苦悩ゆえの出演者オールシークレット

昨日・今日と西武ドームに出かけていた。

野球観戦……ではなく、アイドルマスターシンデレラガールズ10周年ライブですよ。

福岡(北九州)・千葉・愛知(常滑)(延期しての開催)、そして沖縄(沖縄市)にいくはずが無観客になり別会場開催となって4会場8公演、

その追加公演で総まとめとなる公演が西武ドーム(最近、ネーミングライツで「ベルーナドーム」になった。埼玉県の衣料品通販業である)で行われることになったが、

これがなんと出演者オールシークレット、前代未聞の公演である。


どうしてこういうことが起きたのか。そこにはシンデレラガールズの歴史をさかのぼることとなる。

10周年というのは、mobageで2011年11月にサービス開始したことに起点を置く。

その当時、まだ始まったばかりの神撃のバハムートのシステムを流用したかのようなアイドルゲーム、今からすれば考えられないようなところはあった。

ごく初期にはモンスターの種類を増やすかのごとくアイドルを増やしていったこともあった。

それはすぐに落ち着いたが、気づけば150人以上になっていた。

そして今どきのコンテンツではなかなか見ないが、キャラクターに声が付いていなかった。

そして現在も全員に声は付いていないし、付く見込みも立たない。


それもこれもシンデレラガールズがこうしてリアルのステージに立つことはあまり考えてなかったというところがある。

そのため10周年といってもライブコンテンツとしての歴史はもう少し浅い。

正味は2013年4月発売の「お願い!シンデレラ」のCD発売の頃からであろう。

その1年後、2014年4月にシンデレラガールズは1stライブを迎える。

これが今からすればもう懐かしい、TVアニメシリーズの発表でもあった。


こうして声が付いたキャラクターはその声をあてる声優がステージに立つということになったが、

声が付いたアイドルだけでも90人ぐらいいるんじゃなかったっけ。

そうすると何が困るかというと、スケジュール調整が大変である。

さらにシンデレラガールズの出演者には準備時間の確保などを考えるとイベント出演自体がなかなか大変な人もいるとみられている。

このため、2016年の4thライブの頃にはどうにも揃わない人がいることが気になっていたとみられる。


そこで4thライブでは「サプライズゲスト」というのが発生していた。

この曲、あと1人いれば揃うのになぁというところに、そこだけスポットで出てもらうという形である。

ただし、その出演者はあらかじめ公開されているわけではない。

おそらくはレッスンなどを考えると、出番は2~3曲がせいぜいだから、正規の出演者として公表するとよくないという判断があったのだと思う。

これはこれで画期的な取り組みだったのだが、まさか出演するとは思われなかった人が出てきたので相当に驚かれたのである。

少ない出番でも出ると知ってればチケットを取ったのに……という後悔があったと。


実は他のアイドルマスターシリーズのライブでもシークレットゲストはしばしばあったが、そこまで問題になる印象もなかった。

しかし、シンデレラガールズは「全員」というのが事実上はないコンテンツで、

見る方だってある程度、お目当てを決めて狙うというのが普通のコンテンツである。

そういう中でこういうサプライズゲストがあっては狙いが定まらない。

それ以後、出演者として名前は挙がるが、出番が極端に少ない人が発生している。

比較的最近であれば2021年1月の「Happy New Yell!!」だと照井春佳さんが、全員曲以外の出番がわずか1曲であったり、

10周年ツアーの千葉公演(Cellebration Land)で大半が2日出演の中、1日目だけ出演だったM・A・Oさんが、これも全員曲以外では2曲だけの出番だったり。

ただ、この2人は最近はなかなか出演機会がなかったので、貴重な機会であることは出演者一覧から理解できるものである。


このような経緯があって生まれたのが「出演者オールシークレット」である。

わずかな出番のために呼ぶ人を含めればものすごい人数になるが、かといって全員集まるのは絶対に無理な話である。

それならば書かない方が混乱を起こさないであろう。

誰が来ないと書くことも、誰が来ると書くことも諦めたのである。

シンデレラガールズのイベントにおける、これまでの苦悩が結実したものとも言えるが、

だからといって楽になることはない。出演者が多すぎるから。

昨日は49人、今日は58人、異常な人数だが、出番がわずかな人もけっこういる。

2日とも出演の人もいるが、1日のみの人もおり、それはスケジュールの都合もあるだろう。

各地で公演を行ってきたシンデレラガールズだが、出演者の入れ換えをしながらとなると仕事の拠点である東京の近くでの開催でなければ実現し得ない。

さらに今回はものすごい数の衣装替えがあったから、そこの作戦も大変である。

もうこれは段取り八分だなと見ていて思った。その段取りに従って公演実施するのだって大変なことだけど。


シンデレラガールズは本当に数奇な運命をたどったコンテンツである。

ちょうどボイス付きのモバイルゲームが当たり前になる少し前の話、

いくらでも増やせるキャラクターを掘り下げるという考え方も薄かった時代である。

それを後付けで掘り下げて、TVアニメシリーズ放送後もその掘り下げは進み、

ちょうど今日発表されたけど、漫画により掘り下げてきた「U149」がTVアニメ化という話である。まだまだやることはたくさんあるコンテンツである。

このあたりは同じく熱狂的な人気を誇る ラブライブ!シリーズとは非常に異なる。


シンデレラガールズはユニークなアイドルたちに支えられ爆発的な人気を得た。

これは2015年にアイドルマスターシリーズの10周年を西武ドームで盛大に祝う大きな原動力となった。

広い広いドームで迎える10周年

その後、2018年にシンデレラガールズは単独で西武ドームに立つことになるが、

そのときにはナゴヤドームとの東西2会場4公演である。

特にナゴヤドームをこの手のコンテンツで使うというのは非常に新しい試みだった。

(後にラブライブ!サンシャイン!!のAquorsが使っている)


しかし、西武ドーム、うちからは自転車で西武の駅に行くことを前提に行き来しやすいけど、

日が落ちるととにかく寒い、今日は雨もあっても最初から寒かったが、日が落ちてからはなおさら。

大抵の人には東京から西武で往来する時間が気になるという話もある。

もっとも多目的ドームからほど遠いドーム球場、西武ドーム、しかしこうして多目的利用されているのが現実なんだよなぁ。

野球観戦にとっては寒暖以外は素晴らしいという話だがな。

評判がよくなかった芝生の外野自由席も椅子席になってたし。

少しお高い席はより快適に野球観戦が楽しめそうだったな。今回は適当に割り振られてたが。

もっとも僕は両日ともアリーナ席のパイプ椅子。まぁ観劇にはステージに近いのが正義だな。