マイコンのわり算事情

とある事情により、あるマイコンで実際に使用されている命令を集計していた。

そしたら乗算・除算命令が使われていなくて、そうなの?

と思ったら、乗算・除算はアセンブラで書かれたコードを呼び出していた。


乗算については32bit×32bitの演算は最大で64bit幅になる可能性があるので、

そのようなケースに対応した処理をアセンブラで書いているようだった。

一方の除算なのだが、1bitずつ除算を進めていく命令を32個並べるというコードになっていた。

除算の途中状況をステータスレジスタに残しながら進めていくらしい。


確かにコンピュータにとってわり算は面倒である。

コンピュータの演算でAND・OR・NOTのような論理演算は論理回路そのままで実現できて、

足し算は全加算器という論理回路の比較的簡単な組み合わせで作ることができる。

引き算は2の補数にして足すという処理に置き換えられるので、全加算器に追加の回路を足せば良い。

これに比べるとかけ算は複雑だが、かけ算を行う乗算器という論理回路は一般的に使われていて、

なので小規模なマイコンを除けば乗算器は積んでいるのが通常である。


一方のわり算だが、筆算のように何ステップかに分けて計算していくのが一般的である。

かけ算に比べるとはるかに複雑な演算なので一発で計算する回路は現実的に積めないと。

高速化する手法はいろいろあるが、回路規模とのトレードオフという側面もある。

それでこのマイコンは直接的にわり算を行う命令はなくて、

そのかわりビットシフトと足し引きをセットにしたような命令を用意していて、

これをビット数分繰り返すことでわり算ができる仕組みになっているよう。

具体的なアセンブラのサンプルコードがいくつか書かれていて、それを実装しているようだった。


こういう処理をコンパイラで自動生成できないのかはよくわからないけど。

ただ、わり算については何命令も積み重ねないといけないので、

そういう関数を1つ作って呼び出すという方がいいのかも。

そこまでコンパイラが自動でやってもよさそうなものだけど。


というわけで、わり算はかなり大変だというのを改めて認識したのだった。

前にRISC-Vの命令セットを見ていたときに、乗算・除算が拡張命令セットに位置づけられていて、

乗算器や除算器を積まないという選択肢を用意しているのかと思うも、

わざわざそういうものを作るのかねとは思う。世の中にはあるかもしれないけど。

道路に引く線と警察が引く線とそれ以外

特定原付のルールなどで「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」の話をしばしば書いているが、

名前を見て、変な名前の法令だなと思うわけですよね。

理由の1つはこれは道路交通法と道路法の2つの法律で必要な標識・標示を規定しているためで、

基本的には根拠法が違っても同種の規制には同じ標識など使うようにしている。


ところで道路標識って誰が設置しているかご存じですかね?

警察? と思ったかも知れないが、標識の種類によって違う。

案内標識・警戒標識は道路管理者が設置することになっている。

通勤途中に 学校ありの警戒標識と「通学路」を付けたポールがあるが、

そのポールには「○○市」と道路管理者の市の名前が書いてある。

規制標識・指示標識は種類によって道路管理者が設置するか、公安委員会(警察)が設置するか、どちらでも設置できるか決まっている。


どっちでも設置できる標識の1つに「通行止」がある。

冬季通行止めなど道路の管理上の都合で通行止めにする場合は道路管理者が設置する。

富士山の登山道は主な区間は静岡県・山梨県の県道で、道路法の規定により冬季通行止めになることが知られている。

一方、バス専用道では 通行止+「路線バスを除く」のような組み合わせがある。

これは道路交通法の規定で設置されるものである。


「自転車・歩行者専用」「自転車専用」は道路交通法と道路法でちょっと効力が違うみたいな話もあるのですが……

自転車道を走れる自転車って?

でも、そういうのは例外で基本的には同じ標識・標示は同じ意味を持つ。

その特徴に基づくルールとして、下記の2つがある。

  • 道路法の「道路中央線」の区画線は、道路交通法の「中央線」の標示とみなす
  • 道路法の「車道外側線」の区画線のうち、歩道のない側の路側にあるものは、道路交通法の「路側帯」の標示とみなす

