もはやデッドヘッドではない

航空の用語に「デッドヘッド」と言う言葉がある。

乗務員などが業務上、飛行機で移動することを指している。

なぜそれを「デッドヘッド」と呼ぶのかというと、有償旅客ではないからだ。

航空便では有償旅客数やそれから派生した指標を使うことが多い気がするのだが、

有償ではなく飛行機に乗る人というのが、業務上の都合で飛行機で移動する乗務員たちというわけだ。

座席は食えども運賃は入らない。だから デッドヘッド というわけ。


ところで乗務員はなぜ飛行機の客席に座って移動しないといけないのかという話だが、

もちろん、乗務員基地を出て、いくつかの便で乗務して、最終的に同じ基地に戻ってくる行路なら特に問題は無い。

ただ、乗務員基地のある空港も限られて、JALとかANAでも何箇所あるんだろうなぁ。

羽田空港と成田空港にはあるだろうが、あとはどうだろ? そんなのが理由の1つだろう。

あとは単純に通勤のために飛行機を使う場合とかもあるらしい。


デッドヘッドの本来の意味はそういうわけだけど、そこから転じて、業務上移動すること一般を指すことになったそうで、

新幹線で移動する場合を新幹線デッドヘッド、他社便で移動する場合を他社便デッドヘッドと呼ぶこともあるとか。

新幹線デッドヘッドが発生するのは、羽田空港所属の乗務員がセントレアからの便に乗務するときとかかな。

今は羽田~中部の航空便もあるけど、各社1日2往復ぐらいだからそんなにあるわけではない。

そうなるとたいていは新幹線で移動というのが最適ということになる。

もちろんJRに運賃料金を払って乗っているのだからJRにとってはデッドヘッドではない。

他社便を使うのも自社便では路線がない、便の都合が合わないとかそういうわけだが、

このとき他社にとってデッドヘッドかは別問題だ。ちゃんと運賃を頂いてるのかも知れないし、航空業界お互い様なのかもしれない。


さて、鉄道の乗務員も業務上、鉄道で移動することはあるだろう。

乗務員基地の駅以外でも乗務員交代を行うことはあって、そういう駅だと詰所があって出入りする乗務員の姿が見られたりする。

普段は自社路線での移動なのだろうと思うのだが、どうもJRの乗務員が阪急で移動する姿が目撃されたなんて話を見た。

近畿圏のJR各線が壊滅状態の中、運行再開に向けて乗務員を送り込む必要があったんだか知らないけど、

まだその時点ではまともに移動できる状況でもなく、平行する阪急電車で移動しろということになったのだろう。

鉄道だと回送列車で移動という手段を取ることも少なくないだろう。回送列車で車両と乗務員を一気に動かすわけわけだ。

このときは手っ取り早く乗務員だけ移動させたかったのかもしれない。

まぁ車庫に電車があっても乗務員がおらんという状況だったのだろう。


乗務員は勤務時間・休憩時間の都合でどうしてもそういう乗務せず移動が生じてしまうのよね。

飛行機だと乗客を乗せずに機材だけ移動させるフェリーフライトは燃料代がかかりすぎるので、そんなにやらない。

といいつつ、どうしょうもなくやることはあるんだけど、鉄道の回送列車のようにはいかない。

だけど乗務員は飛行機に付いて飛び続けるわけにはいかないのだ。そこに難しさがある。

特に飛行機は1乗務が長時間に及ぶことが多く、すぐに折り返しが難しい場合もある。

短距離路線に専念してるLCCが多い理由の1つには乗務員もすぐに折り返しできる程度の乗務時間に抑えるという意図もあるらしい。

鉄道の場合は、どちらかというと運行区間の都合、乗務員基地で交代できないという理由が多いのかもね。

ひたすら支線折り返しとかだとなかなか乗務員の出入りが難しいし、そういう場合とかね。