今日は少し久しぶりに東京に出かけていた。
上野公園の東京国立博物館に行ってたんですね。展示替えが多いから。
お目当てはいくつかあって、1つはオリンピックにちなんだ特集展示、
1つはミュージアムシアターで上映されている「法隆寺 国宝 金堂―聖徳太子のこころ」というVR作品。
こういうの見ると斑鳩に行きたくなるけど、通常は非公開の金堂をなめ回すように見られるという作品なので。
で、これは展示期間が来年2月までと長いので急いで観に来る必要はなかったんですが。
マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 「イスラーム王朝とムスリムの世界」 (東京国立博物館)
マレーシアからやってきたイスラームの美術品を集めた展示ですね。
もっとも実際の展示を見てみると、多くは西アジアから北アフリカにかけての地域のものなのだが。
マレーシアに位置するというだけで、世界に広がるイスラーム文化を集めた美術館であることがわかる。
そういう意味では学びが多い特集展示だと思いますね。
東洋館地下1階(普段は東南アジア~インドの展示物が並んでいる)の手狭なところに押し込められている感はあるが、
点数は少なくてもよくまとまっていると思う。
ところで、マレーシアはイスラム教を国教としている。
国教とはいうけど、マレーシアは多民族国家でイスラム教一色というわけでもない。
このあたりはすぐ近くのインドネシアが大半がイスラム教を信仰しており(人口では世界一多い)、
その一方で基本的には政教分離であるのとはなにもかも対照的である。
多分、マレーシアの国教がイスラム教であるというのは、国王がスルタンの輪番制であるとか、
そういうところでイスラム教が特別な扱いを受けることは多々あるということだと思う。
おそらくは、今回の展示に協力している マレーシア・イスラーム美術館 というのもそういう類のものだと思う。
マレーシアの特色の1つが、イスラム教と他の宗教の混在を前提とした仕組みがあることだ。
というのも、マレーシアで経済的に優位に立つのが華人系で、人口の25%ほどとはいえそれ以上に存在感が高い。
華人は豚肉だって食べるし、酒だって飲む。それが尊重されるのがマレーシアである。
そこで必要になるのがハラール認証の仕組みなんですね。国家機関が認証を行うのはマレーシアが唯一だとか。
日本でマレーシアのJAKIMの認証を取得したり、あるいは日本の認証機関がJAKIMと相互認証を行うのは、
マレーシアが ハラール と ハラーム(イスラム教にとって禁忌)が混在しているがゆえに制度が整備されているからなんですね。
より厳格なイスラム国家では全ての人がイスラムの価値観に従う必要があるから、認証して区別するまでもないということだろう。
日本にとってマレーシアもインドネシアも交流が深い国ですよね。
特にインドネシアは人口が多く、日本に住むムスリムの多くはインドネシアにルーツを持つはず。
そんなこともあって、日本から見たイスラム教というのは、だいたいこの地域を起点に考えることになると思う。
そんな中で言うほどムスリムの割合が高くもないのにやたら存在感のあるマレーシアはおもしろいですね。
展示を見ながらやっぱりマレーシアって妙なところに手が込んでるなと思った。