道路管理者の引いた中央線・車道外側線は、警察が引いた中央線・路側帯と同じ効力を持つという意味である。


中央線でも はみ出し禁止 の黄色の線は道路交通法の規定によって警察が引く必要がある。

この場合は標識もセットで設置する決まりである。

駐停車禁止路側帯(実線+破線)や歩行者専用路側帯(実線2本)も同様である。

ただ、そういう特別な標示を除けば、道路管理者が引いていいわけですね。

しかし、管理者が引いた線を道路交通法の標示とみなすルールは「道路」にしか適用されないのである。


今日から中央線・車両通行帯・中央分離帯がない道路の法定速度が30km/hと定められた。

これは従来のゾーン30に相当する規制が中央線のない道路に自動的に適用されるということである。

ゾーン30の標識なんてやめたい

中央線のない道路でも標識を付ければ制限速度を上げることはできる。

とはいえ1車線の道路だとせいぜい40km/h規制ではないかと書いている。


そんな中で従来と同じ規制を維持するために60km/h制限の標識を設置している道路もあるそう。

その中にはどう見ても中央線がある道路に設置しているものもある。

雪国で中央線が雪に埋もれる懸念から設置しているなんて話を見たが、

農道・臨港道路という「道路」以外のものに設置している地域があるそうだ。


さっき書いた通り、道路管理者が引いた線が道路交通法の標示とみなすルールは「道路」にしか適用されない。

一方で道路交通法の規定は「一般交通の用に供するその他の場所」にも適用するとなっている。

道路とつながった私道、農道・林道・臨港道路など道路法の規定によらない公道にも適用される。

しばしば工場や店舗の敷地内で速度制限や「止まれ」などの標識が設置されていることがあるが、

これは通常は所有者が設置しているもので、道路交通法上の効力はない。当然ですが。

こういう道に中央線や車道外側線を引いても、道路交通法上の効力は生じない。

私道に所有者が線を引いて道路交通法上の効力が生じるわけはないが、

公道の管理者が引いた線でも「道路」以外では同じ扱いになる。


この問題の打開策の1つとしては警察が中央線や路側帯を引くという方法がある。

交通規制情報オープンデータを調べると、広域農道らしきところに「中央線」を設定している例が見つかった。

しかし、見た目で「道路」とそれ以外の公道の区別が付かないように、

道路交通法の規定による中央線と、管理者が引いた線の区別も付かない。

標識の場合、警察が設置した標識は裏面に公安委員会のシールが貼られている。

走っている車から視認することはできないが、じっくり見れば区別は付く。

でも、標示ってそういうのないんですよね。

はみ出し禁止のように標識とセットで設置するルールがあれば検証できるが……


一方で効力のある中央線や路側帯がなくても困らないという考えもある。

中央線がない道路では道路の中央より左を通るルールである。

すなわち中央に引かれた中央線はあってもなくても道路交通法の適用上は差はない。

従来はそのように考えられてきた側面はあるわけである。

路側帯は歩行者の安全には重要だが、そのような生活上重要な道は通常は「道路」にする。

(農道として整備された道でも、市町村道に認定されることはある)

あるいは歩道があるなら路側帯のことは考える必要はない。


ところが道路交通法上の中央線の有無で法定速度が変わるとなって、

今さらわざわざ警察が道路交通法上の中央線を引くよりは、

60km/h制限の標識を立てる方が手っ取り早いという判断が起きていると。

60km/h制限と明示してくれるのはありがたい話ではあるけど、

裏返せばそうでなければ中央線が見えても30km/h制限の可能性があるということで、

それで速度違反で検挙されてはたまったものではないのだけど。

原付の法定速度はどのみち30km/hだから、自分の車は関係ないけど。


私道に勝手に引いた線が道路交通法上の効力を持つのは問題なのはわかるが、

管理者が引いた中央線・車両通行帯に類似した線は基本的には認めるべきだったのでは?

これらの道路でも警察が引いた中央線であればよいわけだし。

ただ、道路法の規定によらない道ってあんまりルールがないんですよね。

なので「道路」以外の公道を規定するのが難しかったのかなと想像した。


結論からすれば見た目では明確な区別はできないということである。

農道・林道・臨港道路であることがわかったとしても、道路交通法上の中央線がないとは断定できない。

そのような状況である以上、中央線が見える道では30km/hの法定速度で取り締まりはできないだろう。

曖昧さを減らすには2車線以上の道にはできるだけ明示的な速度制限を付けるべきというぐらいかね。

ゾーン30を徹底的に適用するよりは、2車線以上の道路の全てに標識を付ける方がまだ現実的ではある。

そのあたりの方針も変わっていくかもしれませんね。

海外救助隊をあまり受け入れたくない理由

ネパールでの土石流、たいへんな惨事なので仕方ないのだが救助が難航しているよう。

土石流がかなり長い距離を押し流していったため範囲が広域で、

それに対して資材や人員が不足しているということが理由のようである。


こういう大規模な災害の場合、外国から救助に入ることも多いのだが、

今回は専門的な技量が求められるごく一部に限られているよう。

ネパールが捜索隊を受け入れるのは多数の不明者を出しているインドと中国、オーストラリア、韓国。ただしトンネル内救助やDNA検査などの専門家に限定され、小規模にとどまる見通しだ。

(ネパール政府、海外救助隊を一転受け入れへ インド・中・豪・韓 ネパール・中国土石流 (産経新聞))

というわけで資材や人員の不足を打開できるほどの状況にはないようだ。


どうしてなんだろうかと気になったのだが、過去の経験があるよう。

2015年のネパール大地震の際に外国の救助関係者の調整で混乱が生じた経験などから、外国からの人的支援の受け入れには消極的だと報じていた。カナル外相は会見で、狭い渓谷を飛ぶヘリコプターの操縦にも技術が必要だと話し、現地の状況を踏まえ、外国には必要な分野を特定して協力を求めていると強調した。

(ネパールの土石流、遺体の身元確認進まず 政府が外国に技術支援要請 (朝日新聞デジタル))

