今日は東京国立博物館へ。上野公園は花見客でひどい混雑だった。
お目当ては毎年恒例の春の特集展示「博物館でお花見を」だけど、
結局目を引いたのはそれとは別の「韓国美術の玉手箱」だった。
主に韓国の国立中央博物館から借りてきたコレクションらしい。
その展示物に「宝物」と書かれた物があった。
宝物? 韓国の文化財保護制度によるものか。
そういえば韓国にも「国宝」ってのがあったよなと。
それより重要度が低いものというと日本の重要文化財相当?
そのようにとりあえず推測したが、どうも正解のようだ。
近年までは韓国でも文化財という言葉を使っていたようだが、
現在は国家遺産という言い方になっているらしい。
文化財という言い方は日本統治下で導入された言葉で、
世界遺産との整合性から遺産という言い方に改めようとなったそう。
韓国では時々こういう言い換えが行われている印象はある。
とはいえ、依然として日本の制度とよく似た制度である。
宝物の指定対象が建造物・美術工芸品・文書・考古資料であること。
その宝物のうち「人類文化の見地からその価値が高く、類例のごく少ないもの」を国宝とすること。
まさに日本の重要文化財・国宝と同じものである。
かつては国宝・宝物には指定順に番号が振られていた。
それで「国宝第○号」みたいな言い方もよくされていたのだが、
これがいろいろ論争を生んだので、現在は番号は廃止されている。
そもそも制度創設時にまとめて登録されたものの登録順というのはあまり意味がないのだが。
韓国でも遺産としての価値を持つには50年伝承される必要があるという考えがあるよう。
実際にほぼ50年で登録されている遺産があるのかはわからないけど。
50年に満たない遺産候補を登録する制度として「国家予備文化遺産」というのが2024年に導入されたよう。
最初に登録されたのは金大中氏のノーベル平和賞受賞関係の資料などだったそう。
それとは別に宝物より緩やかな保護制度として「国家登録文化遺産」がある。
これは日本の登録有形文化財に似た制度で、現状変更に対する制限が緩い。
建造物の指定が多いが、それ以外の有形遺産も登録可能だという。
科学史・技術史に関わる資料もしばしばあるようで、金星(LG)のテレビ・冷蔵庫・洗濯機なんてものあるよう。
日本だと条件を満たせば重要文化財に指定しているが、ハードルは高い印象である。
今回の展示でも仏教美術というのが多かったのだが、
韓国の宝物も仏教関係のものが相当多いようですね。
今の韓国にとってはどうなんだろう? という疑問はあるのだけど、
国内外の評価がしっかりしているのは仏教ということになるんだろう。