そういうこともあるのかと思ったのだけど。
知的障害のある球児に開かれた扉 豊川特別支援学校が連合チームで愛知県予選参加 (Full-Count)
特別支援学校(高等部)の生徒が全国高校野球選手権愛知大会に参加するという話である。
高校相当の学校ならば高専の1~3年生のチームでも出たりしてるから、
参加資格としては問題なさそうだが、なぜか1人の名前しか書いてないのがおかしい。
よく読むと「連合チームの一員として」とある。どういうこっちゃ。
連合チームというと、学校再編に伴って使われることが多いと聞いていた。
学校再編のやり方にもよるが、複数の学校を統合する場合、3年生だけのA高校・B高校、1~2年生だけのC高校というのが制度上並立していることがある。
このような場合、A・B・C高校と分かれていても実質的に1つのチームである場合があるので、
複数校で1つの連合チームとして大会に出場できる場合が多い。硬式野球もそうだと。
しかし、今回の話で出てきた連合チームは学校統合とは関係ないもので、
野球部員が9人に満たない学校同士の連合チームというものである。
2012年から出来た制度で、この制度を念頭に9人以下の野球部が増えたという。
連合チーム、過去最多の107チーム 夏の高校野球 (朝日新聞デジタル)
昨年実績では309校107チームが連合チームで参加している。
うち19チームは学校統合関係なので、部員不足は88チームということか。
具体的には今回の場合は5校の連合チームになるみたいですね。
豊川特別支援学校には野球部がないが、愛知県高野連が加盟を認め、衣台・御津、一色、松平との5校連合が実現した。
当たり前のことながら小規模な野球部のある学校同士で組む必要があるので、
単純に近くの学校同士というわけにもいかなかったようで、三河地域の広域にまたがっている。
このあたりは連合チームという選択肢があっても生かすことは難しいかもしれない。
それにしても知的障害者の野球ってそれなりに行われているはずだが。
と思って調べたところ、実は知的障害者の野球というのは通常、軟式野球なんですよね。
もちろん高校の軟式野球について全国大会は行われているので、
特別支援学校の高等部が参加して、他の高校とともに戦うことはできる。
南大沢学園「知的障害特別支援学校で全国初の高野連加盟軟式野球部の取組」 (pdf)
これはこれでチャンピオンへの道には違いないが、甲子園への道ではない。
そういう諸々の事情を考えたときに、硬式野球で大会に参加するには連合チームにならざるを得ないのが現状のようだ。
規模面でも硬式野球のチームを1つ組むのはハードルは高いのだろう。
ただ、連合チームを組むには他の学校との協力関係が必要である。
今回は三河地域で連合チームを組んでいた学校に合流する形で実現できたが、
こういうのが揃わない地域も多いでしょうからね。
というわけで、特別支援学校(高等部)から甲子園への道は開けなくはないが、
なかなか正攻法とは言えないところが難しいですね。
基本は学校対抗戦であるという背景はやはり無視できないですからね。
ゆくゆくは特別支援学校で1チーム作れる学校が出てくるためには、
まず1人でも連合チームに送り込むところからだというのはわかるけど。
しかし、軟式野球に比べるとなにかと負担が重い硬式野球で十分なメンバーが揃うのは現実的な構想なのかとも思う。
ちなみに野球に限らず、特別支援学校の高等部は高校の大会に参加可能なようだ。
東京都高等学校体育連盟の加盟校一覧を見ると何校か書いてありますね。
他の高校の生徒と競技をすることを考えると聴覚障害と知的障害が主ですかね。
ちなみに高専も加盟している。1~3年生に限って参加しているはず。
もっとも高専大会や大学・社会人クラスの大会がターゲットになる部活動が多いので、参加している種目は限られるが。