救助隊を受け入れる体制を整えるのが大変なので、あまり多くは受け入れたくないとのよう。

わからなくもないのだけど、そこは苦労してもやる価値があるのではないかとも思う。


国内で必要な体制が充足していればあえて外国の救助隊を入れる必要が無いのはその通りで、

先の熊本地震でも外国から人的な支援の申出はあったが、

国内、特に九州内の消防・警察・自衛隊などで救助は間に合っていた。

これは被害を受けた範囲が狭かったのもあるとは思うのですが。


というわけで、これでは見つからないままの行方不明者が相当多くなるのだろうと。

カトマンズの病院に家族が貼り紙をして情報提供を呼びかけたりしている話が報じられていたが、

行政には期待できないということの表れなんだろうなと思う。


しかし土石流というのは怖い。

土石流の原因はいろいろあり、今回は氷河の崩落かと言われているが、

大雨による土砂災害、火山活動、地震など様々な要因がありうる。

日本でも2014年に広島市で大雨による土砂災害で土石流を起こし大変な被害を出している。

土石流の予兆を知ることができる場合とできない場合があるが、怖いということはわかると思う。

都市対抗野球で使えないので

以前、こんな話を書いたことがある。

次いで多いのは読売ジャイアンツの平均7.5試合である。

これは全国転々としており、地方開催のイメージには合うものである。

ただし、そのうち2試合は大阪ドームでの開催である。

結局はNPB他球団の本拠地球場じゃないかという話は出てくる。

(地方開催試合の多い球団・少ない球団)

今さら気づいたのだが、この大阪での2試合は都市対抗野球期間に行われるものらしい。


東京ドームでは先週水曜から都市対抗野球で大盛況らしい。

阪神タイガースが高校野球の期間に甲子園球場を使えなくなるのは有名な話だが、

読売ジャイアンツも都市対抗野球の期間は東京ドームが使えない。

使えなくなる期間はだいぶ違うんですけどね。

タイガースは夏だけでも7/27~8/27の1ヶ月間も甲子園が使えない。

そもそも大会期間が長いし、雨天順延の可能性もあるし、前後の準備もあるし。

それに比べれば都市対抗野球で東京ドームが使えないのは8/24~9/7の2週間に過ぎない。


それでも東京ドームでの試合ができない期間が比較的長いということで、

大阪での主催試合を2試合挟むのが恒例となっているよう。

今年は甲子園での阪神戦から大阪での主催試合を経て、広島と遠征続き。

これも長期ロードっていうんでしょうかね?

実際のところ今のタイガースは高校野球期間も大阪ドームでの主催試合を適宜挟んでおり、

そこまでの長期遠征にはなっていないはずなんですよね。

都市対抗野球期間に限ればジャイアンツの方が厳しいぐらいかも。


そんな読売ジャイアンツ、甲子園球場で3連敗して自力優勝消滅、

すなわちは阪神タイガースにマジックナンバーが点灯するという。

なかなか散々な長期ロードのスタートである。

一方の阪神タイガースも雨天中止になった試合の振替が積み重なり、

9月は試合日程が詰まり、その多くが屋外球場での試合で、なかなか過酷とも。

3連戦で一旦は引き離したけど、果たしてどうなるやら。

国籍よりは居住歴重視だったがゆえ

ラグビーのリーグワンで出場選手カテゴリを今冬から変更することになっていたが、

ここに新たな経過措置が追加されることになったようである。

ルール変更で不利益を被るとされた選手からの苦情によるもので、

あまり他のプロスポーツでは見ないタイプの騒動だったのでは?


前提としてラグビーでは所属協会主義というのがある。

一般的にはナショナルチームは当該国の国籍を有する選手で構成する必要があるが、

ラグビーでは国籍ではなく所属するラグビー協会ごとにチームが編成される。

なお、これはワールドラグビーの管轄する大会における話で、オリンピックの7人制ラグビーでは国籍が必要である。

代表チームの選手を得るためには下記のいずれかを満たす必要がある。

  • 当該国で出生している
  • 両親・祖父母の1人以上が当該国で出生している
  • 60ヶ月間継続して当該国の協会のみに登録されている
  • 通算10年、当該国に滞在している

