老朽化したビルを改築するのでなく、取り壊す道も出てくる。


隣のビルの改装によるメリットは享受しているんだけどさ。

会議室が充実するようになったし、打ち合わせなどにも有用そうだし。

一方で今回の席替えは巻き添えという思いがぬぐえない。

それでも机とかが交換されるならしゃあないなと思ったんだけど。