有明アリーナのボトルネック

昨日、有明アリーナからの退場に思うところがあったと書いたが、

後でいろいろ調べたら、内外の構造にいろいろ問題があるなと。

そういう作りなので、打開策に乏しいことが課題である。


さて、うちから江東区有明へ向かう場合、もっとも楽なのが東京駅から都05-2系統のバスに乗って行く方法である。

往路はこれでいったが、少し早めに行くので有明二丁目まで乗って有明ガーデンに。

有明ガーデンといえば、東京ガーデンシアターのために行ったことがあるけど、

シアター前の広場は女性がたくさんいて、今日も盛況のようだ。

先に夕食は食べることにして、頃を見計らって歩いて有明アリーナへ向かった。

途中で改装工事中の有明体操競技場が見えた。

この施設はオリンピックの仮設施設なのだが、当面は展示場(有明GYM-EX)として活用されるという特殊な施設である。

どれぐらいの期間使われるんでしょうね?


有明アリーナの敷地南西角から階段を上がって2階レベルへ。

ここは階段しかないのだが、北西角は道路との段差が少ないのでスロープが設けられているから、階段を使うのが難しい人はそこから入るのがよいようだ。

そして入場口は北側、運河に面したところにある。

入場口から入って指示に従って左に歩いて行く。

上部の案内表示に後付けで「↑3・4階席」「↑アリーナ」と付け足されているのが、不格好な気もするけど……

他の人も言ってたけど、この有明アリーナの通路はまるで迷路のような印象を受ける。

とても方向感覚を失いやすい構造なのである。

床に席番号の目安を書くなど、新しい会場ならではの工夫も多く見られるのだが、それ以上に迷う人が多いようだった。


有明アリーナの中を歩いての印象はまず売店が随所に設けられていたこと。

ちゃんと営業してましたね。

(使ってないけど)トイレも広そうだったし、「カームダウン・クールダウン」なる部屋もあった。

これは観覧中にパニック状態になった、あるいはパニック状態になりそうな人が待避して落ち着くまで待つための空間ですね。

主に発達障害・知的障害・精神障害の人の利用を想定している。(今回は開けてたのかな?)

パラリンピックでは車いすバスケットボールの会場となったこともあってか、

車いす席は主に2階レベルに比較的多く用意されている。


ただ、出入口に近づくほど、通路の幅の割に人が集中するという問題がある。

フロアガイド (有明アリーナ)