この要件には国籍は全くないので、日本国籍があっても要件を満たさない人はありうる。

逆に外国籍であってもいずれかの要件を満たす場合はあり、そういう人は代表チームにもけっこういると。


もっともこの条件を満たす国が複数あるからといって、自由に選べるわけでもない。

過去にいずれかの国の代表チームになった人は原則他の国の代表チームに入ることができない。

これまでのリーグワンの選手区分A・B・Cというのは、

Aはすでに日本代表チームの選手資格を有する人、

Bはこのまま日本でプレーし続ければ代表チームの選手資格を取得できる人、

Cはそれ以外だが、それは過去に他の国の代表チームに入ったことがある選手であろうと。


ナショナルチームの強化という点ではこれでもよかったのかもしれないが、

ラグビーが地域に根ざしていく中では、中学以前より日本に居る選手の活躍を見せられる場を確保するべきではないかと。

そういう考えがあったようで、カテゴリAをA-1とA-2に細分化することになった。

まず、代表選手資格の日本生まれ、両親または祖父母の1人以上が日本生まれ、

そして義務教育年代の9年間のうち6年間を日本に過ごした人をA-1とすると。

それ以外は基本的にA-2だが、日本代表で60キャップ以上出場した選手はA-1とする特例がある。

これは対象となる選手は2人だけで功労者枠だねということで。


カテゴリA-2にあたる選手はカテゴリB・Cほどではないが、出場できる選手数に制限が入る。

試合登録の23人のうち、従来はカテゴリAで17名以上だったが、

来シーズンからはカテゴリA-1で14名以上、カテゴリA-1・A-2で17名以上となる。

カテゴリA-1に該当しない選手の起用には全体的に影響のある話で、選手の契約にも影響が出ていたわけである。


そんな中でカテゴリA-2に分類される選手が訴訟を起こすという事態に。

義務教育期間を日本で過ごしていないという理由で他の日本生まれの日本人選手と差を設けられ、出場機会にも影響が及ぶことは、独占禁止法に違反すると考える

(新ルール見直し求め公取委と地裁に訴え 日本国籍取得のラグビー選手 (朝日新聞デジタル))

といってもこれは無理のある主張ではないかと思う。

もともとリーグワンでは国籍という観点を全く持っていなかった。

居住歴を重視してきて、その居住歴の考え方をより細分化したに過ぎない。


そんな中で新たな経過措置が導入されたが、対象は概ねこれまでに帰化で日本国籍を取得した選手である。

ジャパンラグビー リーグワン 2026-27シーズンからの選手登録におけるカテゴリ登録区分の一部見直し(特別措置としての追加)について (ジャパンラグビーリーグワン)

前身のトップリーグの時代には日本国籍を取得するということに意味があって、

他にもアジア枠など日本人と同一扱いするルールがあったそう。

このルールにあてはまっていた人と、2025年5月までに帰化した人は、

経過措置としてカテゴリA-1に区分するということである。

昨シーズンまでカテゴリAにいた日本国籍の選手は引退するまではカテゴリA-1になるということである。

現在は国籍によるルールはないが、オリンピックのためなどに日本国籍を取得した人もおり、

過去の経緯なども踏まえて日本国籍の有無を経過措置の条件にしたようである。


他のプロスポーツでも外国人枠と呼ばれるものはあるが、

一方で外国人であっても日本人と同一視される選手というのもいる。

野球の場合、日本のドラフト会議の対象者であるというところが重視されていて、

中学校・高校で3年以上在学、大学で4年以上在学、5年以上居住して社会人野球で3年以上プレーなど。

ラグビーの場合、高校・大学年代で日本に来て長年プレーしている選手が多く居るが、

そういうのは野球の場合は外国人枠にはあたらないということである。

むしろドラフト会議を経る必要が無いというのが外国人選手のメリットで、外国人枠の目的はそこにあると思われる。

なお、外国人枠で長年プレーしてフリーエージェント資格を得た選手も外国人枠を外れるとも規定されている。


バスケットボールではBリーグには外国人選手とともに帰化選手の制限もある。

一方で日本で義務教育を修了するか、親が日本人の場合は国籍によらずこの制限を受けない。

(もっとも親が日本人であれば通常は日本国籍を持っているわけだが)

帰化しても生まれながらの日本人や義務教育年代から日本にいる外国人とは違う扱いを受けるという点では、

ラグビーのカテゴリA-2に通ずるところはあるのかもしれない。


サッカーの場合は現在は日本国籍があるかないかである。

外国籍は全員制限される一方で、帰化すればすぐに制限がなくなる。

このあたりはナショナルチームの強化を重視しているからだろうが。

ただ、独特な制度としてホームグロウン選手というのがある。

これは各クラブで12~21歳の間に3シーズン以上登録された選手を指す。

各クラブの育成組織で育成された選手を想定している。

ホームグロウン選手にあたる選手を一定保有する必要があるため、地元出身の選手が優遇される形になっている。

この点ではラグビーが考えている課題の解決策の1つとは言える。

ただ他の競技だと、学生なら学校のチームでプレーする方が優先という考えだろうけど。

そう、サッカーだと高校のチームに所属するか、地域のクラブに所属するかというのは両にらみなのである。


義務教育年代から日本にいた選手を優遇する制度の妥当性はなんとも言えない。

高校・大学から日本に来て長年プレーする選手は大事にしていくべきではないかという意見はある。

逆にそういう選手が出場機会をかっさらっていくのではおもしろくないという意見もある。

バスケットボールは必要な選手数が少ないこともあり、この考えが強いのかなと思う。

ラグビーの場合、高校・大学年代から日本でプレーする選手は今後も依然重要である。

制限はかかるにせよ、カテゴリB・Cの選手とは違うわけである。


将来的にはサッカーのホームグロウン選手のような制度にすることも考えているようで、

2026-27シーズンから導入する登録区分は、リーグワンの普及育成の強化施策の一環として導入するものです。リーグワンでは現在各チームがラグビースクール・アカデミーの運用や、地域ラグビースクールを含む地域ラグビーの支援を通じ、ラグビーの普及育成に取り組んでいます。(略)

スクールやアカデミーの制度がさらに充実した場合には、当該基準についても、適宜見直しを検討してまいります。

感覚的には高校年代から日本でプレーしているなら、それは評価してよいように思うけど、

それだけでは不十分というのが現状の判断なのかなと。

経過措置については元々考慮されるべき内容だった気がするが、

あくまでもカテゴリAの細分化で、カテゴリA全体として見れば従来通りなので、

なかなか経過措置にも向かない内容だったのかなという気はする。

告知した翌シーズンから実施は厳しかったとも言えるが。

最初からプロではギスギスする?

