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どういう理由だよと思ったけど、百合作品のキャンペーンが行われていた。
百合って言われてすぐわかる人ならいいけど。
「百合」というのはもとは女性同士の恋愛を表す言葉だった。
ルーツを調べてみると、男性同士の恋愛を「薔薇」と呼んでいたことの対義語として生まれたらしい。
今はもう少し穏やかに捉えられていて、恋愛とまでは言えずとも、女性同士の友情などを深く描いたものにも使われることが多い。
ということで女性同士の恋愛を描いた作品ですね。
ちょっと前から気になっていたことがあって、それは百合ものはどんな人が読んでいるかということ。
それで調べてみたら、ルーツは明確に少女漫画なんですね。
元々このジャンルは、戦前の少女小説に源流があると、森絵利佳は語る。その少女小説は、吉屋信子の『花物語』に始まるとされているが、作品の中で描かれる少女同士の強い絆はエスと呼ばれ、1914年の宝塚歌劇団の創立もあって、少女から大きな支持を得た。現実の女学校でもエスに良く似た少女同士の強い関係が生まれていた。
なるほど、女学校なのか。時代が移り変わって、このあたりの背景はあれこれと変わっていったけど、
今も、こういう関係性にしっくりくる少女たちは一定いるんだろう。
ルーツこそそうだけど、男性読者も少なくないし、むしろ男の方が多いんじゃないか? という話もあるらしい。
どうしてって、それは女の子がたくさん登場するからだろうな。やっぱりそういうの好きでしょ?
「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」(ガルパ)というゲームについて「百合豚介護施設」との肯定的な評判があるが、
これは女性のキャラクタ同士が話をしているのを眺めるばかりということを表している。(恋愛物というほどではない)
多分、このゲームのプレイヤーは男の方が多くて、プレイヤーもライブハウスのスタッフとして作中には存在しているが、
ほとんど空気であり、プレイヤーが女性のキャラクタ同士の関係性に関わらないところが、実は評判がよいと。
百合ものの漫画・小説と男性読者の関わり方もそんなところではないか。
いくつか試し読みしてみたが、実のところいろいろな作品があるらしい。
百合漫画を集めた雑誌としては長い歴史があるらしい「コミック百合姫」(一迅社)の作品で、
おそらく一番知名度があるのかなと思ったのが「ゆるゆり」――ってこれ百合ものだったんですね。
恋愛色は薄そうで、ほのぼのとした女の子同士の関係性を描いたコミカルな作品だが、掲載雑誌などからすると百合漫画らしい。
そうかとおもいきや、ダークな雰囲気で、重苦しくも女性同士の恋愛を描いた作品もある。
やっぱり同性愛というのはタブー視されることも多いですから。
そこを開き直って描くよりは、ダークに描いたほうが現実味があるのだろう。
少女漫画の恋愛物らしいのかもしれないと思ったが、あんまり読んでない人が言うもんではない。
男の子はファンタジーが好きだからというのは、僕の持論であって、
男が好きな漫画・小説・ゲームというのはそういう要素を備えていることがしばしばある。
漫画の中の反社会的な表現について「漫画のマネをしたらどうする」なんて非難をする人もいるけど、
そういう作品はたいていファンタジー色が強く、まさかそれを現実にやるやつはいないだろうと思いとどまらせてくれる。
作品の性質にもよるだろうけど、僕は一般論としてそうだと思っている。
男が読む百合物もそうである。女性同士の関係性を描いた作品に男の居場所はないのである。
一般的な男性向けの作品とは大きく違うところだと思うが、だからこその面白さがあると思う。
男にとって決して経験することができない、女性同士の関係性を読むことはファンタジー以外の何者でもない。
タブー視されがちな同性愛も、ファンタジーの世界なら楽しいだけである。それは無邪気に過ぎるか。
おおかたの女性にとっても、百合もので描かれるような女性同士の関係性というのは、届きそうで届かない世界だろうが。
そういうところに憧れる人にも、手が届くのが漫画・小説であるということである。
自分が見られない世界を見られるという点では、読者の男女を問わないように見えるが、
決定的な差としては、男性読者は作中の登場人物にはなれないが、女性読者は作中の登場人物になりうる。
同じ作品でも読者の男女で評判に差が出るとすればそこかなと思う。
ちなみに男性の同性愛を描いた作品、薔薇というよりはBL(ボーイズラブ)と聞くことがおおいけど。
これは女性のファンが圧倒的で、男性ファンは少ない(皆無ではない)とのこと。
というかBLって百合に比べると1桁ぐらい市場規模が大きいらしく、圧倒的な女性ファンに紛れるのもあるかもしれない。
そこで最初の話に戻るんだけど、百合もののルーツは明確に少女向けの漫画・小説にあるわけだけど、
これがすっかりニッチ路線になってしまい、そんな中で細々と育ててきたのが一迅社の「コミック百合姫」なんだろうなと。
そうしてやっていくと、男性読者も掘り起こして、市場規模も少しずつ拡大してきた。これは確からしい。
これは作品の性質によりけりだと思うけど、食わず嫌いするほどとっつきにくいものではないと思いましたね。
そうはいっても今もニッチ路線の1つではあるんですけどね。確かに大衆にはウケないよね。