一般的な体育館は入口が後方か側面に設けられることが多いのだが、

有明アリーナについては入口のある北側が前方となる。

体育館として使う場合、前も後ろもあまり考える必要はないのだが、アリーナに人を入れて使う場合はこうならざるを得ない。

なぜか? それはアリーナ席の入口が南側に設けられているからである。

このため、アリーナ席の人は2階通路を半周回って南側に向かい、階段を降りてアリーナ後方に向かわざるを得ない。

さらに今回は3・4階へ向かう階段は南側の2つのみを使用していたよう。

おそらく3階北側はステージの裏側なので入られると不都合だったのではないか。

だから3・4階席の人も2階通路をほぼ半周する必要があった。

さらにこれは入場時に限らず、退場時もこうなので、恐ろしく混雑するのである。


ちなみに他の体育館だとどんな風になっているのかという話ですが。

早々にスタンドとアリーナを分離しているところが多いと思うんだよな。

入口を入るとアリーナの人はすぐに階段を降りなさいとか。

武蔵野の森総合スポーツプラザの場合、スタンドは3階、アリーナは1階と入場口を分けている。

大阪城ホールの場合、2階レベルから入って左右に分散して、アリーナの人は途中で1階レベルの階段に降りてという感じで、

出入口に近づくにつれて通路が混むのはそうなのだが、退場時は複数の扉から出すこともある。

周辺が公園なのでどこから出してもなんなり移動できるからそれでよいのである。


というところで有明アリーナ、もう1つの問題が人が集中しやすいポイントがいくつかあるということ。

有明アリーナの最寄り駅について、新豊洲・有明テニスの森・国際展示場・東雲の4駅が書かれている。

なぜ新豊洲が筆頭なのかというと、出入口からもっとも近い北西角から、木遣り橋を渡れば、道路を横断することなく駅まで行けるためということが帰りにわかった。

新豊洲以外の3駅については、敷地南西角を通ることになる。

有明テニスの森駅は西側に、国際展示場駅は南側に横断する。

東雲駅は横断せずに東側に進んでもよいかもしれないが、利用者は少ないだろう。

あと、銀座・東京駅方面のバスに乗る場合はこの交差点を2回横断する必要がある。

この交差点の信号待ちの人が交差点をふさがないようにアリーナに沿って整列させていると。


そう考えれば新豊洲駅を使うのがもっともよいのかといわれるとそう単純ではない。

なぜならば木遣り橋の歩道は狭いので、ここが集中するとひどく混み合うからである。

そもそも新豊洲駅は豊洲駅の1つ隣で、そんなに離れてもいない。

なので、こちらへ歩く場合は豊洲駅まで歩くことも多く、その場合は徒歩20分ほどだそう。

それでサクサク歩けるならいいけど、木遣り橋が混雑しては困った話である。


さて、僕はどうしたのかという話だが、バスで帰るつもりだった。

この時間はバスが30分に1本ぐらいで、スムーズに退場できれば間に合うかな?

と思ったが、会場内外の通路の混雑もあり、南西角の交差点に着いたところでバスが見えて、バスを逃してしまった。

どうしたものかなと思ったが、横断歩道を渡ってバスを追いかけるように木遣り橋を渡ってしまった。

木遣り橋の歩道が混雑すると書いたが、道路を挟んで反対側なのでガラガラ。

じゃあ分散すればいいじゃないかと思うけど、道路を横断するのは遠回りなのでそうもいかない。

バス時刻表で確認したところ、晴海三丁目まで歩けば、晴海埠頭発着のバスが使えそうだ。

というわけで新豊洲駅も過ぎて、さらに晴海大橋を渡って、晴海三丁目バス停に着くと、ちょうどバスが来るところだった。

ここまで小走りで20分ほど。有明小中学校前で次のバスを待つよりも時刻表上は10分ぐらい早く帰れたことになる。

そんなに悪くは無かったと思うが、晴海大橋を渡るのはタフだった。


敷地南西角に集中する問題については、実は敷地東側を通る遊歩道があり、

こちらに東雲駅方面へ向かう人を分散させるという方法は考えられる。

ただ、混乱の原因になると考えたのか閉鎖されていた。

できるだけ整然と人を流すことを考え、敷地北西角に人を集め、

ここで新豊洲駅方面とそれ以外に分けて、南西角の横断歩道へ向かう人は敷地に沿って歩道に貯めて……となる。

こういう整理をせざるを得ないので、すると退場時は適当な扉から客を吐き出すという対応はしがたいのだ。


この問題に対して、なかなか効果的な対策はわからない。

有明アリーナはアリーナ席に仮設席を置いたとして最大15000人収容、

実際にはそこまで入らないにしても10000人ぐらいは軽く入ってしまう。

そこに対して歩道とか横断歩道がボトルネックになってしまうと。

これは運用方法でなんとかできる話ではないんだろうなと思った。


そんな中で1つ思ったのは、木遣り橋の下、運河沿いを歩くことで道路を横断できるんじゃないかということ。

有明アリーナから運河沿いに降りる階段はあって、退場時は閉鎖されてたけど、

これで横断歩道を通らずに木遣り橋の下が通過できそうな気はする。

ただ、そこから道路に出る階段などがないのが問題である。

まだ周辺の道路が整備中なので、将来的にどうなるかわからないが、

新豊洲駅方面であれば木遣り橋の反対車線側の歩道に出して分散させたり、

さらに運河沿いを歩かせて、環二通り(ゆりかもめが通っている)まで行かせて、有明テニスの森駅、あるいはさらに南に歩いて国際展示場駅と。

こういうことは無理なくできるんじゃないかなという気はする。


でもそれ以外はなかなか打開策はないかもね。

ゆりかもめ は輸送力や経路の面でアテにしにくいとすれば、駅からの距離からしてバスがいいと思うんだけど、

敷地内にバスターミナルなど置けるわけもなく、そうすると難しいよねと。

実は、有明ガーデン内にある劇団四季の劇場では、終演にあわせて東京駅方面の臨時バスを用意している。

これは終演時間が一定しているという事情もあるが、有明ガーデン内にバスターミナルがあるからこそとも言える。

(有明ガーデンバス停は定期便でも都05-2系統の一部が折り返しに使っている)

そういうのが必要であるという認識はなかったんだろうな。一見して駅から遠いとは思わないもんね。

来場時はまぁこんなもんかと思っていた人が多いだろうし。それは寄り道しながら来るのもあるのだろうけど。