TVアニメ「バンドリ! ゆめ∞みた」も残すところ2話である。

まだ残件はかなり多いのだけど果たして収まるのだろうか。

告知映像で「今日からあなたたちは みゅーたいぷ」と言っていたが、

実はこの みゅーたいぷ というのは今の夢限大みゅーたいぷ とは少し違うようだ。

(東京ドリームパークとは)

まだ「みゅーたいぷ」なんですよね。果たして何が残っているのか。


このバンド、訳ありなメンバーばかりで……

それはリアルの 夢限大みゅーたいぷ のメンバーの過去にモチーフがあるのか知らないけど。

ただ、一体何なのかという話が先週の第10話ぐらいでだいたい判明した。

このバンドのキーは 宮永ののか だったのだ。

幼い頃の“弾いてみた”動画でうさイーターちゃんとして注目を集め、現在も配信活動を続けるギター。

「うさイーターちゃん」としてチヤホヤされる中、同年代ということで興味を持ったのが supremacy の yuno(千石ユノ)だったという。

この supremacy というバンドは中学生の同級生で組んだバンドで、

高校受験を前にして1年ほどで解散したそうである。

ユノは世界に打って出れると信じていたが、そうもいかんわけである。

その後は1人で作曲などで音楽活動を続けていた。


アニメの冒頭の方は 仲町あられ の話に終始していた。

かつて「えれあ」の名でグループ配信をしていたが、悪意ある炎上をきっかけに活動を休止していた。

同じグループには幼なじみの峰月律(クレマチス)と炎上の黒幕であるビオラがいて、

この2人は「フェアィブゥケ」というグループに横滑りする。

このフェアィブゥケとも一悶着あって、最終的には律はみゅーたいぷに移籍することになる。


1人異質なのが藤都子ですよね。

漫画家「富士見夜子」として週刊連載を抱え、締め切りと戦いながらバンド活動にも向き合っている。

イラスト担当と思っていたら、キーボードを弾くことになっていたというやつですね。

今にして思えば、ゆめみたのアニメを終始振り回し続けたメンバーだとは思う。

他のメンバーとの関わりと言えば、あられ とともに「マジカルフィジカル☆くるる」のファンで、

そのファンアートを描く富士見夜子を あられ が追っかけてたことか。


ところで、「みゅーたいぷ」はマネージャーがいて最初からプロである。

こういう形でスタートしているバンドはバンドリでは少なく、

これまでではアイドルバンドの Pastel*Palettes(パスパレ)しかなかった。

裏返せばそれ以外はアマチュアでやりたいようにやれる立場でスタートしている。


バンドリのストーリーではしばしばキャラクターの人間関係がギスギスすることがあり、

そのことを指して「ギスドリ」と言われることがある。

MyGO!!!!!・Ave Mujica以前ではギスドリの最たるものは パスパレ だった。

プロであるがゆえの難しさがいろいろなところに現れていた。

Ave Mujicaも初期からプロとしてやっていて、それがゆえの難しさはあったように思う。

あれはメンバー全員、精神科にかかったほうがいいのでは? という状況だったのもあるけど。


元々1人でやっていたか、何らかの理由でグループから別れたか、

そういう人たちを集めて「みゅーたいぷ」は作られたというわけである。

そういうのはリアルでもあるかもしれないけど……

でも、高校生年代で、しかも何らかの訳ありなわけですからね。

そりゃ問題もいろいろ起こるのは必然だよねと。

「ギスドリ」に見せないようしたんだろうなと見える部分はあるが、

根本的にはそういうことが起きているとは思いましたよね。


このアニメの主人公は 仲町あられ だと信じていたけど、

実は 宮永ののか だったという話でしょうかね。

なかなかそのことが明らかになるまでに時間を要したのは気になりますが。

マンジャロとゼップバウンド

突如としてアセンブラを書かないといけない仕事が発生して、ガリガリ書いている。

アセンブラで所望の処理は作れたのだが、コードを見てもさっぱりわからないので、

後でフローチャートとか書かないといけないなとか考えていた。

数命令だけアセンブラで書くとか、そういう話じゃないんですよね。


最近はマンジャロの不適正使用がいろいろ問題となっている。

「マンジャロ」はGLP-1受容体作動薬という薬で糖尿病の治療薬である。

インスリンの効きが悪い、分泌が悪いことにより血糖値が上がるタイプの糖尿病(2型糖尿病)に適用される。

インスリンを分泌させるためのスイッチとしてGLP-1受容体というのがある。

これは小腸から分泌されるホルモンによって作動するわけだが、

GLP-1受容体を活性化することで、十分なインスリンが分泌できるようにすると。

インスリンそのものや、ホルモンそのものを投与する方法に比べて低血糖になりにくく、投与回数も週1回なので便利そうだ。


GLP-1受容体作動薬に共通する話なのだが、食欲を抑制する作用がある。

2型糖尿病の患者は肥満であることも多いので、血糖値のコントロールとともに、肥満の解消による糖尿病の改善も期待しているそう。

