普段は青ヶ島に来ない あおがしま丸の仕事

今日は本当に暑くて、日が落ちてから買い物に行っても暑かった。

ここ最近は昼間に職場など出かけて帰ってくると、地獄のような室温になっていることが多かったのだが、

そんな中で家にいると、冷房フル稼働でなんとか室温を保てる状況。

一体なんぼほど電気代がかかるのだか。


都道府県の中でもっとも南北に長いのが東京都である。

伊豆諸島・小笠原諸島がなければそんな話はないのだけど。

小笠原諸島には民間機用の空港がなくて遠いから本当に大変なんだけど、

八丈島や青ヶ島でも相当に遠い島である。

空路がある島もあるが、特に貨物輸送となれば海路の重要性は高い。

その海路はすべて東海汽船とそのグループ会社が経営している。


人の移動はジェット船や飛行機もあるが、貨物輸送にとって重要なのが貨客船だが、

  • 東京~大島・利島・新島・式根島・神津島 (さるびあ丸)
  • 下田~利島・新島・式根島・神津島 (フェリーあぜりあ)
  • 東京~三宅島・御蔵島・八丈島 (橘丸)
  • 八丈島~青ヶ島 (くろしお丸)
  • 東京~父島 (おがさわら丸)
  • 父島~母島 (ははじま丸)

()内には普段使われる船の名前を書いている。

この中でカーフェリーは フェリーあぜりあ が唯一なんですよね。

伊豆諸島・小笠原諸島の貨物輸送はコンテナ輸送が基本なんですよね。

トラックで船に乗り込んだりはできないんですね。


船というのは年に1回、点検のためドックに入るため航路を離れる。

だいたいどこの定期航路でもドック期間には特別な運行体制になる。

例えば2隻で毎日運行している長距離フェリーなら1隻で隔日運航になったりとか。

ところが伊豆諸島・小笠原諸島の航路はどれも基本的に1隻体制である。

2020年まで おがさわら丸 のドック期間は本当に欠航になっていたが、

さすがにこれは島にとって影響が大きいのでやりくりしている。


ここで重要な役目を果たす船が あおがしま丸 である。

2013年に就航して以来、八丈島~青ヶ島航路、週に1回は東京~青ヶ島の貨物輸送と使われてきたが、

2022年に新造船の くろしお丸 に代替されて、普段は青ヶ島に来なくなった。

普段は貨物船として乗客を乗せずに伊豆諸島各島に貨物を運んでいる。

そして時々、くろしお丸に代わって八丈島~青ヶ島航路に入るのだという。


というわけで各航路で普段使われる貨客船6隻のドック期間の対応だが、

まず 東京~大島・利島・新島・式根島・神津島 の さるびあ丸 のドック期間は、

単純にこの航路が欠航になる。なぜならば他の手段で代替しやすいから。

この区間はジェット船があるため、人の移動はそちらで対応できる。

さらに利島・新島・式根島・神津島は下田からのフェリーがある。

大島については平時から貨物便がほぼ毎日設定されている。

(このような貨物便で活躍する船の1つが あおがしま丸 である)

というわけでこの航路は欠航させてもなんとかなる航路である。


次は 下田~利島・新島・式根島・神津島 のフェリーだが、

ドック期間には くろしお丸 がやってくる。車両航送はできないが人と貨物が運べる。

この期間には青ヶ島に あおがしま丸 がやってくるのだ。

くろしお丸は近海区域では90人乗り、沿海区域では200人乗りとなっている。

青ヶ島は近海区域の船でないと入れないが、神津島までは沿海区域でよい。

一方のあおがしま丸は近海区域で50人乗りと、航行区域を制限しても定員は増えない。

くろしお丸の柔軟性の高さを生かすためには、あおがしま丸を青ヶ島航路に入れる方がよいという判断らしい。


東京~三宅島・御蔵島・八丈島の橘丸のドック期間には さるびあ丸が入る。

というわけで 東京~大島・利島・新島・式根島・神津島 の貨客船は欠航になる。

八丈島~青ヶ島のくろしお丸のドック期間には あおがしま丸 がやってくる。

さっき くろしお丸 をフェリーの代替に持っていった時と同じだね。


東京~父島 の おがさわら丸 のドック期間は2020年までは単純に欠航だったが、

2020年就航の さるびあ丸 は小笠原航路で使えるよう作られた。

おがさわら丸のドック期間には 東京~大島・利島・新島・式根島・神津島 を減便して、東京~父島に入っている。

父島~母島の ははじま丸 のドック期間には くろしお丸 が入る。

父島~母島に限れば沿海区域なので200人乗りで運用される。

(ただし小笠原諸島を出入りするには船自体の航行区域は近海でなければならない)

この期間にも青ヶ島には あおがしま丸 がやってくることになる。


このため東海汽船とそのグループ会社が保有する貨客船の航行区域は、

フェリーあぜりあ が限定沿海(神津島まで)、橘丸が限定近海(八丈島まで)、

それ以外の航行区域は近海、小笠原諸島まで行ける船ということになる。

なかなか大変だなぁと思いますが。


なお、くろしお丸 が就航する以前は ゆり丸 という貨客船があって、

普段は貨物輸送、貨客船のドック期間には貨客船として活躍していたという。

代替として作られた くろしお丸 は普段は青ヶ島航路に貼り付いているため、

ゆり丸 の平時の役目を継承したのは あおがしま丸 となりそうだが、

他の貨客船の代わりをするという役目は くろしお丸 が継承していると。

あおがしま丸が青ヶ島に帰ってくるときは くろしお丸 は他に代えがたい仕事をしているということだね。