2028年のロサンゼルスオリンピックでの追加種目が決まったという話。
IOC ロサンゼルスオリンピック 追加で野球など5競技の採用決定 (NHK)
野球・ソフトボール、クリケット、ラクロス、スカッシュ、フラッグフットボールとのこと。
全部球技だし、スカッシュ以外はチームでやる競技なんだよね。
かなり意外だったが、それぞれ事情はありそう。
2021年の東京オリンピックでは、野球・ソフトボール、空手、サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングの5種目が追加種目となった。
このうち、サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングについては、
2024年のパリでも追加種目となった上で、2028年からは恒久的に採用された。
なぜこの5種目になったのかということを振り返る。
当時は野球・ソフトボールのオリンピック競技からの除外から日が浅く、復活も念頭に置いて追加種目として選ばれた。
ただ、これが野球・ソフトボールはチームの人数が多く選手数がかさむ。
選手数の総枠が定められている中で野球・ソフトボールを加えるのは大変で、
参加チームを6チームに絞り込んだ上で、野球では敗者復活戦を組み込んだ奇怪なトーナメントが採用された。
東京でやったはよいがオリンピック競技復活につながる気配はなかった。
そして、野球・ソフトボール以外は個人種目で選手数を抑えた。
スポーツクライミングと空手は国体にあったオリンピックにない種目である。
武道以外ではボウリングと山岳(クライミング)がその特徴にあてはまるが、
スポーツクライミングは近年人気が高まっており採用の納得感は高い。
そして武道の中では世界的な広がりが比較的ある空手が選ばれたと。
このほか、近年人気が高まっているスケートボード、サーフィンも選ばれたと。
これらの種目でも選手数の絞り込みは求められ、スポーツクライミングは複合種目で行われたが……
スピード・ボルダリング・リードの3種複合はさすがに無理があって、
パリでは独立種目のスピードとボルダリング・リードの2種複合になる。
でもそれぞれ独立種目でやってもよいぐらいの価値はあると思うんですがね。
長々書いたが、国内からのリクエストが強かった野球・ソフトボール・空手、
近年の流行を踏まえたスポーツクライミング・スケートボード・サーフィンと。
選手数の総枠を意識しながらこのあたりをうまく並べたということである。
近年の流行を踏まえた3種目はいずれも正式種目になったので、価値ある大会だったのでは。
それを踏まえてのロサンゼルスオリンピックの追加種目選定だが、
これほどチーム制の球技が多くなったのはプロスポーツとの関係を意識してとのことらしい。
野球はMLBが選手派遣を確約という話もある。
アメリカ・カリブ海・東アジアでは熱狂的な人気を誇る野球に、MLBのスター選手が参戦となれば確かに盛り上がるだろう。
クリケットについては、T20という試合時間が比較的短い形式が普及して、
この方式でのプロリーグが各地に設立、インドのIPLは世界最高峰のリーグという。
クリケットは世界的な広がりでは野球とは比べものにならないぐらい広い。
しかし、試合時間が長い傾向があり、ODI形式で6~7時間と1日がかり、
これではオリンピック種目にするのは大変。観るスポーツとしては長すぎる。
この問題がT20形式で打開されたことでプロスポーツとしての発展、オリンピック種目への道が開けたという。
フラッグフットボールはアメリカンフットボールを元に作られた競技である。
調べると子供のスポーツとして出てくることが多いが、大人の大会もある。
アメリカンフットボールはアメリカでは大人気でプロリーグとしてNFLがある。
本来、アメリカンフットボールは身体の接触が多いスポーツである。
ボールを持っている選手を止めるタックル、持っていない相手選手の足止めをするブロックなど。
ブロックはともかく、タックルすると攻撃が一旦止まるという要素はアメフトには欠かせず、
この部分をフラッグを取るという形に置き換えたのがフラッグフットボールである。
この形ならば小学生でも安全にアメフトっぽい競技が出来ると。
というと、いかにもレクリエーションスポーツっぽいのだが、
これが使えると思ったのがなんとNFLなのである。
プロボウルというオールスター戦が今年からフラッグフットボールになったのだという。
理由はケガを恐れて参加を忌避したり、試合の真剣味が薄れたからだという。
フラッグフットボールにすればケガする可能性は大きく減る。
これでスター選手の真剣なプレイが見られるようになることを期待したと。
で、これがうまくいけばオリンピックへのNFLからの選手派遣の道もあると。
ラクロスは北アメリカゆかりのスポーツとして。
通常は10人制らしいが、オリンピックでは6人制で行われるそう。
スカッシュはずっと追加種目候補にあったらしいが、やっと順番が回ってきたということらしい。
クリケットのT20形式の話を見て思い出したのが7人制ラグビーだった。
ラグビーをオリンピック種目にしたいという声は長らくあったのだと思うが、
15人制で前後半40分では試合間隔が詰められない。
(実際、ワールドカップは2ヶ月近くにわたって行われる)
そこで7人制にして、試合の流れが速くなる分、前後半7分と短い。
これならばオリンピックの枠内でもラグビーができるというわけ。
フラッグフットボールはなんでこれがオリンピック種目?
と思ったけどスター選手参戦への道と言われると納得した。
NFLからの提案でもあったんじゃないのかなぁ。
日本ではレクリエーションスポーツとしての普及に着目されそうですが。
これらの種目の中では野球・ソフトボールは選手数が多い問題が目立つ。
野球は7イニングス制というのはあるけど、それでも劇的な差とも言えない。
試合が詰められるので日程面ではいいんだけど……
このあたりの問題が積み重なってチーム数が増やせないのが実情だよね。
何か打破する策はないかとWBSCではBaseball5なんて開発したけど。
でもこれは決して野球じゃないんだよなぁ。
人数の多いチームスポーツで試合日程が詰められなくて……
という特徴に当てはまるオリンピック種目としてサッカーがあることに気づいた。
しかも男子はU23ということで世界チャンピオン決定戦とは言いがたい。
サッカー削れば、選手数も減らせて、会場確保もだいぶ楽になりそう。
でも世界的に人気があるスポーツだからオリンピックでやるんだろうな。
今回の追加競技はよくこんなに人数がかさむ種目を詰め込んだなと思う
ただ、いろいろ工夫はしたのかなという印象はある。
興行面での魅力を高めるためにMLBとNFLの協力を得る道は作ったと。
それでうまくいけば今後に続くかもしれないねと。
ただ、僕はもう野球・ソフトボールはオリンピックになくていいんじゃないかなと思うんだよね。
男子ではWBCが格式高い国際大会として成立するようになったこと。
20チームともっとも裾野が広い大会で、MLBの選手派遣もあり、今後も9イニングス制の見込みである。
興行面の都合やMLBの都合に振り回され、フェアとは言えない部分もあるのは難点だが。
女子については、日本では女子野球チームが充実してきた。
男子は野球、女子はソフトボールがオリンピックにつながる道だったが、
それが薄れたことが女子野球の充実につながったと考えたと。
女子野球も国際大会はありますが、日本一強というのが実情か。
しかし、これが世界的潮流になる可能性もあるのではないか。
中途半端にオリンピックでやるよりも、この方が値打ちあるんじゃないって。