イオン株式会社化100周年とは

イオンに買い物に行ったとき、こんなポスターが貼られていた。

イオン株式会社化100年特設サイト

イオンの会社化から100年ということで書かれているのだが、

当然100年前にイオンという会社があったわけではない。

100年前に設立されたのは (株)岡田屋呉服店 である。


現在のイオンにおいて重要な構成要素は、かつてのジャスコとマイカルとダイエーである。

もっともこれは経営が悪化したマイカルとダイエーが経営統合された結果だから、

イオンの創業という点ではジャスコにさかのぼればよいと言える。

なお、スーパーのブランド名としてイオンが使われるようになったのは2010年以降である。

(当初はかつてのカルフールを改名するところからスタートした)

ただ、2001年にジャスコの社名はイオンに改められているし、

1989年からイオングループという名前は使われていたそう。


さて、そんなわけでジャスコのルーツをたどるわけだが、

ジャスコという名前ができたのは1969年のことである。

岡田屋、フタギ、シロの3社が合同で設立した共同仕入会社に由来し、

“Japan United Stores COmpany”の略でJUSCOだという。

ジャスコには設立した3社やその他多数のスーパーが合流している。

この合流の中で存続会社が岡田屋になったので、イオン(株)の設立日は(株)岡田屋呉服店の設立日の1926年となった。


でも、なんで岡田屋が存続会社になったのだろう?

というわけでルーツになった3社を調べてみた。

まず、岡田屋は四日市の呉服店がルーツで1758年創業(当初は屋号が違った)、

1887年に岡田屋となり、1926年に会社化、そこから百貨店化していく。

この会社がスーパーに参入したことがジャスコ設立のきっかけとなっている。

次にフタギだが、1937年の姫路で創業したフタギ洋品店に由来する。

1949年に会社化、食品の取扱も始め、播磨各地に展開した。

GMSの成立としてはよくあるパターンなのかなという気がする。

最後にシロだが、1961年に豊中に開業した衣料品店に由来する。

チェーンストア化を進めたのだが、同エリアではダイエーとの競合が激しかったよう。


と、この3社の中では断然古いのが岡田屋だったわけである。

岡田屋はジャスコになってからも四日市ではしばらく百貨店の商売をしていたという。

とはいえ、岡田屋にとってみれば異業種とも言っていいところへの参入だったわけだが

ここには「大黒柱に車をつけよ」という家訓があったとか。

商売の在り方としてはフタギの方がルーツに近いのかなとも思うが、

ジャスコの社長が岡田屋から出たことや、なにより歴史の長さですかね。


ただ、ジャスコってのは歴史を遡れる店舗が残ってないんですね。

岡田屋に由来し、ジャスコになっても百貨店を続けていたという、

ジャスコ四日市店は2002年に閉店、以後四日市市街には店舗がない。

フタギは元々姫路の洋品店と書いたし、ジャスコ初期にジャスコ飾磨店という大型店を姫路に開業、

しかし店舗の老朽化により2006年閉店している。

(中途半端に解体され、名店街だけ残っているらしい)

シロは比較的店舗としては残ったところが多かったが、2021年のイオン東山二条店の閉店で全部なくなった。

ここは改築されて再出店しているので、その点では残っていると言えるが。

シロは比較的そういうのがある方だという話は見た。


イオンのルーツが呉服店にあるというのも妥当な言い方かは難しい。

現在それを継承するものは残っていないからである。

この点はユニーとは違うんだよな。こちらは さが美 として祖業が残っているので。

もっとも2016年に当時のユニーファミリーマートホールディングから離脱、

現在はベルーナ傘下の会社となっている。知らんかった。


ちなみにマイカルは1963年に大阪の衣料品店らが設立したニチイ、

ダイエーは1957年に神戸で設立、1号店を大阪・千林に出店した薬局に由来する。

これらと見比べても岡田屋の歴史の長さがわかる通り。

もっともGMSという商売のルーツはダイエーにあるんだけどね。

ダイエー、マイカル(サティ)、ジャスコ が西日本を中心に競い、

とはいえ、店舗面積がかさむこの商売の宿命か、苦しい時代が続き、

最終的に残ったのはジャスコあらためイオンだったという。


実態としてのスタートはジャスコ設立の1969年なのだろう。

そこから数えても58年だから、けっこう長い商売である。

調べてみるとダイヤモンドシティも同年設立されてるんですね。

現在のイオンモールのルーツとなった会社で、

ショッピングモール開発を行う会社としては特に古い会社である。

ダイヤモンドシティというのは三菱商事が出資していたことに由来するが、

2006年にはイオンの完全子会社に、社内で同様の業務を行っていたイオンモールと合併している。


そのイオンモールの設立日が1911年とえらく古い。

岡田屋呉服店より会社化は古い。

なんで? と思ったのだが、実はこれ、昔に土地ごと買った岐阜繭糸という会社の設立日である。

その後、この会社はジャスコの不動産部門として規模を拡大していく。

その経緯から1989年からショッピングモール開発を行う会社となった。

見ての通り、この商売を始めたのはダイヤモンドシティの方が古い。

この店ではイオンモールの原点はダイヤモンドシティにあると見るべきで、

その起点はジャスコと同じ1969年で老舗ですねと。