モータースポーツでは特例を認めるに至らない

鈴鹿サーキットで予定されていたF1日本グランプリが中止になったとのこと。

F1日本グランプリ、2年連続で中止。新型コロナ感染拡大で「日本政府がレース中止決定」とF1公式サイト (HUFFPOST)

現在、入国者数を絞り込むために、日本人・再入国者以外の入国は原則として認めていない。

このためF1出場チーム関係者の入国がそもそも認められる見込みがなく中止に至ったようである。


国際的なスポーツ大会の場合は、特例的に入国が認められることが多いのだが、

残念ながらモータースポーツは認められない傾向にあるようだ。

問題解決のため関係各方面に働きかけているレース関係者によると、モータースポーツは公益性がないため特例は認められない、という判断だったそうだ。

(五輪はOKでモースポはNG?公益性がなく入国できないドライバーとレースはいったいどうなるのか? (‘ベストカーWeb))

F1関係者は1000人ほどとけっこう多いのはそうだが、それが重要な人数かどうか。

ただ、こういう形で1つ例外を認めると、じゃあこれは認めないのかといろいろ言われてしまう。

F1関係者の入国を認めることが大きな問題とは思えないが、波及性を考えると認めるに至らなかったのかなと。


こういう話は他にもあって、それが競馬で、国際騎手招待競走「ワールドオールスタージョッキーズ」が中止されている。

2021ワールドオールスタージョッキーズの取りやめ (JRA)

そもそも今年度の計画に載ってたこと自体がびっくりなのだが、この時点ではできると思ってたのだろうか。

ただ、ビザさえ出れば、万難を排しても日本に来たい騎手はいるだろうという考えもあったのかもしれない。

しかし、そもそも入国が認められる見込みが立たなければどうしょうもないわけである。

これこそ騎手さえ来られればいいし、外国遠征から戻ってきたJRA所属騎手の対応などからすればそこまで懸念はないと思うが、

やはり例外を認めるに至らないということなんじゃないかなと思う。


おそらくスポーツ分野ではオリンピックやパラリンピックにつながる大会は特例が認められていて、

そこから遠ざかると認められなくなっていくんじゃないかなと。

モータースポーツにしても競馬にしても、世界スポーツであり、国際交流の重要性は高いが、

オリンピックにつながるスポーツ体系とは異なり、ショーであったり、賭博であったりの要素は強く、

それを認めてしまうと、あれもこれもという話になりかねないという、そういうことではないかなと。


ウイルスの変異により状況が悪化したが、その以前の状況であれば、企業内転勤などで入国を認めていたわけで、

そのような状況ならば、国際大会のための入国を認めることもできて、

その上で14日間の自宅・施設待機を受け入れるか、あるいは何らかの代替策を認めてもらうかすればよかったが、

そもそも入国できない状況ではどうしょうもない。

新規入国をほぼ一律禁止することの妥当性はあるものの、発地によっては日本人の帰国すら制約されている実情もある。

インドネシアから帰国したいので


結局はモータースポーツにしても競馬にしても競技の地位が低いということではあると思う。

スポーツ庁が設立され、地域・学校におけるスポーツ、スポーツによる国際交流、障害者スポーツ、運動による健康増進などなど、一元化する動きがあって、これは日常の運動からオリンピックのような国際大会までつながる体勢を組んだということであろう。

しかしながら、将棋のような頭脳スポーツは生涯学習ということになっているわけだし、

モータースポーツは日本の統括団体がJAFであることからして、自動車工業の範疇だし、

競馬と競艇はそれぞれ農林水産省、国土交通省所管の公営競技でスポーツという認識には乏しい。

競輪も経済産業省所管の公営競技だが、これは自転車競技との関連からオリンピックにつながるスポーツ体系につながるかもしれない。

(実際、スポーツ庁の連携先として「スポーツ施設」「用品産業」について経済産業省と記載されている)


現状、自由な人の行き来を認めることは難しいのは明らかで、国際大会が決行できるとすれば特例的な扱いに頼ることになるが、

そこでオリンピック・パラリンピックにつながる競技体系というのは、1つのよりどころではあると思う。

まだ、オリンピックにつながる大会であれば認めている分だけマシだなと思ったのはこの話で。

フィギュア中国杯が中止 国際連盟、代替開催地募る (朝日新聞デジタル)

来年早々に冬の北京オリンピックがあるので、今シーズンの大会というのはそこに直結する大会である。

まさかのオリンピックのホスト国である中国が、前哨戦となる大会のための入国を認めないということである。

代替地での開催を探っているように、国際スケート連盟はなんとしても実施したいと考えているわけだが。

国際競技団体が開催を取り下げたりするケースはけっこうありますけど。

12月の柔道GS東京大会開催を断念 コロナ禍で多くの参加者見込めず (日刊スポーツ)

とはいえ、オリンピックを抜きにすれば、中国が大会関係者の入国を認めないのはそうだろうなと思っていて、

それは中国は厳しい入国制限と都市隔離でゼロコロナ路線を継続できていて、それだけに国内の感染症対策は弱い。

以前、中国・上海で行われた「Bilibili Macro Link Star-Phase 2021」の中継を見ていたら、

満席の会場にマスク着用率は半分程度、ワクチンも普及したわけじゃないし、よくやるなぁと思うのだが。


日本における基本的な考えとしては国を超えた移動の自由はできるだけ確保するというところではあるが、

やはりそうはいってもこの状況では、インドネシアをはじめとする蔓延度の高い地域からの日本人の帰国だけで手一杯で、

そんな中では例外によらなければ、国際大会の実施ができないという状況が、そもそも厳しいわけである。

それならば、オリンピック・パラリンピックの選手だって入国拒否するべきだと言われてしまうのかもしれないが、

やはりオリンピックの重要性を考えたとき、特例を認めて実施すべきという判断はそんなに間違えているとは思わない。

とはいえ、あくまでも例外であり、今の日本の制度で合理的な線引きを考えると、オリンピックとF1の間に線が引かれてしまうわけだね。

モータースポーツの地位向上のために努力してきた関係者にとっては、無念ということに尽きるんじゃないか。

当然、入国制限がここまで厳しくなければ、ここまでのことにはならないわけだけど。