廃線を検討する理由はあるが

富山地方鉄道が2区間で行政からの支援がなければ廃線にするという話が出ている。

「結論出なかったら廃線の可能性極めて高い」富山地鉄 今秋に廃線を判断 (KNB)

滑川~新魚津と岩峅寺~立山で前者は以前より検討が行われていた。

後者はわりと急に出てきた気がするが、水面下ではあったか。


この両方、生活路線としての重要性は低いというのが実情である。

滑川~新魚津というのはちょうど あいの風とやま鉄道 と並行する区間である。

宇奈月方面は魚津で乗り換えての利用が中心になっているようで、

この区間の利用状況は悪いが、代替手段はあるので問題ないように思える。

岩峅寺~立山は立山黒部アルペンルートに至るルートということで、

観光客の利用はあるのだが、それ以外の需要が乏しい。

このため冬季は減便され、昼間帯の運転がなくなっている。

沿線の集落をカバーするのには必ずしも鉄道は効率的とは言えないようだ。


そんなわけで行政としても単純に損失補填に応じるかというと難しい。

滑川~新魚津だけならばなくなっても困らないとは言える。

しかし、地鉄の車庫はすべて稲荷町駅にある。すなわち魚津~宇奈月に代替となる車庫が必要ということである。

結果として、残存区間の運行継続にも疑義が付くことになる。

全便運休にして回送列車の運行だけに使うというのも考え得るが、

設備の老朽化という課題もあるだろうから、残すのも金がかかる。

代替車庫の整備より長期的に見ても安上がりならアリでしょうが。


岩峅寺~立山は観光客に負担を求めるのも手に思える。

例えば特急として運行すれば特急料金を払わないといけない。

ところが、そうすると立山発着の特急と岩峅寺発着の普通を分けて走らす必要がある。

で、どうもアルペンルートの観光客も立山との往来に地鉄を使うのは一部で、

それは立山駅に駐車場があるからである。

マイカー規制があるのでここから室堂方面はケーブルカーを経てバスに乗り換える必要があるが、

そこまでは特に問題が無いので自家用車を使うことが多いのだという。

そんなわけで観光客の利用が比較的多いというが、観光客にも見放されつつある実情もある。

ただ、もしもここが鉄道ではなくなると、岩峅寺~立山がバス、立山~美女平がケーブルカー、美女平~室堂がバス、

とバスとバスの間にケーブルカーが挟まれる形になる。

しかもこの区間は並行して道路が存在するため、ケーブルカーの存廃にも関わる話かもしれない。


というわけで、それぞれはなんとかなる話かもしれないが、他への波及性もあるので課題はある。

滑川~新魚津は全面運休はやむなしという感じはありますけどね。

運休区間の線路の維持を支援することで、結果として魚津~宇奈月の運行継続に効果があると。

これは1つの落とし所ではないかと思うがどうだろうか。


岩峅寺~立山は冬季運休で除雪などにかかるコストを削減するのも手かもしれない。

生活路線としての機能はバスで確保した上で、観光客には特急料金など追加負担を求めるような。

そういうシナリオもあるのかもしれない。

立山駅でケーブルカーを乗り継ぐ体制を継続することが、アルペンルートの環境保全につながるとか、

そういう名目をつけて支援するようなことは考え得るかもしれない。

それでもなかなか難しいかもしれないけど。


この手の鉄道会社にはありがちな話だが、バス事業の方が事業規模が大きいんですよね。

ところが乗務員不足もありバス事業の儲けが減っている。

鉄道で代替性がある区間などはバスを減便する動きはある。

高速バスはその最たるものでもある。

そうなるとバス事業からの儲けが減り、鉄道事業に影響があるという形である。

バスの集約にとって重要な鉄道もあるが、滑川~新魚津は代替手段が既存の鉄道である。

岩峅寺~立山はなんとも言えないが、観光客輸送に目処が立てばというところか。