マンジャロはこの効果が他の同種の薬より高いそうである。

この効果が強いのがよいか、弱いのがよいかは患者により異なるので、

これがGLP-1受容体作動薬の使い分けの1つになっているそう。


元々のGLP-1受容体作動薬の目的は糖尿病の治療薬なのだが、

この薬は肥満症の治療にも使えますねという話がその前からあった。

低血糖になりにくいので、必ずしも糖尿病の治療でなくても使えると。

その1つが「ゼップバウンド」という薬なのだが、成分はまるっきりマンジャロと一緒らしい。

同じ成分の薬でも使い方が違えば、薬の形態が違うということはある。

でも、この2つの薬は投与量の考え方はほぼ同じで注射薬であることも同じである。


じゃあ、なんで違う薬として売られているのか?

理由の1つは価格の差である。ゼップバウンドの方がだいぶ高い。

同じ薬の値段が違うのは変な気がするが、いろいろ事情はあるそう。

マンジャロは糖尿病治療薬同士の横並びで決められた側面がある。

ゼップバウンドは肥満病治療薬同士の横並びで決めようとしたが、

原価から計算した方が安かったのでそちらが採用になったと。

原価には臨床試験などにかかる費用やそれをわり算する患者数などの要素もあるのでしょうけど。


さて、冒頭の話に戻るわけだが、マンジャロの乱用というのは、

本来、糖尿病の治療の必要ない人の体重を減らす目的で使うことである。

一方で、ゼップバウンドは用法用量の範囲では肥満症の治療に使うことができる。

「ダイエット目的でマンジャロを使う」のはそれだけで不適正とわかるが、

「ダイエット目的でゼップバウンドを使う」だとそれだけでは不適正かはわからない。

でも、後者は全然聞かないわけである。なんでだろうね。


主な理由は2つあるそうで、1つは価格、もう1つは入手性である。

価格はさっき見ての通り、同じ薬なのに効能の違いで値段が違う。

もう1つの入手性なのだが、どうもゼップバウンドは「最適使用推進ガイドライン」というものがあるそう。

これは薬を使用する上での条件を細かく書いたガイドラインなのだが、主な目的はこうである。

また昨今、革新的かつ非常に高額な医薬品が登場しているが、こうした医薬品に対して、国民負担や医療保険財政に与える影響が懸念されており、「経済財政運営と改革の基本方針 2016」においても、革新的医薬品の使用の最適化推進を図ることとされている。

真に患者が必要としている薬は高額でも健康保険制度の下で少ない負担で利用できる必要がある。

でも、他の治療法が適するとか、効果が期待できない患者に使っては金の無駄だということである。

当然、健康被害を防ぐことなども目的にはあるだろうが、主目的はこれである。

ガイドラインは最新の知見により適宜見直されているようである。

このガイドラインにより処方できる医療機関が限られているということらしい。


当たり前だが、薬を投与してまで解消する肥満というのは相当なものである。

肥満により各種の生活習慣病(糖尿病を含む)が生じているようなケースで、

食事療法・運動療法で十分な効果が得られないものに限られる。

ゼップバウンドの効能には対象となるBMIや症状が書かれており、

さらに食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合と、治療の優先順位も定められている。

(食事療法・運動療法が優先することはマンジャロにも記載されている)

これをより明確化しているのが最適使用推進ガイドラインである。


マンジャロの不適正使用には、糖尿病のために処方されたものの横流しもあるが、

自由診療として堂々ダイエット目的で処方されているものもある。

保険診療では用法用量を守って処方しなければならないが、自由診療なら問題ない?

いや、医師・薬剤師が堂々そういうことをやるのは論外では?

ゼップバウンドがあるので肥満に効果があることは立証できているとは言えるが、

それはゼップバウンドの処方でやるというルールなわけですよね。


マンジャロによる健康被害がどれぐらい深刻なのかはわからない部分はあるが、

これは一部の薬で行われている医師・薬局・患者の登録制も必要なのかもしれない。

コンサータは歴史を繰り返している?

覚醒剤に近い性質のあるリタリン、コンサータ、ビバンセもそうだし、

重篤な副作用の懸念があり、患者への指導が必要などの理由で実施されているものもある。

やるならマンジャロとゼップバウンドの両方なんだろうなとか思いますが。

他のGLP-1受容体作動薬にも共通する課題としてやる必要もあるのかもしれない。

そんな話を言い出すと、糖尿病の治療に真っ当に使っている患者が少なからず困るんだけど。


果たしてそうなるのかわからないけど、医師・薬剤師が不適正使用に積極的に関与している状況では、

医師・薬剤師が適正な治療ができるか問わざるを得ないでしょう。

それを実現する手段は登録制しかないと思いますけどね。

そうしない限り収束しそうにはないですが、どうでしょうか?

