昨日、「中学生指名」というキーワードが見えて、
なんだ? と思ったらドラフト会議で読売ジャイアンツが中学3年生を指名したということらしい。
もっとも育成ドラフトでの指名なのだけど。
どうもドラフト会議では中学卒業者を指名することはもともと想定されていたらしい。
確かに昔は中学卒業後にプロ野球入りする選手もいたのだという。
ただ、ドラフト会議がはじまった1965年以降はそのような選手も少なく、
一般的な中学卒業者をドラフト会議で指名した例は一度もなかったらしい。
ゆえに育成ドラフトとはいえ、ドラフト会議始まって以来初めてのことだという。
なお、プロ志望届は高校・大学の野球部を管轄する連盟に提出するもので、
中学生の場合は提出先がないため、指名前にプロ志望届の提出は不要である。
中学生でプロ入りといえば大相撲を思い浮かべるが、最近はそれも高校・大学卒業者が多いという。
育成選手としての指名になった背景でもあるが、高校には通うそうである。
放課後にはジャイアンツの練習場に来て練習するということで、
「部活がジャイアンツ」なんていうのを見たがそういう感覚なのだろう。
とりあえずは3軍の一員として、休日や長期休みには試合に出るのだろう。
育成選手としての期限はとりあえず3年(そこまでに支配下登録されなければ一旦自由契約にするルール)、
高校卒業する頃に支配下登録というのが目標だろう。
高校卒業してドラフト会議を経て支配下登録というのと、時期はほぼ同じである。
ただ、このルートには大きな問題がある。それは高校生にしてプロ選手だということ。
日本野球というのはプロとアマチュアの壁が大きい。
すなわちプロ選手である以上は、高校の野球部には入れないし、大会にも出られない。
その代わり、ジャイアンツの3軍あるいは2軍として経験を積むことになる。
3軍の試合相手は大学・社会人チーム、独立リーグ、NPB他球団の3軍など。
いずれにせよ、高校年代よりは年上ばかりである。
人間関係もどうなんだろうなと気になるところである。
年上なのもさることながら、支配下登録されるか、戦力外になるかという中でやっている人たちと一緒に野球をやるのだから。
そのあたりの覚悟は問うた上で、指名に至ったということだろう。
高校生にして育成選手とはいえプロになるというのはどんな選手なのか。
巨人が傘下U-15チームの中学生をドラフト指名 春から流れていた噂と国際大会で見せた輝き (Sportsnavi)
ジャイアンツの練習場は川崎市多摩区にあるが、関蓮太郎選手の出身も同じ川崎市内である。
ジャイアンツではするスポーツとしての野球の普及にも取り組んでいて、
その一環で女子チーム と U15ジュニアユースを作っている。
なぜU15なのだろう? と思った人がいるかもしれないが、その上は高校年代、学校で野球する機会は多くある。
そこへの橋渡しとしてU15チームを作ったということである。
そのU15ジュニアユース(多摩川ボーイズ)の1期生として入ったのが関選手である。
守備位置は捕手、大会でも大変な活躍で、そこで見いだされて侍ジャパンU-15代表でも活躍した。
体格もよく、大変な逸材である、これは将来はぜひジャイアンツで活躍してほしいと思うのは納得である。
本人としても、そこを目標にしてプロレベルの環境でやっていきたいという思いがあるようだ。
では、こういうのは今後増えるか? というとどうなんでしょうねと。
そもそも中学卒業時点でプロ入りというのは、チームにも本人にもリスクが高い。
チームによるが、高校卒業者ですらリスクが高いという考えがあり、
今回のドラフト会議でも大学・社会人・独立リーグの選手ばかり指名したチームもあったほど。
僕は野球選手のマネージメントには詳しくないからなんとも言えないが、
捕手という、必要数は少ないが、絶対欠かせない選手だったのは要因の1つではないかと思う。
そのときよい選手を選べばよいという訳にはいかないので、とれるときにとっておきたいと。
1軍の戦力になるのは早くても3年後、でもきちんと育成すれば最速3年で戦力になる。
あと、こういうのが増えるとドラフト会議による戦力均衡も骨抜きになるよねという話はある。
今回は地元出身の中学生の逸材を見いだして、相当な勝算を持っての指名だと認識しているが、
全国レベルで乱獲するようなチームが出てきたとすると、問題である。
というかそういう話はすでに高校卒業者を育成選手にすることにも言われていて、
そこから支配下登録に至る選手はやはり限られてるんですよね。
大学なのか社会人なのか、アマチュアでやったほうが長く野球できたんじゃないのと。
そこからプロ入りするにはドラフト会議での指名が必要で、他球団と争うことになるかもしれない。
でも、そっちの方が本人や野球界のためでは? という考えはある。
というわけで、長所も短所もある話だと思う。
サッカーだとプロとアマチュアの垣根が低いので、プロチームのU-18チームが学校のチームと試合することもある。
野球はそうではないし、アマチュアの大会も栄誉あるものだと考えられている。
そこがやはりプロの囲い込みに対する対抗策として大きいと思うんですよね。
一方でプロ入りしてからのギャップが大きいことも課題ではあり、
関選手はそこを考えて高校通いながらプロレベルに育成する話に乗っかったのだと思う。
サッカーなどはそこは普通なんですけど。一長一短ですね。