便當局呼ばわりされるわけ

最近、Twitterを見ていると「便當局」という言葉を見ることがあって、

なんだろうと思ったら台湾鉄路管理局のことだった。

実は台湾鉄路管理局にとって便當(弁当)事業は売上は相当なもので、赤字の鉄道事業に対して高収益な事業だそうだ。

本業である鉄道事業がおろそかになってるんじゃないですか、という風刺ですね。

今月21日に起きた列車事故の原因が遅れを取り戻すために、保安装置を切って制限速度を超過したせいだといわれており、

それは論外だということで、台湾鉄路管理局はもはや鉄道事業者ではなく「便當局」だという風に言われていると。


それはそうとして、便當 というのは日本語由来の外来語と言ってよいんじゃないかな。

そもそも便當という言葉は中国語にあって「便利なこと」を表す言葉だったらしい。

これが日本にやってきて、いろいろあって料理を詰めたものを弁当と呼ぶようになった。

台湾の便當は日本統治時代に日本から渡った文化で、日本の弁当にかなり近いようだ。

日本の駅弁と同じように駅や列車で売られていて、旅のお供として食べられているわけだけど、

この弁当業者を台湾鉄路管理局が統合して「臺鐵便當」のブランドで販売しているとのこと。

公企業が弁当事業をやっているというのは変な気がするけど、台湾の便當をリードする存在であることは確からしい。


台湾での便當の歴史はそれなりに長いが、近年では日本の弁当が外国に渡ることも増えた。

他の地域ではあまりない概念のようで、アメリカやヨーロッパではそのまま Bento のように呼ばれているようだ。

ヨーロッパ圏では食べ物を持ち歩く文化があまりないようで、品数が多くて、生活に根付いた日本の弁当文化というのはかなりインパクトがあったようだ。

アジアでは米+おかずを持ち歩く文化を持っている地域は多いようだけど。

とはいえ、かつて台湾が日本の弁当の影響を受けたように、最近では中国大陸でもコンビニ経由で日本の弁当が渡りつつあるよう。


日本の鉄道で食堂車が皆無になった(観光列車などに一部あるが)のは、

新幹線を中心としたネットワークが構築され、1列車の乗車時間が短くなったのも要因ではあるけど、弁当があったからというのは大きいよね。

一方で中国大陸では「盒飯」を調理するための食堂車というのもあるらしい。車内で弁当を作るんですね。

乗車時間が長いというのもあるが、どうも中国では冷めた米を食べる文化がなかったらしく、そのために盒飯を車内調理する必要があったらしい。

台湾では便當を駅で買うか、外から積んで車内販売で対応しているようだから、この点においては差がある。(乗車時間の差もあるとは思うが)

日本ではせいぜい途中駅から駅弁を積んで車内販売すればよく、それも乗車時間が長い新幹線や北海道の特急ぐらいでしかやらなくなったけど。


最初の話に戻ると、台湾鉄路管理局にとってみれば鉄道事業の収益性の悪さは、長らく運賃改定ができていないという事情もあるらしい。

その中で唯一儲かる事業が便當で、ここぐらいしか力を入れるところがないという事情もあるようだ。

赤字の鉄道事業に対して適切に投資がされていたかという点に疑問はあって、

実際のところ、ここまで大規模でなくとも脱線事故は多く起きており、いろいろ問題を抱えている可能性はある。

この事故をきっかけに台湾鉄路管理局の運営は変わるのだろうか?