S&P500の1/3はM7

以前、TOPIXは構成する銘柄数の多い株価指数であるという話を書いた。

TOPIXの銘柄数は多すぎるという話は確かにあるようで、

例えば、アメリカのS&P500のような500社ぐらいで構成するとよいのではという話もあるよう。

(TOPIXは何を目指しているか)

現在のTOPIXには流動性が悪い銘柄もあり、見直しが予定されている。

ただ、TOPIXに連動する投資信託を買えば、日本の上場企業にバランス良く投資できるという特徴は今後も変わらないとされている。


ところでここで引き合いに出したS&P500なのだが、

果たしてアメリカ企業への分散投資といえるのか? という話が出ていた。

S&P500が静かに変質──個人投資家のインデックス投資が抱える「7社への集中リスク」 (Forbis)

S&P500のうち、マグニフィセント・セブン(M7)の7社が占める割合が30%ほどあるそうである。

M7とはApple, Microsoft, Alphabet, Amazon, NVIDIA, Meta Platform, Tesla の7社である。

Tesla以外はいずれも情報通信分野の企業ですかね。

Amazonも小売業に分類されうるが、実際は情報通信でしょう。

少数の企業でS&P500全体の1/3ほどを占めるばかりか、その分野も偏っているのが問題である。


こういう問題は時価総額で重み付けする株価指数ではどこでも起きうる話だが、

幸いにしてかTOPIXではそのようなことは起きていない。

TOPIX ファクトシート (pdf) (日本取引所グループ)

最もウエイトが重いのは三菱UFJフィナンシャルグループの4.0%で、

それにトヨタ自動車の2.7%などが続く形で、上位10社で23%ほどである。

業種は電気機器が20%強、銀行が12%ほどというところが多めだが、

ソニーは登録上は電気機器だが、実際にはエンターテイメントで稼いでいたり、

電気機器という業種もかなり幅が広いので一概には言えないところはある。


ちなみにS&P500はアメリカの上場企業の時価総額の8割程度をカバーする指標だそうで、

日本のTOPIXほどのカバー率はないことは確かである。

よりカバー率の高い株価指数もあるようだが、S&P500ほど有名ではない。

結局のところ、同じような値動きになってしまうのも理由の1つのようだ。


しかし、この分野の偏りはアメリカのお国柄とみるべきかもしれませんね。

それは必ずしもアメリカの産業が情報通信に偏っているという話ではなく、

株式市場で高い評価を受ける業種が偏っているということである。

その中でも中心的で勢いのある企業がM7ということなのだろう。

ただ、怖いのはこれらの企業が共倒れする可能性があること。

そういうリスクに備えるにはS&P500では不十分ですねと。


果たして何が良いのかというのは人により違うでしょうけど。

S&P500が偏っているという話は聞いていたけど、想像以上だったかな。

うるう秒をやめる理由

以前、バイクで小金井市内を走っていると、建物の上部にデカデカと時刻が表示されている建物があって、

その前に表札で気づいたのだけど、ここが情報通信研究機構(NICT)である。

NICTは日本標準時を作っていることで有名な研究所で、そのアピールで標準時を表示していると。

だからどうしたという話なのだが、時々ここに大勢の人が集まることがある。

2017年1月1日 うるう秒の挿入 (YouTube)

うるう秒が挿入されると 8:59:60 という通常は存在しない時刻表示が発生する。

厳密な標準時を提供する研究所では、これが表示されるのである。


そんな小金井の名物? なのだが、2017年が最後になりそうである。

「うるう秒」27年に事実上廃止へ 自転とのずれ「1時間」まで容認 10月に国際会議で採決 (ITmedia)

そもそもうるう秒というのは地球の自転と1日の長さのずれを調整するものである。

1日=86400秒は原子時計でズレないが、地球の自転はわずかながら変動がある。

うるう秒を行わないと、日の出・日の入りの時刻がだんだんズレていく。

調整しないまま長い年月が経つと、日の出が午後になり、日の入りが午前になるかもしれないと脅される。


ただ、実は最近は地球の自転と1日の長さはとても近い。

現在の世界協定時(UTC)の運用が始まった1972年は1日より自転が遅く、

毎年のようにうるう秒を挿入して自転に合わせていた。

近年は自転が早くなり、2017年からうるう秒がいらない状態が10年近く続いている。

ところがこの自転が早いというところが心配事のようである。

中でも懸念されているのが、UTCから1秒を差し引く「負のうるう秒」だ。これまで実施例はなく、BIPMの決議案によると、地球の自転に関する専門家らは、35年までに必要となる確率を約30%と推定しているという。BIPMは、実施すれば対応が不十分な重要インフラで障害や混乱を招く恐れがあるとしている。

