「わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)」
長いのでだいたい「わたなれ」と呼ばれているがTVアニメとなり好評を博しているが、
その中でTVアニメ放送後に配信されている「甘織れな子の『わたなれでぃお!』」で、
「BLソムリエ」らしい田中貴子さんが話の展開がBL作品に近いと言っていて、
よりによって百合もので言うかと思ったが、実は仕込まれたものかもしれない。
この作品は元々集英社 ダッシュエックス文庫の小説である。
集英社ってのがどうにも意外な気がするのだが……
おそらくこの中で多くの人に手に取って欲しいという意図があったのではないかと思う。
僕が読んだときに、これはよくあるハーレムもののライトノベルのような構図だなと思ったが、
これは1つの側面で、そういう要素も多く取り入れたのであろうと。
で、実はBL(ボーイズラブ)作品の構図も活用していたのだろうと。
例えば、強引なイケメンが出てきて……というのはまさに王塚真唯である。
以前も書いたことがあるのだが、百合のルーツは少女漫画にあるそう。
ただ、これが相当なニッチな路線になってしまっていて、
特にここで書かれたような王道な作品はかなり少ないのだろうと思う。
一迅社の「コミック百合姫」があれやこれやと詰め込んでいるが、
バトル漫画みたいなのとか、SFみたいなのとか、特殊な性癖の作品とか、
大同団結して1つの雑誌になっているが、そうでもしないと1冊にならないのである。
わたなれの着想点は「かわいい女の子がかわいい女の子に恋をすれば、二倍かわいいのでは」と、
これは第1巻のあとがきに書かれているが、こういう発想である。
それを実現するために参考にしたのが、
ハーレムもののライトノベルや、BL作品だったのではないか。
そこをうまく活用しながら、女同士の有情関係や恋愛関係を描くと、
取り付きやすくて、思い描いた発想が実現できそうだねと。
入口こそこんな発想ではあるけど、話が進むごとに事情も変わっていて、
直近の小説6・7巻というのは女同士のある種において陰湿な人間関係にフォーカスされていて、
後から振り返ってみると1巻のこういうところとかにつながっていたのかとか、
間口は広く取っているが中はけっこうな内容だったりする。
全体としてはかなりコメディなんですけどね。
作者の みかみてれん さんといえば、最近は「Link!Like!ラブライブ!」、
すなわちは蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのシナリオで知られてるのかな。
調べたらやたら風呂の話が多いのが、わたなれに通じるという指摘があった。
小説という点ではもう1つの代表作が「女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話」
で、ひどく長いので「ありおと」と略されている。
なんとなく わたなれ とタイトルが似ている気がするが、最初だけは似てる。
もはや「徹底的に落ちている」のでタイトル詐欺もよいところだが。
わたなれ より読み手は選ぶかもしれない。