埋立地1つに消防署3つ

ちょっと話題になっていたのですが。

「アイドル博」で熱中症などで複数の女性が搬送 (Yahoo!ニュース)

今日の東京はとても蒸し暑かった。(引きこもってから知らんけど)

詳細は不明だが、出演者の待機場所に空調がなく(というかテント)、

これが出演者の熱中症での救急搬送が相次いだ理由のようである。


あまりの状況に消防署もスーパーアンビュランスという大型救急車を寄越してきたという。

(救急車)特殊救急車 (東京消防庁)

過去にこの車が出動したのは、大規模な傷害事件や大規模火災など。

病気のために出動したのはおそらく初めてではないかと思う。

現場で応急手当できる体制もなかったということですね。

まぁ異常事態であることは間違いないですね。


いろいろアップロードされていた写真を見て、

「東京消防庁 深川消防署」と書いた垂れ幕、おそらく現場で指揮を行うテントに付けていたようだ。

そうか、深川消防署なのかと。

確かに青海をはじめとする江東区の埋立地は、深川地区に位置づけられることが多い。

なので消防署の管轄としてはそんなに不思議な気はしなかったが。

とはいえ、本来の深川地区というのは門前仲町駅があるあたりが中心部なので、そうするとけっこう遠いなという気はする。

埋立地にも有明分署などあるので、まずはそこから駆けつけるのだろうけど。


とはいえ、これでいろいろ気になって掘り下げたら思わぬことが見えてきた。

青海は13号地と呼ばれる埋立地の一部だが、この13号地は3区に分かれている。

港区台場・江東区青海・品川区東八潮である。

江東区側から埋立が進んだ経緯は踏まえつつ、港区(レインボーブリッジ)・品川区(東京港トンネル)と道路でつながることから、3区に分けられた経緯がある。

3区に分けられたが同じ埋立地であるから、全て同じ消防署の管轄と思い込んでたが、

台場は芝消防署、東八潮は大井消防署の管轄であることがわかった。

なんと行政区分通りに消防署の管轄区域が切られていたのである。


まさか消防署がそんなことになってるとは思わなかった。

郵便局の集配区域(晴海郵便局が13号地を全て担当)も、警察署の管轄(東京湾岸警察署)も一体だから。

特に警察署と考え方がこんなに違うのは意外だった。

東京都では東京消防庁が特別区域と稲城市以外の多摩地域を一括して消防業務を行っている。

この点ではあまり行政区分にこだわる必要はない気がするのだが、

実際にはかなり行政区分を重視しているようで、こういうこともあったらしい。

消防署の管轄区域の変更のお知らせ(pdf) (東京消防庁)

もともと臨港消防署(中央区晴海周辺と東京湾の水面)が管轄していた中央防波堤埋立地について、

一部を大田区・大半は江東区となることが決定したことをうけて、

消防の管轄区域を深川消防署(江東区域)・大森消防署(大田区域)に移管するという内容である。

そもそも今まで東京湾の水面という位置づけだったのが謎だが。


ただ、これは緊急対応という点ではあまり問題ないのだと思う。

消防にしても警察にしても、緊急時には駆けつけられるところから行くものである。

さすがに消防本部を越えて応援を依頼するのはハードルが高そうだが、

東京消防庁の中であればどの消防署からでも駆けつけるのは当然でしょう。

むしろ緊急対応というより平時の業務を考えての管轄なのかなと。


こういうのは警察でもあるんじゃないかと思う。

消防に比べれば警察の管轄区域は川・幹線道路などで分かれていることもあり、

市町村の飛び地があっても警察の管轄区域では解消していることも多い。

とはいえ、行政区分で切られているケースが圧倒的に多い。

平時の活動を考えれば行政区分と合っている方がよいことが多いでしょうが、

緊急時対応となればその限りではないと思う。でもそこは適切に対応しているのではないか。


でも、13号地が3区に分けられたのは、領土争いにおける妥協策であって、

住民の生活や企業活動が各区の方向を向いているのかは怪しいですよね。

住民が住んでいるのは台場だけか。

特に東八潮が品川区なのは実務的にはかなり無理がありそうだが。

ほぼ全域が潮風公園なので、それで困ることはほとんどないんだが。


13号地の消防署の管轄区域はわかるようなわからんようなという感じですね。

そこまで行政区分にこだわるほどの価値はないような気もするが、

だからといって緊急対応に困るわけではないかなと。

どのみち深川・芝・大井のいずれの消防署(本署)から見ても遠いんですよね。

深川消防署有明分署からは近いですけど、分署だしなぁって。