そもそも、うるう秒はコンピュータシステムにとって問題が多い。

それでも うるう秒の挿入であればこれまでの実績からできるだろうと。

でも、うるう秒の削除(UTCの23:59:59を飛ばして0:00:00にする)はこれまで経験がなく、

果たしてそれを無事に出来るのかという点に心配があると。

今後の地球の自転がどうなるかというのは予測は出来ないため、

地球の自転が早い状態が続き、0.9秒以上の差が蓄積されるかはわからない。

でも、うるう秒の削除もありうるとなって議論が活発化したようである。


60秒差まで許容するという案も言われていたが、最終的には3600秒差まで許容するという結論になったようである。

神戸では春分・秋分付近では朝6時頃に日の出・午後6時頃に日の入りになるけど(厳密には一致しないが)、

札幌では25分ほど早いし、那覇なら30分ほど遅い。

一般的にはタイムゾーンは1時間間隔で切られて、最も近いものを選ぶことが通常である。

さらに言えば一部地域ではサマータイムで1時間ずれたタイムゾーンを使うこともある。

なので1時間差までなら許容できると考えたそうだ。


もっとも1時間差が積みなさなるまでには数千年とかかる。

1時間差を許容するということは、今後はUTCを地球の自転に合わせないということにほぼ等しい。

数千年先にUTCが運用されているかどうかのほうが疑わしいわけだし。

1時間ずれを調整するために通常存在しない1時間挿入したり削除するのは現実的ではなく、

実際に1時間調整するとすればUTCとの時差を調整することになるのだろう。

現在、日本はUTC+9のタイムゾーンだが、それをUTC+8とかUTC+10にするということである。

コンピュータ上ではUTCで時刻を管理していることが多いため、その点では混乱は引き起こしにくい。


実際のところ、うるう秒に対して愚直に対応すると問題が多いので、

UTCの23:59:60を挿入する代わりに、直前2時間の1秒の長さを(7201/7200)倍に伸ばすことで対応するとか、

1秒ずれは後で時刻合わせで吸収するとかいう対応も多いよう。

元々、コンピュータの時間合わせはわずかな時間差であれば、

1秒の長さをわずかに伸び縮みさせて少しずつ吸収する方法が広く使われている。

この方法を事前にやるか、事後にやるかの違いである。

ただ、いずれの方法でも1秒単位の厳密な時刻からの乖離がしばらく生じる。

世界中で揃っているはずのUTCがシステムごとにずれると問題を引き起こしかねないと。


正直、コンピュータの都合だけで決めるのもどうかと思うんだけどね。

ただ、うるう秒を真面目に実施するのは困難なのもその通りで、

そのための代替手段が様々あるのが問題の1つでもある。

統一的な代替手段があれば、あまり不安はなかったのかもしれない。

でも、それを考えるよりは うるう秒 をやらない方が簡単と考えたわけですよね。

少なく見積もっても100年ぐらいは問題は顕在化しないだろうからね。

特定加熱食肉製品とは

昨日、買い物に行ったらローストビーフが半額で売られていて買った。

定価だとなかなか高いのだが、それが半額ならお得ではあるが、

といってもけっこうするんですけどね。

たまにはこういうのもいいかなと、少しずつ切って食べている。

今朝はサンドイッチにして食べていた。おいしかった。


このローストビーフの袋には「特定加熱食肉製品」という記載があった。

「水分活性」という見慣れない表示があったり、あまりみない表記である。

そういえば水分活性といえば生ハムにも表示されていると聞いたけど、

果たしてこれは何なのだろうか?


加工肉の多くは「加熱食肉製品」に該当する。

一般に販売されているソーセージでは製造工程の中にボイルがある。

ボイルで加熱される中で殺菌され、ボイル後は衛生的に包装され、

なのでこれらの肉製品はそのままでも安全に食べることができる。

実際には炒めたりボイルしたり再度加熱することも多いですけどね。

なお加熱食肉製品は「加熱後包装」と「包装後加熱」を記載するルールがあり、

大概は加熱後包装だが、パウチ入りのハンバーグなど包装後加熱というものもある。


加熱食肉製品の加熱は 63℃以上30分 または 120℃以上4分 と定められている。

ただ、そんなに長時間加熱したくない肉製品というのもある。

それがローストビーフだったわけですね。

ローストビーフの安全性を担保する上で重要なのが肉塊を使うことである。

表面は菌に汚染されやすいが、内部にある菌は限られるためである。

その上で加熱するが、ローストビーフでは中心部を短時間でも63℃以上にする条件で製造されているそう。

この結果として、検出される菌の数が一定以下である必要がある。

中心部は生っぽい状態だが、そこで殺菌するべき菌は殺菌できているので問題ないというわけである。


これ以外の方式として「非加熱食肉製品」「乾燥食肉製品」がある。

これらは菌を殺菌するというより、増殖しないようにする対策である。

非加熱食肉製品では塩漬けや乾燥の方法が細かく定められている。

最終的に一定以下の水分活性にすることが求められている。

生ハムや生サラミなどに適用される方法である。

乾燥食肉製品は乾燥で菌を増殖しないようにするというもので、

ビーフジャーキーやドライサラミなどに適用される。

乾燥食肉製品は保存温度の条件がないのも特徴ですね。


どうして水分活性の表示があったのかというと、それにより保存条件が変わるんですね。

あと非加熱食肉製品ではpHも保存条件を決めるために必要である。

そのあたりの根拠がわかるように記載することが求められているそうである。

一般的な加熱食肉製品は材料の自由度が高い。

一方で加熱はしっかりしなければならないので、加熱が適さないものはこの方法では商品化できない。

特定加熱食肉製品では肉塊を使うという制約を加えて、加熱の条件を緩和できる。

ほぼローストビーフしか使い道はないけど。

乾燥食肉製品は乾燥さえさせればいいが、当然パサパサである

非加熱食肉製品は塩漬けと乾燥の制約がかなり厳しい。

その代わり、加熱しないことによる独特な風味は得られるわけだが。


そんなわけでローストビーフは特別だったって話ですね。

それも塊で買うなんてそうそうないでしょうしね。